この講座では、映画における音/音楽の歴史や方法論、その効果を読み解く技術、すなわち『映画の聴き方』を身につけていきます。
優れた映画音楽とはどういうものなのでしょうか?
優れた音楽がそのまま優 れた映画音楽にはなる訳ではなく、映画音楽には独自の技術や方法論が要請されます。また、映画と音楽の関係に絶対的な正解は存在しません。代わりに、20世紀以降の映画史が積み上げてきた膨大なトライ&エラーの歴史があります。普段何気なく観ている映画のワンシーンも、そうした映画音楽独自の文法や技術の蓄積の結果として成立しているのです。
授業では講師の所有する膨大な映像アーカイブをプレイバックしながら、20世紀以降の映像の発達史から、21世紀現在にまで繋がる音と映像の発展史を解読し、概念と方法論を体系化していきます。
授業内容
第一回 [5/28]: 映画において音と映像はいかに同期するに至ったか
第二回 [6/25]:映画の音を改めて聴きなおし、音 / 映像の伝えようとしている意図を読み解く
第三回 [7/30]:ソース・ミュージックとアンダースコア
第四回 [8/27]:ライトモチーフの応用例
第五回 [9/24]:音の構造と映像の構造の違い
第六回 [10/29]:シンクロとミッキーマウジング、時間の重層化