実作講座「演劇 似て非なるもの」プレゼンツ リレーエッセイ『いま、どこにいる?』第37回 石垣真琴




実作講座「演劇 似て非なるもの」は「人と人が出会うところから始まる」と考えています。
でも今は人と接触することに、どこか恐れや不安を互いに感じてしまうような状況が続いています。
家族や職場の人たち、ごく限られた人にしか会わない生活をしている人も多いのではないでしょうか。
そんな中、みんな、どんなことを感じたり考えたりして暮らしてるのかなと思ってみたりします。
実際に会ってはいなくても、いろんな場所に信頼する人たちが居て、それぞれ日々の暮らしがある。
そのことを灯火のように感じています。

今年最後のリレーエッセイはわれらがまこっちゃんです。
(実際はそんなふうに面と向かって呼んだことはないんですけど、脳内では、まこっちゃん)
彼女の舞台作のタイトルではありませんが人生は「劇より、長い。」
(そう、あたりまえなんだ。ひとりの人生すら、誰も、本人すら把握出来ないので)
まだ年若い石垣さんが自身の半生を語るあの作品を見始めた時、
「あ、これは苦手なやつかも」と思ってしまった方もいたかもしれません。
だけど、ロビン君と富田さんを従えて?、歌い踊り泣き笑いの一代記は、
最後にはそうした観客の心もとかして、みんなをあたたかい気持ちにして、大団円を迎えました。あんなに観客と舞台があたたかいものに包まれているのを、僕は他に観たことありません。
世界はろくでもないが、とてもすばらしくもある。
(世界というより人間かもしれないが)
と嘘でも思いたい人間の端くれである自分は、
とりあえずの区切り、今年最後を彼女に託してしめてもらうことにしました。
まこっちゃん、どうも有難う。
(から元気でも良いから元気だせ!って町蔵も言ってたな。)
皆々様、良いお年を。

(生西康典)


「どんな気持ちだって素手で受け止めてやる」 石垣真琴

みなさんお元気でしょうか。
トイレットペーパー買い占め騒動~今まで、なんか長かったですね。
マスクの肌荒れだってバカになりませんしね~~。大変だ。
まぁでも、すぐにでも家にお帰りなさい!!ってあんだけずっと言われて多くの人がおうちに籠るっていう体験も全然ないので、とても新鮮でしたね。

(あ、そうそう。なんかバンドの人がインタビューされてる様な気持ちで書いてるので、ここから先はそんな風に読んでもらえたら嬉しいです。)

ここ2年ぐらいは、有難い という気持ちがよく湧き上がってました。
まず第一に人との関わり方が少しずつ変わってきました。
分かってきたような気もする。
特に友達との関わりで、あったかい瞬間が沢山ありました。
実はウイルスが蔓延する少し前に台本を書いていたんです。
修了作で舞台に上がった少し後、
確か生西さんから、気持ちが冷める前に作った方が良いよ~みたいな事を言われてそうだよな~と思って。
練習もしてたんですけど、してる間に鬱屈としてきてなーなーに。
ロビンくんは付き合ってくれてました。笑
鬱屈としてたのは自分のことしか書けない自分が情けなかったりとかで。
でもそのうちに
気になってくれる人が居るなら良いよなと思うようになりました。
年齢ですかね?

私はすごく腰も重く慎重な性格なので、本当にだらだらグダグダしちゃいがちなんですが
友達や周りの人達はそういう私を面白がってくれたり待っていてくれたり。
私に協力してくれていたんだなぁ有難いなぁとこの場をお借りして、誤解していた人たちにも言いたいぐらいです。

そしてタイトルに書いてある言葉は、私が言われたくもあるし皆さんに言いたい事でもあります。
世の中が少し変化して日々暮らす中で気持ちが忙しい人は沢山いると思っていて。
そういう時って自分のことがぼんやりしがちにもなる。
そしてぼんやりとさせられた人々が、ぐつぐつと世の中で溶かされていく感じがすごくムカつきます。私がそうだから。
そんな風に溶かされていってしまう人達を救い上げられる人でありたいと強く思います。

私の周りの友達は、私の言うことや成すことを凄く褒めてくれるんですけどその友達みんなどんどんキラキラしていくんです。
私の放つ言葉で元気が出る、とか進める、とか言ってくれるけど
私もめちゃくちゃ愛をもらってるし励まされてるし、愛おしいです。
ありがとう!
周りの人を幸せにできたら充分幸せですが、もっともっと色んな人の話を聞きたいし知りたいし、見たい。
私はそんな風に思い、これからやるべき具体的な案がぽやぽやと出てきたような感じです。

どうぞ皆様これからも私を見守ってください!
ではまたどこかで!!

石垣真琴(いしがきまこと)

1995年生まれ 蟹座 B型
洗足学園音楽大学打楽器科中退
似て非なるもの 6期生
修了作「劇より、長い。」
パフォーマーと捉えてドラムや打楽器を叩いたり コラージュ、映像、音の継ぎ接ぎなど作っている
アルバイト伝記を書いたり
365日自分の着終わった洋服を撮るなど
その時々自分に必要な方法で。
かなりフィーリング。もう少しなんとかしたい。
今後は(もう少し修行を積んで)生き方講座というものを開きたい!

リレーエッセイ『いま、どこにいる?』

第1回 植野隆司「トゥギャザー」
第2回 鈴木健太「交差点」
第3回 黒木洋平「もっと引き籠る」
第4回 武本拓也「小さなものの食卓」
第5回 冨田学「面白かった本について」
第6回 竹尾宇加「新しい日常」
第7回 ドルニオク綾乃「集えない」
第8回 冨岡葵「Letter」
第9回 岡野乃里子「体を出たら窓から入る」
第10回 奧山順市「17.5mmフィルムの構造」
第11回 千房けん輔「中間地点」
第12回 佐竹真紀「お引っ越し」
第13回 山下宏洋「休業明け、歌舞伎町に映画を観に行った。」
第14回 小駒豪「いい暮らし」
第15回 伊藤敏「鹿児島にいます」
第16回 コロスケ「無意義の時間」
第17回 嶺川貴子「空から」
第18回 加戸寛子「YouTubeクリエイターは考える」
第19回 いしわためぐみ「OK空白」
第20回 井戸田裕「時代」
第21回 Aokid「青春」
第22回 佐藤香織「ここにいます」
第23回 池田野歩「なにも考えない」
第24回 皆藤将「声量のチューニングに慣れない」
第25回 寺澤亜彩加「魂の行く末」
第26回 しのっぺん「歩きながら」
第27回 野田茂生「よくわからないなにかを求めて」
第28回 野口泉「Oの部屋」
第29回 瀧澤綾音「ここにいること」
第30回 鈴木宏彰「「演劇」を観に出掛ける理由。」
第31回 福留麻里「東京の土を踏む」
第32回 山口創司「場所の色」
第33回 加藤道行「自分の中に石を投げる。」
第34回 市村柚芽「花」
第35回 赤岩裕副「此処という場所」
第36回 原田淳子「似て非なる、狼煙をあげよ」


実作講座「演劇 似て非なるもの」 生西康典

▷授業日:週替わりで月曜日と金曜日 19:00〜22:00(6月から開講)
「演劇」は既成のイメージされているものよりも、本当はもっと可能性のあるものなんじゃないかと僕は思っています。それを確かめるためには、何と言われようとも、自分達の手で作ってみるしかありません。全ては集まった人達と出会うことから始めます。