定員:10名
期間:2023年5月〜2024年3月(10月期の募集は5月より開講している当教程への編入となります。)
日時:隔週金曜日 19:00〜22:00(日曜に外部実習行う場合があります。)
10月期学費:95,000円 教程維持費:5,000円(通額)
開催教室:本校+外部
建築家でありながら現場で大工として多くの経験をしてきた岡啓輔と秋山佑太によるハードコアな建築とアートの講座です。本講座はアートと建築の交差点となるでしょう。建築家志望の人も、職人志望の人も、アーティスト志望の人も、今は建築にもアートにも関わりがない人も、この交差点に関心があれば来てください。
文・岡啓輔
アートってのは、、すごく遠くにあって崇高で人類の宝みたいなもので簡単には近づけない、ヘッポコなオレなんかじゃ到底無理、、、と、基本ビビリまくっているんです。
だけど、人がつくるものの面白さの沢山がそこにあって、知りたい!わかりたい!願わくばその秘技を手に入れて自分でもアートを作りたい!などと、脳味噌の片方では鼻息荒く思ってしまってもいます。
少しだけわかった事は、そもそも小手先でひねり出せるような、ハウツー教えてもらえるような簡単なものじゃないって事。深淵な「魂」の問題なのだ!と思ったり、もっとピョロピョロ〜と軽〜く現れてきよったり、、神出鬼没なものですよね、アート。
僕は、その「アート」という領域に「建築」をベースにして近づこうと試みている者です。
2005年の暮、穴を掘りはじめ、16年経った今も完成に向かって毎日建築を作っています。建築の名は「蟻鱒鳶ル(アリマストンビル)」。平均寿命35年と言われる短命過ぎる日本の鉄筋コンクリート建築に物申したく作り出したコンクリートは200年は保つ!と太鼓判を押されている。200年!!ビビるなぁ、、ただ頑丈に作るだけではダメで、200年後の人達にも大切にしてもらえるような建築にしなきゃいけない。200年後ってどんなだ??想像も出来ないほどの遠い未来でも価値があるモノ、、そう考え出したら、もう、アートを考え出さざるを得なくなったのです。
あと、この2021年、事情があり家を出、ホームレスとなりボロボロになっていました。起きている事態が理解出来ず、人との別れが辛く、悲嘆に暮れていました。この絶望的な状況から救ってくれたのも「蟻鱒鳶ル」でした。僕がどんなにショゲていようと蟻鱒鳶ルはビカッ!と輝いていた。笑っちゃうほどキラキラしてた!明るい希望そのものじゃないか!!スゲーうれしかった!
蟻鱒鳶ル、今から数年間、全集中で作り上げ鱒!僕は、浮かれてたりグチャグチャだったりすると思うけど「建築大爆発」では、いつでも今考えてる事を正直に話していきたいと思って鱒。
文・秋山佑太
キタナイモノとして扱われてきた場所(又は廃棄された空間)で我々は創造します。キタナイモノが社会のヒエラルキーの底辺にあるという意識を疑い、今こそ自由に物を作るべきです。捨てられた椅子の修理からはじめても良いでしょう。セルフビルドの計画を立てるのも良いでしょう。
現代建築の多くが用途を限定され、ほぼ風化せずに使われ続けています。そんな状況を「建築脳死状態」と私は勝手に呼んでいます。現代の建物は殆ど、建設完了と共に脳死状態です。
都市計画家のケヴィン・リンチは、「廃棄された場所は絶望の場所であるが、多くの魅力がある場所でもある。また、様々な管理から解放され、自由な行動と空想を求める豊かさがある。」と述べています。加えて「新しい物・新しい宗教・産まれたての弱いものを保護する場所でもある。それは夢を実現させる反社会的行為の場所で、探検と成長の場所である。」と、かなり大胆な視点を提示しました。
キタナイモノとして扱われてきた場所(又は廃棄された空間)こそ創造的な空間です。そんな場所を、ひとりひとりが探し、何かを作る準備しています。建築大爆発は、語りの場です。我々は語り、手を動かして、自由に物を作っています。
講師プロフィール
岡啓輔(建築家)
1965年九州柳川生まれ、一級建築士、高山建築学校管理、蟻鱒鳶ル建設中。ウイークポイントは、心臓、色覚、読書。
