定員:12名
期間:2023年5月〜2024年3月
日時:毎週土曜日 18:30〜21:30(毎月第三週は日曜日13:00〜17:00)
学費:330,000 円 教程維持費:10,000円(年額)
開催教室:本校
日本画を学ぶということは、素材や技法を習得することに留まらず、絵画原理を探究することです。しかしながら現在は、美大での日本画教育が一般的であり、課題から自由制作へ至るカリキュラムは画一化されたものとなっています。
かつて日本画を学ぶ場では、小規模な塾制度の中で日々修練を重ねていました。時代背景こそ異なりますが、現代に応用することは可能なはずです。
本講座では、自立した作家として歩み出せるように、課題に真剣に取り組むだけではなく、さらに実践のための可能性を探究し続けます。具体的には個別の面談に始まり、作画意識の確認をします。その後は毎回講義と実践がスタートすることになりますが、内容は基礎素材論(支持体、描画材、色材等)に始まり、技法や模写についても習得の方法を探っていきます。他には写生や下図などの、絵画制作に必要な準備の方法を習得するために、古典から現代までの作家や作品研究をゼミ形式で随時開催します。
教室での制作時間は限定されますが、不定期に講評会を開催します。ここでは講師が一方的に語るのではなく、作者は作品についてプレゼンを行い、参加者全員がディスカッション形式で意見を述べ合います。
超・日本画ゼミでは、今の時代を作家として生き抜くために、あえて超という言葉を付けました。飛躍のためには徹底した探究が必要です。経験、未経験は問いませんので、やる気のある方は是非参加してください。
間島秀徳
ここにあるのは、「あなた」の「美」のための「現場」です。日本画にまつわる素材や技法、歴史や理論を学ぶのは、読書会をするのは、展覧会やギャラリーを見学するのは、はたまたスケッチや研修のために各地へと合宿すらするのは、あなたが博識になるためでも、わたしたちが親しくなるためでもなく(それもなくはないですが)、それが「あなた」の「絵」の「武器」になると講師が信じているからです。ですから超・日本画ゼミは、一方的かつ形式的な「授業」は基本的に行わず、あなたがどのような人で、何をしたいのか、そのことをとても重視します。受講時の知識・経験はまったく問いません。受講生だけではなく、講師もともに、自分自身を「超え」ようと切磋琢磨する絵画の現場——それが超・日本画ゼミだからです。
小金沢智
日本画に応用される素材と表現技法は、時代ごとに多元的な変化を伴いながらも、古来より脈々と受け継がれてきた伝統があります。
本講座の基礎素材論では、日本画画材の一般的な使用法はもとより、素材そのものが生み出される現地をフィールドワークしたり、製造者・職人の方々へのヒアリングを実践しようと思います。
ときには「美術」を越境しながら、素材の向こう側にみえる自然風土、人びとの技術や智恵に目を凝らすことは、自らの「描くこと」、「表現」することそのものを、新たな視点からみつめ直すことにつながります。
思えば遥かむかし、しっかりとした言葉を使う以前より、「美術」の登場する以前より、ヒトは壁に絵を描くこと自体を、「生きること」の一部としてきました。だからこそ、その表現方法を支えてきた素材を探求することは、これから描きたいと思うあなたたちを、豊かにしてくれると思います。
後藤秀聖
【基礎素材論】
【制作(個別面談随時)】
【古典絵画から現代絵画まで】
【客員講師予定】
【研修】
間島秀徳
1960年茨城県生まれ。1986年東京藝術大学大学院美術研究科日本画修士課程修了。2000~2001年フィラデルフィア、ニューヨークに滞在。水と身体の関わりをテーマに、国内外の美術館から五浦の六角堂、二条城、清水寺、泉涌寺、大倉集古館に至るまで、様々な場所で作品を発表。現在、武蔵野美術大学日本画学科教授。
小金沢智
キュレーター。1982年群馬県前橋市生まれ。2008年明治学院大学大学院文学研究科芸術学専攻博士前記課程修了。世田谷美術館(2010-2015)、太田市美術館・図書館(2015-2020)の学芸員を経て、2020年4月より東北芸術工科大学芸術学部美術科日本画コース専任講師。「現在」の表現をベースに据えながら、ジャンルや歴史を横断するキュレーションを得意とする。
後藤秀聖
1985年福島県生まれ。2014年文星芸術大学大学院博士後期課程修了。日仏合作映画『FOUJITA』(小栗康平監督、2015年公開)美術資料調査・演出助手を担当。絵画制作に従事し、画材の文化史の調査研究を行う。現在、原爆の図丸木美術館学芸員。
