定員:9名
期間:2024年5月〜2025年3月(10月期の募集は5月より開講している当教程への編入となります)
日時:毎週月曜日 19:00〜22:00
10月期学費:185,900円 教程維持費:6,600円(通額)
開催教室:本校3F
「芸術漂流教室」は、倉重迅、田中偉一郎、岡田裕子を中心に、ゲスト講師も招きながら展開していきます。3種の異なる講座で構成されるこの教室は、一粒で3度おいしく、3倍以上の楽しみ方があるはずです。現代美術の領域で活動しながら他ジャンルにも軸足を持つ、無駄に経験値の高い講師陣とともに「楽しく」「真面目に」漂流しましょう。
ArtLife Hacks (ALH) 講師=倉重迅
アートを通じて人生のクオリティを高める講座です。アートは決して美大卒やフルタイムアーティストだけのものではありません。考える、議論する、制作する、発表することなどを通して自分自身とアートとの最適な付き合い方や距離感などを見つけ、各々の人生にフィードバックすることができたら、と思います。私自身は映像畑の人間ですが、映像制作やワークショップはもとより、インスタレーションや立体作品などジャンルを問わず扱っていきます。
芸術小ネタ100連発小屋 講師=田中偉一郎
強い作品づくりの発想をひろげるための講座です。発想の定番から、自由度の高い制作法などを、講義や実践、大喜利形式で進め、ときには3時間で制作も行います。多くの作家は、役に立たないプロセスやくだらない考えを、作品からなくそうとします。しかし、良い作品の良い青臭さやおもしろいやりすぎ感、圧倒的な存在感は、意外とそんなところから生まれたりするものです。発想の仕方がわからない人、アイデアはあるけどうまく形にできない人、ものづくりに行き詰まっている人、ただなんとなく刺激が欲しい人が、気楽にでも、熱意を持ってでも参加できる、「でまかせ」を実行する世界で唯一の芸術講座です。
ヒロコセンセイの芸術相談教室 講師=岡田裕子
授業内での短期ワークショップや、各自の作品制作を通じて、美術作品を作ること、観ることの根本を考える授業です。現代の美術表現の現状も伝えていきます。
受講生ひとりひとりが、これからどう生きてゆこう、これからどう変化しよう、などを抱えています。そういった想いに対して、美学校の少人数制という利点を活かし、それぞれに丁寧に対話してゆきたいと思います。美術やその周辺領域に関しては、岡田裕子自身も表現形態や活動範囲が多岐にわたっておりますので、受講生各々に対して多様な可能性を提案しながら、実践的なアドバイスもできたらと考えています。
講師プロフィール
倉重迅
1975年神奈川県生まれ。フランス国立高等芸術大学マルセイユ(ボ・ザール)DNSEP課程修了。トリノ・トリエンナーレ、シドニー・ビエンナーレ、「笑い展」(森美術館)など、国内外の展覧会に参加。また、複数のa.k.a.を使い、CMやPV、TV番組などのディレクションなどにも携わっている。
面白そうなことに積極的に関わっていった結果、運営や経営、関連する企業、NPOなどは多岐にわたる。近年は、飲食店や輸入食品のプロデュースなどにも鋭意参画中。
田中偉一郎
1974年生まれ。2000年よりレントゲンヴェルケ(東京)、「六本木クロッシング」展(森美術館)、Scion Installation(LA)、成羽美術館(岡山)など国内外の展覧会に参加し、《ハト命名》、《ストリート・デストロイヤー》といったノーメッセージな作品を展開。「美術手帖」の連載「やっつけメーキング」で、独自の現代美術の文脈をつくる。また、広告のアートディレクターとして、数多くのTVCMやグラフィックアドなどを企画制作。写真、音楽、動画、パフォーマンス、書籍、広告など、媒体を問わず意表を突いた作品を乱れ撃ちしている。
岡田裕子
現代美術家。ヴィデオアート、写真、絵画、インスタレーション、パフォーマンスなど多岐にわたる表現を用いて、自らの実体験――恋愛、結婚、出産、子育てなど――を通したリアリティのある視点で、現代の社会へのメッセージ性の高い美術作品を制作。国内外の美術館、ギャラリー、オルタナティヴスペース等にて展覧会多数。主な展覧会は「MOTアニュアル2005愛と孤独、そして笑い」(東京都現代美術館、2005年)、「Global Feminisms」(ブルックリン美術館 、2007年)、「LESSON 0」(韓国国立現代美術館果川館・2017年)、「第11回恵比寿映像祭」(東京都写真美術館、2019年)など。 2010年よりオルタナティブ人形劇団「劇団★死期」主宰。著書に『現代アート探偵ゲンダイチコースケの事件簿「銀髪の賢者と油之牝狗」』(岡田裕子+松下学+阿部謙一(オルタナティブ人形劇団「劇団☆死期」)ART DIVER出版。2019年7月にミヅマアートギャラリーにて個展「ダブル・フューチャー」を開催予定、同展覧会で初作品集を刊行予定。
講師インタビュー
2019年度に美術家の岡田裕子さんを新講師に迎え、装い新たに開講した「芸術漂流教室」。倉重迅さんの「ArtLife Hacks (ALH)」、田中偉一郎さんの「芸術小ネタ100連発小屋」、岡田裕子さんの「ヒロコセンセイの芸術相談教室」の3つが併存する本講座。それぞれの授業内容、コロナ禍で考えたこと、講座の新展開などについて、講師の皆さんにお話を伺いました。
無理してアーティスト一本でやらなくてもいい
倉重 (岡田さんが加入して)講師は3人ともアーティストになったね。(※)
