細密画教場講師:田嶋徹


定員:6名
期間:2024年5月〜2025年3月
日時:毎週水曜日 18:30〜21:30
学費:330,000円 教程維持費:11,000円(年額)
開催教室:本校3F

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この教場を受講する人の中には、自然科学分野のイラストレーション、例えば植物画、昆虫標本画、動物生態画、古代生物(恐竜等)の復元画などを志す人、それからリアルなイラスト、絵画を志す人、もっと漠然と絵が上手くなりたい人などがいます。(上手な絵=見えたとおりに描かれた絵と考えるからでしょう。)
どの細密画を目指すにしても、基礎デッサン−正確なパースと明暗のグラデーションを描く技術−が必要です。その技術を土台に更に目と描写力の限界を追求するのが私が考える細密画です。

これが細密画と定義された絵のジャンルはありません。細かく密に描かれた絵のこと全般を呼び習わす言い方です。描いた人見た人が細かく密だと感じればそれは細密画で、描き手の思い描く幾通りの細密画があって良いわけです。しかしながら恣意的な主観で描くといわゆる「上手く」は描けません。「上手い」には「誰が見ても」という含みがあるので、人がものを見る時の共通した機構に基づいた絵がそうみなされるのです。「目と描写の限界を探る細密画」はそのメカニズムを土台に更にその先を追求するのですが、基礎デッサンの土台が無いとすぐに行き詰まってしまって先に分け入って行くことが出来ません。形が正確に取れるとその限界値を描く度毎にどんどん更新して行く体感を味わえます。言わば恣意性を徹底して排した客観描写ですが、にも関わらずその絵にはあなたのガラが現れます。その経験とあなた自身も初めて見るであろうあなたの「柄」は、その後のあなたなりの「幾通りの細密画」の基になるでしょう。

細密画を描いてみたいけれど基礎デッサンの経験が無いという人に向け「細密画のための基礎デッサン講座」(毎週木曜日18:30〜21:30)を設けます。細密画教場受講者は追加料金無しで受講できます。どちらの講座も1〜2回の見学・体験が可能ですので受講を検討される方にはまずは体験をおすすめしています。ご希望の方は事務局までお問い合わせください。私の普段の仕事はこちらを見てください。

https://twitter.com/tajimaminiature
https://www.instagram.com/tajimaminiature/

田嶋徹

授業内容

 【下画き】

・モチーフをどの大きさで描くか、から始めて細部いたるまで、フリーハンドでかたちをととる技術
・道具を使ってモチーフを計測して描く技術

【鉛筆】

・明暗の階層表現、質感表現の技術

【水彩】

・色調表現、質感表現の技術

【その他】

・平面画像の模写
・不透明絵具の描法 

 ※ 生徒持ち用具・材料

鉛筆各種・カッターナイフ・芯研ぎ器・練りゴム・消しゴム・羽ぼうき・スケール定規・比例ディバイダー・トレーシングペーパー・カーボン紙・ケント紙・固形透明水彩絵の具各色・コリンスキー筆・ベニヤ板・水張りテープ・刷毛・アルシュ紙極細目・筆洗い器・梅皿 その他

講師プロフィール

田嶋徹田嶋徹

1969年東京生まれ。1987年美学校細密画教場に学び絵を描き始める。1991年より個展。彩林堂画廊、ギャラリーアートもりもと他グループ展多数。2001年より美学校細密画教場講師。

 

講師インタビュー

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1969年の美学校開校時から現在まで続く「細密画教場」。現在講師を務めるのは、自身も受講生として「細密画教場」に通った田嶋徹さんです。時間をかけて対象を克明に描く細密画ですが、絵画の経験は問うていません。かくいう田嶋さんも、絵画経験なしで細密画をはじめたひとりです。インタビューでは、田嶋さんと細密画の出会い、細密画の魅力、「細密画教場」ではじめた新たな取り組みなどについてお聞きしました。

