定員:10名
期間:2026年5月〜2027年3月
日時:隔週火曜日 19:00〜22:00
学費:170,500円 教程維持費:11,000円(年額)
開催教室:本校、オンライン(本校とオンラインで交互に開催します。)

この講座は、オープン講座として始めた「シャドーフェミニズムズの芸術実践」を通年講座として展開したものです。
私は、これまでフェミニズムに関心を持って芸術的な実践をおこなってきました。なかでも、西洋中心主義的なネオリベラリズムがとりこぼしてきた領域にあるフェミニズムに関心を持ってきました。そのフェミニズムとは、クィア理論家のジャック・ハルバースタムが指摘するような「ネガティブ」で「パッシヴ」な「シャドーフェミニズムズ」です。とはいえ、この系譜のフェミニズムと芸術実践の関連を学ぶ場が少ないとも感じてきました。
そこで、そういった場を作ってみようと思い立ったのが、この講座の始まりです。
2010年代以降は、フェミニズムの第四の波として、それまでのフェミニズムに対するイメージの更新や読み直しがさかんに行われています。差別的な制度への関心が集まり、それが実際に是正されるといった変化を起こしています。芸術祭や展覧会の主題として目にすることも増えました。現在のフェミニズムは、人々に好まれ流行するという側面ももっています。このような波のなかにいながらも、この講座ではその波に乗るというよりは、むしろ波に溺れてみたり、波乱をもたらしたりするものとしてフェミニスト的な思考と実践を行っていきます。
授業構成は、理論編、実践編を交互に行い、理論編はオンライン開催、実践編は対面開催を予定しています。また、国内外のゲストを招いて、ワークショップやトークイベントも行い、創造性や知的な刺激が広がる場づくりを受講生とともに行っていきたいと考えています。
この講座でいう芸術実践は、発表形態等にこだわりはなく多様なあり方を想定しています。クィア・フェミニズム、ソーシャルプラクティスとしての芸術に関心を寄せるさまざまな方の受講をお待ちしています。
遠藤麻衣
授業内容(一例)
■ 実践
関心や相談事についておしゃべりする。
受講者自身が企画したゲスト・レクチャー/ワークショップを開催する。
過去のレクチャー/ワークショップの例
- ワインを飲みながら、樹木と発酵のレクチャー
- 脱ぐことをキーワードにストリップのワークショップ
- 演技とケアの実践
- 漫画作話・作画理論についての話とワークショップ
- 推手をみんなでやってみる
- 木版画ZINE『刺紙(Prickly Paper)』を中心に中国での芸術実践紹介
- 舞踏の系譜についての話と即興的な動きをするワークショップ
- 「GWO BEAN Collective」の活動紹介と香港の農業事情
- 「Good Night Limpet」のラジオ収録
■ 理論
クィア・フェミニズムの理論を芸術実践との関わりのなかで整理し、咀嚼する。
過去の読書会、レクチャーの例
- Dark Star『Quiet Rumours: An Anarcha-Feminist Reader』2012年
- Emma Goldman『Marriage』翻訳:名波ナミ、1897年
- 河野真太郎『戦う姫、働く少女』2017年
- ゲイル・サラモン『身体を引き受ける:トランスジェンダーと物質性のレトリック』翻訳:藤高和輝、2019年
- 玉城福子『沖縄とセクシュアリティの社会学: ポストコロニアル・フェミニズムから問い直す沖縄戦・米軍基地・観光』2022年
- 橋本治『花咲く乙女たちのキンピラゴボウ 前篇』2015年
過去のゲスト
・宇佐美なつ(踊り子)
・玉城福子(社会学、ジェンダー研究)
・竹中香子(俳優)
・河野真太郎(英文学者)
・永田康佑(アーティスト)
・平間貴大(美術家)
・丸山美佳(批評家・キュレーター)
・渡辺泰子(アーティスト・アーティストコレクティブ「Sabbatical Company」メンバー)
・櫻井郁也(舞踊家)
・GWO BEAN Collective 果邊(半開放工作室)
