定員:10名
期間:2025年5月〜2026年3月
日時:毎週火曜日 13:00〜17:00
学費:330,000円 教程維持費:11,000円(年額)
開催教室:本校
この講座は、作品制作を中心に、現代美術に関する講義をはさみながら進めていきます。最終的に、それぞれがテーマを見つけ、美術作家として創作していくために必要な力を身につけることを目的としています。
みなさんの興味や関心、あるいは、心のなかにある大切な何かを拾い上げて、どんなふうでも構いません、それを目に見える形にしてみる。まず、そこからスタートしましょう。そして、それを、より明確なものにしていく作業を繰り返して行きます。“作品”と呼ばれるものは、そうして出来上がったもののことをいうのだと思います。
具体的な表現手法は、インスタレーション、立体、絵画、写真、ビデオなどといった、さまざまなものを試みながら、自分に最適なものを見つけてください。可能性の芽を膨らませ、独自の表現を可能にするため、制作の方向性や進度は個別に対応することを基本とします。みなさんに伴走しながら、その道案内ができれば、と考えています。
前半は、緩やかなカリキュラムに沿ったもの。後半は、各自のテーマで制作していきます。最後には、展覧会を開催し、その成果を発表します。みんなで展覧会を見に行ったり、また、個展やグループ展の開催、レジデンスへの参加などといった校外での活動も応援します。
興味はあったけれど、作品なんて今まで作ったことがなかったという人から、すでに作品を発表している人まで、美術というものに少しでも興味があれば、どなたでも大歓迎です。
斎藤美奈子
授業内容
■ 作品制作
- 受講生からヒアリング
……作りたい作品の傾向などを確認していく - 講師と受講生で話し合い課題を煮詰める
- 課題による作品制作
例・風を描く、表現する
・目で見ず触って物を描いてみる
・身近な素材を使った表現
・写真を使った表現 - 各自の課題で作品制作
- 修了展開催
■ ミニ講義
- リカちゃんハウスとドールハウス
……国や地域による空間認識の違い - 書道は芸術か?
……アートの定義とは何か - 写真
……その出現でアートはどう変わったか - 現代美術の流れ
……1950年代以降の変遷と作品紹介
講師プロフィール
斎藤美奈子
東京生まれ。1988年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。1992-95ニューヨーク滞在。2002-03文化庁派遣芸術家在外研修にてベルリン、キールに滞在。2005年アーティスト・イン・レジデンス“Culture Study Wien”にてウィーン滞在。自身の記憶を原体験とし、鑑賞者の記憶に語りかけてくるような風景を写真や映像により表現している。
「ビジュアル・コミュニケーション・ラボ」を受講して
美学校「ビジュアル・コミュケーション・ラボ(以下、VCL)」(講師:斎藤美奈子)は、作品制作を中心に、受講生それぞれがテーマを見つけ、美術作家として創作していくために必要な力を身につけることを目的とした講座です。各人の「興味や関心、あるいは、心のなかにある大切な何かを拾い上げて」(講座紹介文より)、目に見える形にする。それをより明確にしていく。そうした過程を経て出来上がった作品とは、どんなものだったのでしょうか。講座を受講した方々にお話を聞きました。
Q1. 美学校を知った経緯を教えてください
10年程前から写真を撮っているんですが、自分の作品をまとめたり発表するにあたってちょっとつまずいている時期があって、何か手助けをしてくれる場所がほしいと思っていました。それで、教室とか美大を探していたら美学校を知ったんです。美大には美大のメリットとデメリットがあると思い、それなら美学校が良さそうだと思いました。
講座レポート
2006年に開講し、現代美術講座の中では長年開講している講座のひとつである「ビジュアル・コミュニケーション・ラボ」。受講生一人ひとりの関心とペースに合わせ、制作とフィードバックを繰り返すことで、講座修了後も創作活動を継続する力を身に着けます。講師の斎藤さんは、東京藝術大学大学院修了後、ニューヨーク、ベルリン、ウィーンなど諸外国で活動。自身の記憶を原体験とし、鑑賞者の記憶に語りかけてくるような風景を写真や映像で表現しています。本稿では、斎藤さんと受講生の言葉とともに、講座の様子をご紹介します。・・・続きを読む
講師インタビュー
ビジュアル・コミュニケーション・ラボー斎藤美奈子
━━━まずは「ビジュアル・コミュケーション・ラボ」という講座名についてお伺いしていきたいと思います。
「ビジュアル・コミュケーション・ラボ」は、美学校の枠組みですと、「現代メディアトレーニングA」という枠組みに入っています(※現在は『現代美術』)。そこの枠組みに入っている講座はユニークなものばかりで、例えば「ヨレヨレアート」ですとか「超・日本・アヴァンギャルド論」等がありますが、「ビジュアル・コミュケーション・ラボ」はこれらの講座名とは雰囲気が違って、カッコいいなと思わせるようなネーミングなんですけど(笑)なぜ「ビジュアル・コミュケーション・ラボ」という講座名になったのでしょう?