2012年に間島秀徳さんを講師に迎えて開講した「超・日本画ゼミ(実践と探求)」。その後、小金沢智さん、後藤秀聖さんが加わり、現在は3名の講師による講座となりました。作家、学芸員、研究者と異なる立場の講師陣が、それぞれの出会いや講座、日本画について語らいます。
間島 美学校で「超・日本画ゼミ」を始めるきっかけになったのは、2008年のギグメンタ(※1)です。美学校は昔からよく知っていましたが、そこで藤川校長と知り合って「美学校で日本画から何ができるのか」と話をするところから始まったと思います。かつて鎌倉で開いていた日本画塾では、大学やカルチャーセンターとは異なることをやっていたので、それを引き継いだうえで、あらためて美学校でどんなことができるか、手探りの状態で進めていきました。
美学校「超・日本画ゼミ(実践と探求)」(講師:間島秀徳+小金沢智+後藤秀聖)は、今の時代を自立した作家として生き抜くために、実践の可能性を徹底的に探求する講座です。小規模な塾制度において日々修練が重ねられていた、かつての日本画の習得の場を現代に応用し、基礎素材論、模写、古典から現代までの作家研究などをゼミ形式で開催します。本講座で学んだ受講生にとって「日本画」とは何なのか。なぜ「超・日本画ゼミ」を受講したのか。お話を聞きました。
Q1. 美学校を知った経緯を教えてください
知人から教えてもらって知りました。当時は、地元の群馬で事務員として働いていたんですが、元々絵を描くのが好きで、ずっと絵を描きたいと思っていました。ちょうど職場の契約が切れるタイミングで美学校を教えてもらったので、いい機会だし仕事を辞めて上京しました。美学校には何回か見学に来て、事務局のスタッフの方や校長先生とも話をして入校を決めました。
文・写真=木村奈緒
老いも若きも、公務員もフリーターも、異なるバックグラウンドを持つ人が集まるのが美学校の魅力のひとつだ。美学校はまるで社会の縮図だと言う人もいる。ただ、やはり講座ごとに多少のカラーもしくは傾向はあって、例えば芸術家集団Chim↑Pomのリーダー卯城竜太が講師を務める「天才ハイスクール!!!!」(今期で終了)には野心に燃える若者が多く集まるし、グラフィックデザイナー大原大次郎の「デザインソングブックス」には絵画コースとは違った空気が流れている。
一方、2012年に開講した間島秀徳による「超・日本画ゼミ」には、決まったカラーがない。教場では、プロのアートディレクターと美大生が肩を並べ、職業も年代もバラバラな受講生がともに学んでいる。ひとつだけ受講生に共通しているのは、絵に向かう姿勢、「絵画とは何か」を追い求める「探求」の姿勢だ。 「日本画を学ぶということは、素材や技法を習得することに留まらず、絵画原理を探求することです」と講座紹介文にある通り、絵画について深く掘り下げる受講生の眼差しは一様に真剣である。日本画とは?絵画原理とは?それらを探求した後に、一体なにを「超」えるのか?日々「実践と探求」が繰り返される教場に足を踏み入れた。・・・続きを読む
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〈絵 画〉
▷授業日:毎週土曜日13:00〜17:00
モノ(事柄)を観察し考察し描察します。モノに対する柔軟な発想と的確な肉体感覚を身につけます。それぞれの「かたち」を模索し、より自由な「表現」へと展開する最初の意志と肉体の確立を目指してもらいます。
▷授業日:毎週水曜日18:30〜21:30
細密画教場では目で見たものを出来るだけ正確に克明にあらわす技術の習得を目指します。この技術は博物画やボタニカルアート、イラストレーションなどの基礎になるものです。
生涯ドローイングセミナー 丸亀ひろや(+OJUN+宮嶋葉一)
▷授業日:毎週木曜日 18:30〜21:30
Drawing「線を引く。図面」などを意味します。美術の世界では、紙などに鉛筆やペン、水彩などで描かれた表現形式を言います。描ける材料ならどのような画材でも持参してください。毎回ドローイングの制作を行います。
▷授業日:毎週土曜日18:30〜21:30(毎月第三週は日曜日13:00〜17:00)
本講座では自立した作家として歩み出せるように、制作実践のための可能性を探究し続けます。内容は基礎素材論に始まり、絵画制作に必要な準備の方法を習得するために、古典から現代までの作品研究等をゼミ形式で随時開催します。
▷授業日: 昼枠 毎週木曜日13:00〜17:00/夜枠 毎週木曜日18:00〜21:00
油絵を中心としながらも、アクリル絵の具、水彩なども含めて幅の広い表現を試みていきながら素材自体も自分で選んで絵を描いていきます。絵を描くのと同時に「私は何故絵を描くのか?」と「どのような絵を描きたいのか?」の両方を考えながら絵に向かっていきましょう。
《オープン講座》
AESS講座