岡田 私は美術畑出身なので、実際に手を動かしたりワークショップを通じて何らかの学びになるようなことをやっていこうかなと始めました。
田中 岡田さんが2019年に講師になってからも、僕の講義自体はあまり変わらなかったです。「誰も知らない現代美術講座」という、自分で作家名や作品名をつくって現代美術史の流れの講義をやったり。全部ウソなんだけど。実践で言うと、やはり展覧会を開いた方がいいから、展覧会にどういう準備がいるかということは今までどおりやってます。「1hour展覧会」と題してたったの1時間で構想から実際に作品をこしらえて、展覧会を誰かに見てもらうところまでやってみましょうとか。
倉重 僕も偉一郎くんと一緒でやってることはあまり変わってなくて、瞬間的に映像を作るとか、テレビ番組を丸々一個模写して作るとか、お題でポンとか映像中心ですね。ただ撮影技術、編集技術的な方向はあまり掘り下げずに、アイデアやそれを作品として落とし込むプロセスなどに重点を置いています。
僕自身がその時点で興味があることに手を伸ばしていった結果、幾つかの制作会社や食品輸入、飲食店なども並行してやっていたりするのですが、皆が皆フルタイムアーティストになる必要はないと思っていて。むしろ真面目に美術を勉強して、美術の考え方とか文脈を学んだ人が公務員になったり美容師になったり一般社会に出たほうが、世の中絶対面白くなると信じています。講師がアーティスト3人になったことで、その考えがより強くなったかな。だから、生徒にアーティストになるなとは言わないけど、どちらかと言えばパートタイマーの方をオススメする感じで僕はやってる。
受講生座談会
倉重迅さん、田中偉一郎さん、岡田裕子さんが講師を務める「芸術漂流教室」。2021年度は、年齢や職業の異なる8名の受講生が集合。講座の受講理由、印象に残った講座、受講してみての感想など、受講生の皆さんに「芸術漂流教室」での一年間を振り返っていただきました。・・・続きを読む
講座日誌
【2018/1/29】芸術漂流教室
3名の講師による現代美術講座
「芸術漂流教室」では、3名の講師が交代で授業を受け持っていきます。それぞれの授業には名前がついていて、アーティストの倉重迅さんによる「ArtLife Hacks (ALH)」、アーティストの田中偉一郎さんによる「芸術小ネタ100連発小屋」、そして編集者の阿部謙一さんによる「思考と表現の強化所」が開催されます。この3名の講師による三講座を通して現代美術の制作スキル、発想法、歴史や知識などを学んでいきます。
この日は田中偉一郎さんの「芸術小ネタ100連発小屋」が開催されました。“強い作品づくりの発想をひろげるための講座”とのことですが、一体どんな授業が行われているのでしょうか?・・・続きを読む
過去の修了展など
授業見学お申込みフォーム
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*フォーム送信後3日以内に事務局から返信のメールが届かなかった場合は、フォームが送信できていない可能性がありますので、お手数ですが美学校事務局までご連絡ください。
〈現代美術〉
▷授業日:毎週土曜日 13:00〜17:00
俗にいう「現代アート」に限らず、音楽、映画、サブカルもアングラも含めた文化全般を視野に入れた講義、ワークショップを実施します。かならずしもアーティストを養成することが目的ではないですが、節々でアートの実践を体験してもらうことで、クリエイティビティー(=創意工夫)の本質を知ることを目指します。
▷授業日:毎週火曜日 13:00〜17:00
作品制作を中心に、現代美術に関する講義を交えて進む講座です。制作を通して、美術作家としてのものの捉え方や考え方も学んでいきます。まず、ゆるやかな方向性をもったカリキュラムを用意します。とにかく、何か作ってみる。そこからスタートです。
▷授業日:毎週月曜日 19:00〜22:00
「芸術漂流教室」は、倉重迅、田中偉一郎、岡田裕子を中心に、ゲスト講師も招きながら展開していきます。現代美術の領域で活動しながら他ジャンルにも軸足を持つ、無駄に経験値の高い講師陣とともに「楽しく」「真面目に」漂流しましょう。
▷授業日:不定
未来美術家・遠藤一郎による講座。本当にお前がやりたいことは何なのか。お前の夢を好きなまんまにやれ、わがままに。夢バカ最強宣言。非実力派宣言。最初の一歩。世の中にはへんなやつが必要だ!!
▷授業日:毎週金曜日 19:00〜22:00
「現代アートの勝手口」は、この20世紀を総崩れにした30年の後に、改めて勝手に現代アートをやろうという集まりです。私たちは広く深く種々の形式を取り扱います。知的好奇心の赴くままに一緒に遊べる人と、これからの遊び方を再発明したいのです。この講座を通し、三河屋のようにひとの勝手口から勝手に出入りして、その勝手を盗み合えるひとたちと出会えれば幸いです。
アンビカミング: シャドーフェミニズムズの芸術実践 遠藤麻衣+ゲスト
▷授業日:隔週火曜日 19:00〜22:00
アーティスト・遠藤麻衣による講座。フェミニズムの領域でも「ネガティブ」で「パッシヴ」な「シャドーフェミニズムズ」に焦点を当てて学んでいきます。クィア・フェミニズム、ソーシャルプラクティスとしての芸術に関心を寄せるさまざまな方の受講をお待ちしています。
▷授業日:第二日曜日 14:00〜16:30
この講座では、音や音楽を考えるうえでの基礎的な学びとして、広く現代音楽や電子音についての知見を深め、音自体の構造を理解し、電子音響による音づくりを通じて「音とは何か」を考察、実践します。