実は、そんなに深い理由があって付けたのではないんだけど…(笑)。まず、ものを作るっていうことを、視覚でコミュニケーションを取るための、まあ、一つの手段と考えて。美術を通して社会と関わるための「訓練講座」のような、そんな位置付けのものを想定してつけたんです。
━━━視覚芸術を通して社会と繋がっていくための、という意味を込めて「ビジュアル・コミュケーション・ラボ」と。
そうなんです。社会だけじゃなくて、もちろん隣の人ともっていうことですけど。
━━━そういう広い意味でのコミュニケーション。社会だけでなくて、人も含めて。
そうですね。
━━━それと美学校のパンフレットにも講座内容というのが書かれているのですが、具体的に授業ではどのようなことをなさっているのでしょうか?基本的には、作品制作、つまり構想から出発して作品を作って、どのように発表していくか、という授業だと思うのですが、具体的にどういう風に進めていくのでしょうか?
私のクラスは、これは美学校の良いところで、他のクラスも大方そうですけど、小人数制です。カリキュラムをだいたいは作ってありますけど、ひとりひとりに合わせて進めていくことを基本としています。カリキュラムに添って1ステップ、2ステップ、3ステップ目があって、完結、修了!みたいな進め方ではないということです。受講生と話し合いながら進めていくという感じです。・・・続きを読む
過去の修了展など
授業見学お申込みフォーム
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〈現代美術〉
▷授業日:毎週土曜日 13:00〜17:00
俗にいう「現代アート」に限らず、音楽、映画、サブカルもアングラも含めた文化全般を視野に入れた講義、ワークショップを実施します。かならずしもアーティストを養成することが目的ではないですが、節々でアートの実践を体験してもらうことで、クリエイティビティー(=創意工夫)の本質を知ることを目指します。
▷授業日:毎週火曜日 13:00〜17:00
作品制作を中心に、現代美術に関する講義を交えて進む講座です。制作を通して、美術作家としてのものの捉え方や考え方も学んでいきます。まず、ゆるやかな方向性をもったカリキュラムを用意します。とにかく、何か作ってみる。そこからスタートです。
▷授業日:毎週月曜日 19:00〜22:00
「芸術漂流教室」は、倉重迅、田中偉一郎、岡田裕子を中心に、ゲスト講師も招きながら展開していきます。現代美術の領域で活動しながら他ジャンルにも軸足を持つ、無駄に経験値の高い講師陣とともに「楽しく」「真面目に」漂流しましょう。
▷授業日:不定
未来美術家・遠藤一郎による講座。本当にお前がやりたいことは何なのか。お前の夢を好きなまんまにやれ、わがままに。夢バカ最強宣言。非実力派宣言。最初の一歩。世の中にはへんなやつが必要だ!!
▷授業日:毎週金曜日 19:00〜22:00
「現代アートの勝手口」は、この20世紀を総崩れにした30年の後に、改めて勝手に現代アートをやろうという集まりです。私たちは広く深く種々の形式を取り扱います。知的好奇心の赴くままに一緒に遊べる人と、これからの遊び方を再発明したいのです。この講座を通し、三河屋のようにひとの勝手口から勝手に出入りして、その勝手を盗み合えるひとたちと出会えれば幸いです。
アンビカミング: シャドーフェミニズムズの芸術実践 遠藤麻衣+ゲスト
▷授業日:隔週火曜日 19:00〜22:00
アーティスト・遠藤麻衣による講座。フェミニズムの領域でも「ネガティブ」で「パッシヴ」な「シャドーフェミニズムズ」に焦点を当てて学んでいきます。クィア・フェミニズム、ソーシャルプラクティスとしての芸術に関心を寄せるさまざまな方の受講をお待ちしています。
▷授業日:第二日曜日 14:00〜16:30
この講座では、音や音楽を考えるうえでの基礎的な学びとして、広く現代音楽や電子音についての知見を深め、音自体の構造を理解し、電子音響による音づくりを通じて「音とは何か」を考察、実践します。
立体・空間制作ゼミ 時空を超えて〜彫刻からインスタレーション 利部志穂
▷授業日:毎週火曜日 19:00〜22:00
この講座では立体や、空間的な制作表現について学びます。作品制作、作品鑑賞体験、美術を考えることは勿論、それぞれの特性や関心がどのようなところにあり、どのように展開していくのか。どのような手段で制作や思考が進められるのかを、実践的に取り組んでいきます。