・陳逸飛(アーティスト・木版画ZINE『刺紙(Prickly Paper)』メンバー)
講師プロフィール

遠藤麻衣(えんどう・まい)
1984年兵庫県生まれ。映像、写真、漫画、演劇などのメディアを横断し、おしゃべりや演技など自らの身体を通じたクィアフェミニスト的な芸術を実践している。近年のグループ展に「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか? 」(国立西洋美術館、2024年)、「フェミニズムズ/FEMINISMS」(金沢21世紀美術館、2021年)など。演劇やパフォーマンス出演に第21回AAF戯曲賞受賞記念公演 「鮭なら死んでるひよこたち」(愛知県芸術劇場ほか、2023)や「Stilllive」(ゲーテ・インスティトゥート東京ほか、2019-)。2023年に「Scraps of Defending Reanimated Marilyn」(oarpress)刊行。2018年に丸山美佳と「Multiple Spirits(マルスピ)」を創刊。2021年東京藝術大学美術研究科博士後期課程美術専攻修了。2022年文化庁新進芸術家海外研修制度でニューヨーク滞在。
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講師インタビュー(ポッドキャスト)
遠藤麻衣さんが講師を務める講座「アンビカミング:シャドーフェミニズムズの芸術実践」が何やら楽しそうだぞ!?ゲストもたくさん来てるらしい!ということで、講座では何をやってるの?アンビカミングって?ネガティブでパッシブな”シャドーフェミニズムズ”とは?などなど、おしゃべりしながらお聞きしました。
講師インタビュー

2022年に開催したオープン講座「シャドーフェミニズムズの芸術実践」を経て、2023年5月期より、遠藤麻衣さんによる「アンビカミング: シャドーフェミニズムズの芸術実践」が開講します。開講にあたって遠藤さんにお話をうかがいました。
「シャドーフェミニズムズ」と出会って
遠藤 私は俳優・美術家と名乗って作品をつくったり、パフォーマンスをしたり、演劇に出たりしていますが、そうした活動のベースにはフェミニズムへの関心がありました。けれど、自分が日本で見たり聞いたりしてきたフェミニズム的な芸術実践と、自分の芸術実践が少し違う方向を向いているとも感じていました。たとえば、自分がやってることに対して、「男性がまなざす女性像」のようなものに抵抗しているとか、そうした「見る/見られる」の構造を解体しようとしているとか撹乱しているといったように、「男女」という枠組みありきで語られることがたびたびあって。もっと別の仕方で思考を組み立てたり、語ったりしたいと思っていました。
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受講生インタビュー

クィア理論家のジャック・ハルバースタムが提唱した「ネガティブ(否定的・消極的)」で「パッシヴ(受動的)」な複数のフェミニズム=「シャドーフェミニズムズ」と芸術実践の関連を学ぶ本講座。オンラインと対面、理論と実践を織り交ぜながら展開した「アンビカミング:シャドーフェミニズムズの芸術実践」とはどんな場所だったのか。1年間講座に参加した受講生に聞きました。
「シャドーフェミニズムズ」への関心
神川 神川美優です。普段はエネルギー関係の会社でプロジェクトマネジメントの仕事をしています。大学では社会学を専攻していて、フェミニズムについても勉強していました。前職で演劇関係の仕事をしていたので、篠田千明さんの「劇のやめ方」は知っていたんですが、美学校に来たのは「アンビカミング:シャドーフェミニズムズの芸術実践」(以下「シャドフェミ」)がはじめてでした。芸術やパフォーミング・アーツと自分の生活を繋ぎなおす作業をしたいなと思っていろいろ探しているときに、「そういえば美学校って聞いたことあったな」と思って検索したら、ちょうど「シャドフェミ」が開講するタイミングで「これだな」と思ったんです。「シャドーフェミニズムズ」という概念を初めて聞きましたし、メインストリームじゃない感じが美学校っぽくて惹かれました。