幼少期の原体験

田嶋 出身は東京都中野区です。両親は共働きで、父親は公務員でした。公務員住宅と呼ばれる団地に住んでいて、幼稚園のときに品川に引っ越すんですが、そこでも大きな団地に住んでいました。団地には同世代の子どもがたくさんいて、当時の男の子の遊びといえばもっぱら野球です。仲間はずれにならないよう僕も野球をやっていましたが、運動があまり得意ではないので、本当は友だちと部屋で漫画を描いているほうが面白かったですね。・・・続きを読む

講座レポート
不自由さが生む独自の感覚―細密画教場

金曜日の夜は一週間の労をねぎらい、明日からの休みを前に飲み歩く人で街が賑わう。美学校のある神保町も例外ではない。ただし、一カ所だけ例外がある。美学校が入る第2富士ビル3階。フロアのちょうど真ん中に位置する教場には、世間が盛り上がり始める19時から約3時間、言葉を交わすことなくただひたすら目の前の作業に打ち込む人たちがいる。彼らこそ、細密画教場の面々だ。なぜ彼らは黙々と描き続けるのか?その理由を探しに教場を訪れた。(※授業曜日は2021年度より水曜日に変更。)

簡単にはできない、だから面白い

「確かに授業の間はほとんど話をしませんね。隣の講座(「絵と美と画と術」)の話を聞きながら作業している感じです。もちろん授業の前後には話をしますよ。授業前には、この一週間でやってきたこと。授業後には、来週までに自宅でやる作業について話します」。細密画を見たことがある人はお分かりになるだろうが、「鉛筆や絵具の粒子を一筆一筆おいて」(美学校講座紹介より)いく細密画は、週に1回3時間の授業で完成するほど簡単なものではない。では一体どのようにして描かれているのか?講師の田嶋徹先生にその行程を見せてもらった。・・・続きを読む

受講生による作例

細密画

「タイセリケウスミヤマクワガタ」渡辺のり子

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〈絵 画〉


造形基礎Ⅰ 鍋田庸男 NabetaTsuneo

▷授業日:毎週土曜日13:00〜17:00
モノ(事柄)を観察し考察し描察します。モノに対する柔軟な発想と的確な肉体感覚を身につけます。それぞれの「かたち」を模索し、より自由な「表現」へと展開する最初の意志と肉体の確立を目指してもらいます。


細密画教場 田嶋徹 Tajima Toru

▷授業日:毎週水曜日18:30〜21:30
細密画教場では目で見たものを出来るだけ正確に克明にあらわす技術の習得を目指します。この技術は博物画やボタニカルアート、イラストレーションなどの基礎になるものです。


生涯ドローイングセミナー 丸亀ひろや(+OJUN+宮嶋葉一) Miyajima Yoichi

▷授業日:毎週木曜日 18:30〜21:30
Drawing「線を引く。図面」などを意味します。美術の世界では、紙などに鉛筆やペン、水彩などで描かれた表現形式を言います。描ける材料ならどのような画材でも持参してください。毎回ドローイングの制作を行います。


超・日本画ゼミ(実践と探求) 間島秀徳+小金沢智+香久山雨 Majima Hidenori

▷授業日:毎週土曜日18:30〜21:30(毎月第三週は日曜日13:00〜17:00)
本講座では自立した作家として歩み出せるように、制作実践のための可能性を探究し続けます。内容は基礎素材論に始まり、絵画制作に必要な準備の方法を習得するために、古典から現代までの作品研究等をゼミ形式で随時開催します。


ペインティング講座 – 油絵を中心として 長谷川繁

▷授業日: 昼枠 毎週木曜日13:00〜17:00/夜枠 毎週木曜日18:00〜21:00
油絵を中心としながらも、アクリル絵の具、水彩なども含めて幅の広い表現を試みていきながら素材自体も自分で選んで絵を描いていきます。絵を描くのと同時に「私は何故絵を描くのか?」と「どのような絵を描きたいのか?」の両方を考えながら絵に向かっていきましょう。


テクニック&ピクニック〜視覚表現における創作と着想のトレーニング〜 伊藤桂司

▷授業日:毎週月曜日 19:00〜22:00
グラフィック、デザイン、イラストレーション、美術などの創作における技術の獲得(テクニック)と楽しさの探求(ピクニック)を目的として、シンプルながら多様なアプローチを試みていきます。