1995年から2003年まで「岡画郎」を運営。2005年、蟻鱒鳶ル(アリマストンビル)着工。2018年、筑摩書房から「バベる!自力でビルを建てる男」を出版。2019年「のせでんアートライン2019」に参加。
秋山佑太(美術家・建築家)
1981年東京都生まれ。美術家・建築家。作業員や建造物を扱い、移動や集積といった方法で地霊を呼び起こす作品を制作。近年の主な企画展示に、2021年「スーパービジョン」(WHITEHOUSE・デカメロン・東京)、「破線と輪郭」展(ART DRUG CENTER・宮城)、2020年「芸術競技」展(FL田SH・東京)、2018年「モデルルーム」展(SNOW Contemporary・東京)「新しい民話のためのプリビジュアライゼーション」(石巻のキワマリ荘ほか・宮城)、2017年「超循環」展(EUKARYOTE・東京)「グラウンドアンダー」展(SEZON ART GALLERY・東京)、2016年「バラックアウト」展(旧松田邸・東京)など。
講師インタビュー
2020年に全8回の「導入編」を経て、2021年5月に開講した「建築大爆発」。講座では、建築とアートの両点から「つくる」ことをキーワードに、受講生の問題意識や関心を話し合い、手を動かします。美学校で建築に関する講座が開講するのは18年ぶり。講座誕生にはどのような背景があったのか、実際の講座はどんな様子なのか。岡さんが東京・三田に建設中の「蟻鱒鳶ル(アリマストンビル)」で講師の岡啓輔さんと秋山佑太さんに話を聞きました。
建築の可能性はもっと大きい
岡 まず、秋山くんが美学校で建築の講座をやりたいと思って、それで僕に「一緒に講師をやってくれないか」って声をかけてくれたんだよね。
秋山 そもそも、岡さんがずっと関わっている高山建築学校(※1)に僕も2回だけ行っていて、そこで感じたことと、そもそも建築という業界や、職人という職能といった建築を取り巻く状況に対して抱いていた違和感とに通ずるものがあったんです。結局、みんな食っていくためにその職業に関わっていて──もちろんそこにはすごいリアリティがあるけど──建築というものを軸にした可能性ってもっと大きいよねと漠然と思っていました。
そういう思いがある中で、僕個人としては、現在は分かれてしまっている設計と施工の両方の職能をできる若者が増えたらどう変わるのかということを20代の頃からずっと考えてやっていました。でも、結局は食っていかないといけなくなるから、取りやすい案件が中心になってくるんですよね。今の若い子でも本当は設計と施工の両方をやりたい人はいて、まずは友達の家の改装をしたり、知り合いのお店をすごく安い値段でDIYの延長のような感じで改装してあげたりして、ちょっとずつキャリアを重ねていく人が少なくないと思います。だけど、それにも限度があって、500万円以上の仕事を取るには建設業許可というものを取得しなければいけないんです。
・・・インタビューの続きを読む
修了生インタビュー
建築とアートをフィールドに、時には建築からアートへ、アートから建築へフィールドを越境しつつ制作をつづける岡さん・秋山さんとともに、「つくる」ことを探求する本講座。先ごろ開催された2022年度修了展「自己民俗―遊び編―」では、受講生で民俗学研究者の山本拓人さんを中心に「自己民俗」という概念を提唱し、受講生それぞれが幼いころに行っていた遊びや、忘れがたい体験を元に作品を制作・発表しました。本稿では、展示に参加した修了生3名に、講座や修了展について振り返っていただきました。
自己紹介
山本拓人です。大阪府枚方市生まれで、高校と大学の7年間を京都ですごしました。大学で古代史を学んだあと、フィールドワークの技法を身につけたいと思い、滋賀にある大学院に進学しました。院を修了したあとは、京都の田舎にある、ダムで水没した集落の展示を行う博物館の学芸員として勤務しました。その後、東京の博物館に学芸員として採用されたのを機に、2021年に上京してきました。いまは民俗学をはじめとした執筆活動をしています。