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授業見学お申込みフォーム
授業見学をご希望の方は以下のフォームに必要事項を入力し送信してください。担当者より日程等のご案内のメールをお送りいたします。
*ご入力いただいたお客様の個人情報は、お客様の許可なく第三者に提供、開示することはいたしません。
*フォーム送信後3日以内に事務局から返信のメールが届かなかった場合は、フォームが送信できていない可能性がありますので、お手数ですが美学校事務局までご連絡ください。
〈現代美術〉
アートのレシピ~写真と映像から生まれる表現 松蔭浩之+三田村光土里 
▷授業日:毎週土曜日 13:00〜17:00
本講座では、長年にわたり好評を博してきた現代美術講座「アートのレシピ」のエッセンスを凝縮し、現代美術の表現として最も有用な手段である「写真」と「映像」を活かした作品制作と、さらにその展示方法について実践的に学んでいきます。
▷授業日:毎週火曜日 13:00〜17:00
作品制作を中心に、現代美術に関する講義を交えて進む講座です。制作を通して、美術作家としてのものの捉え方や考え方も学んでいきます。まず、ゆるやかな方向性をもったカリキュラムを用意します。とにかく、何か作ってみる。そこからスタートです。
▷授業日:毎週月曜日 19:00〜22:00
「芸術漂流教室」は、倉重迅、岡田裕子、新講師を中心に、ゲスト講師も招きながら展開していきます。現代美術の領域で活動しながら他ジャンルにも軸足を持つ、無駄に経験値の高い講師陣とともに「楽しく」「真面目に」漂流しましょう。
▷授業日:毎週金曜日 19:00〜22:00
「現代アートの勝手口」は、この20世紀を総崩れにした30年の後に、改めて勝手に現代アートをやろうという集まりです。私たちは広く深く種々の形式を取り扱います。知的好奇心の赴くままに一緒に遊べる人と、これからの遊び方を再発明したいのです。この講座を通し、三河屋のようにひとの勝手口から勝手に出入りして、その勝手を盗み合えるひとたちと出会えれば幸いです。
アンビカミング:シャドーフェミニズムズの芸術実践 遠藤麻衣+ゲスト 
▷授業日:隔週火曜日 19:00〜22:00
アーティスト・遠藤麻衣による講座。フェミニズムの領域でも「ネガティブ」で「パッシヴ」な「シャドーフェミニズムズ」に焦点を当てて学んでいきます。クィア・フェミニズム、ソーシャルプラクティスとしての芸術に関心を寄せるさまざまな方の受講をお待ちしています。
▷授業日:第二日曜日 14:00〜16:30
この講座では、音や音楽を考えるうえでの基礎的な学びとして、広く現代音楽や電子音についての知見を深め、音自体の構造を理解し、電子音響による音づくりを通じて「音とは何か」を考察、実践します。
▷授業日:毎週火曜日 13:00〜17:00
この講座では立体や、空間的な制作表現について学びます。作品制作、作品鑑賞体験、美術を考えることは勿論、それぞれの特性や関心がどのようなところにあり、どのように展開していくのか。どのような手段で制作や思考が進められるのかを、実践的に取り組んでいきます。
全日本 無意味塾 〜無意味からはじめる美術とデザイン〜 田中偉一郎
▷授業日:第2、第4木曜日 19:00〜22:00
「すべては“無意味”から生み出される」美術家とデザイナーを並行し続けてきた田中偉一郎が開設。“無意味”で美術とデザインを同時に考える新しい講座です。ありがちなアート思考、デザインメソッドやAIより強力なツール“無意味”を手に入れましょう。
▷授業日:不定
未来美術家・遠藤一郎による講座。本当にお前がやりたいことは何なのか。お前の夢を好きなまんまにやれ、わがままに。夢バカ最強宣言。非実力派宣言。最初の一歩。世の中にはへんなやつが必要だ!!