・・・インタビューの続きを読む
過去の修了展など
授業見学お申込みフォーム
授業見学をご希望の方は以下のフォームに必要事項を入力し送信してください。担当者より日程等のご案内のメールをお送りいたします。
*ご入力いただいたお客様の個人情報は、お客様の許可なく第三者に提供、開示することはいたしません。
*システム不具合によりフォームが正しく表示されない場合がございます。その場合はお手数ですが、美学校事務局までメールか電話でお申込みください。
*フォーム送信後3日以内に事務局から返信のメールが届かなかった場合は、フォームが送信できていない可能性がありますので、お手数ですが美学校事務局までご連絡ください。
〈様々な分野〉
▷授業日:毎週土曜日 18:30〜21:30
モードを考えるところからスタートし、実際に服を作り上げるまでの授業です。何かを想像し考え、自分の中に入り込み転がり込んで出てゆく瞬間の表現手段が服であったなら、どのような作品が生まれるのかをテーマに授業を進めます。
▷授業日:週替わりで月曜日と金曜日 19:00〜22:00(6月から開講)
週替わりで本校とスタジオを交互に開催します。本校では対話を重視し、スタジオではその実践としての稽古を行い、最後に修了作品を制作します。それぞれがどういう作品を作るのかは、1年を通して話したり試したりするなかで、一緒に探していきます。
特殊漫画家-前衛の道〜商業漫画と特殊漫画-そのあいだ〜 根本敬
▷授業日:隔週火曜日 19:00〜22:00
「特殊漫画家」として、今日まで「何故食べてこられたか」その意識無意識のあいだを受講生の皆さんに語り、時に問いかけ、しばしば即興的に皆さんとラフに漫画を描きながら探っていきたいと思います。
▷授業日:隔週火曜日 19:00〜22:00
劇は始めるよりやめるほうが難しい。社会で起きている劇をやめるのはさらにとても難しい。難しいけど、劇をやめ方を考えることはいま必要とされているように思う。ワークショップや、今だから出来る実践を通して、みなさんと一緒に『劇のやめ方』にまつわる思考を捕まえたいです。
▷授業日:毎月第三日曜日(年間12回)13:00〜17:00
漫画づくりにおいて、私は作話の工程をもっとも重視しています。「白目をむくほど面白い」物語はどうやったら作れるのか?おそらくそれは、精神論がないと辿り着けない場所にあるんじゃないかと思っています。この講座は、作話理論と同じくらい精神論を大切にしていく漫画の作話講座です。
▷授業日:隔週金曜日 19:00〜22:00
建築家でありながら現場で大工として多くの経験をしてきた岡啓輔と秋山佑太によるハードコアな建築とアートの講座です。建築家志望の人も、職人志望の人も、アーティスト志望の人も、今は建築にもアートにも関わりがない人も、この交差点に感心があれば来てください。
自分を越えた作品を 計画的につくる方法と発表の実践 岸井大輔
▷授業日:隔週金曜日 13:00〜17:00
この講座では創作法を一緒にいくつか試して、それぞれが思いもしなかった新しい作品作りにトライしてみます。創作法を理解して応用できるようにし、最終的には作品を発表することがこの講座の目標です。
アートに何ができるのか〜次に来る「新しい経済圏」とアーティストの役割を考える 荒谷大輔
▷授業日:隔週火曜日 18:30〜21:00
この講座では、まず現在アートがおかれている社会的な状況を振り返って考えながら「アート」と呼ばれるものの本質を明らかにします。参加者が知らないうちに身に着けている価値観の前提を問い直しつつ、それでも直観的にはおそらく各人が捉えているアートの本質を、ディスカッションの中で明らかにしていければと思います。
▷授業日:隔週木曜日 19:00〜21:30
ライブやDJイベント、インスタレーションなど様々なイベントを企画・宣伝・制作・開催することを実践しながら、体験としてその方法論や技術を学んでいきます。小規模な企画から始まり、一年かけて、大規模な企画の制作・実践へと進みます。