版表現実験工房(銅版画) 清野耕一
定員 10 名
毎週水曜日:18:30〜21:30
学費:340,000 円 教程維持費:20,000 円(年額)
開催教室:本校
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銅版画(凹版)の制作は、薄い銅版表面で繰り広げるマイナスの作業といえます。直接鋭利なニードルで引掻いたり、強酸の力で腐食(エッチング)したり、様々な薬品や道具を使い随分と手荒なプロセスを踏みます。このように出来上がる銅版の原版は、その凹部に詰められたインクとエッチング・プレス機の物凄い圧力によって、最終的に紙の表面に反転しプリントされます。・・・・・この瞬間、皆さんは銅版画の表現効果に魅了されるでしょう。鋭く自在な線、微妙で繊細な濃淡面、重厚な質感。・・・・・その転写されるイメージは、ドローイングやペインティングと全く異なるからです。
世界的なIT化とグローバル化が急速に進む中で、私達の日常生活にも「デジタル・カルチャー」が浸透し大変化をもたらしています。「効率化・便利さ」を追求する社会的なうねりは、一方で機械に頼りながら、汚れ仕事を嫌い、面倒くさいことを避ける行動を私達に植え付けていると云えるかもしれません。「自らの手を使い、身体を動かし、汗を流し悪戦苦闘する姿勢」を拒む風潮の中で、大切な何かが失われようとしていないでしょうか。
「版表現実験工房」は、そんな問いに対応しながら、初心者のみならず、銅版画や他版種の経験者にも門戸を広げる場です。銅版画制作のための技術力を習得するだけでなく、直接銅版と触れ会うことによってモノ作り本来の楽しさを経験し、美術表現を創造する「発見」の場を目指します。同時に、絶え間ない地道な制作を通じて「自己を見つめる姿勢を培うこと」に重点を置きたいと考えています。
従来の「オリジナル版画」(平面・複数性を土台とする版画表現)の垣根を取り払い、柔軟に他のメディアとの交差を図り、新たな表現スタイルを研究し模索する実験的な制作現場になることを目標とします。この工房の参加者は、より積極的な制作意欲と発表の機会設定が求められます。
参加者の年代・経験・背景を超えて「互いが刺激・影響し合える制作現場」になることを期待します。
清野耕一
授業内容
【前期】
- 彫刻技法の基礎研究と制作(ドライポイント・メゾチント)
- 腐蝕技法の基礎研究と制作(エッチング・アクアチント)
- ☆前期講評会
【中期】
- 腐蝕技法の応用研究と制作(リフトグランド・ソフトグランド)
- 刷り技法の応用研究と制作(雁皮刷り・凹凸版刷り・多色刷り)
- ☆中期講評会
【後期】
- 写真製版技法の研究と制作(フォトエッチング)
- 併用技法による自由制作
- ☆後期講評会
【研究課題】
- A)複数性と間接性
- B)版の表面性と被写体
- C)3次元の平面構成
- D)メディア・ミックス
※ 生徒持ち道具・材料
銅版・版画用紙・ニードル・スクレッパー・バニッシャー・作業着・腐蝕用ゴム手袋 他
講師プロフィール

清野耕一
1957年東京都生まれ。1980年早稲田大学社会科学部卒業。1992年美学校銅版画工房修了。2002-03年文化庁派遣芸術家在外研修(カナダ・カルガリー大学にて研究活動)。2011年第8回高知国際版画トリエンナーレ展にて優秀賞受賞。その他、日本国内だけでなく、ヨーロッパ・北米にて、個展や国際的グループ展に多数出品する。
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〈版画/写真〉
シルクスクリーン工房 松村宏 
▷授業日:毎週月曜日 13:00〜17:00
カリキュラムは非常に厳しく設定してあります。1年目では困難だがまずは基本的なトレーニングから始める。同時に意図した色が確実に定着出来るメリットを生かして色彩研究にも取り組みます。
リトグラフ(石版画)工房 佐々木良枝+増山吉明 
▷授業日:毎週火曜日 13:00〜17:00
石や金属の版の上に脂肪分を含んだ画材で、自由に描いたものを版にすることができ、ドローイングや自由な描画、筆やペンで描いた水彩画のタッチを出したり、色を重ねることによって複雑な色合いを出すことができる技法です。
銅版画工房 上原修一 
▷授業日:毎週木曜日 13:00〜17:00
銅版画の特徴として、一つは凹版であることが挙げられます。ドライポイント、エッチング、アクアチントといった銅版画技法の基本技法と、インク詰め、拭き、修正、プレス機の扱いなど、刷りの基本技術を学びます。
版表現実験工房(銅版画) 清野耕一 
▷授業日:毎週水曜日 18:30〜21:30
銅版に触れ合うことによってモノ作り本来の楽しさを体験し、美術表現を創造する「発見」の場をめざします。従来の「版画」の垣根を取り払い、柔軟に他のメデイアとの交流を図り、研究し模索する制作現場です。
写真工房 西村陽一郎 
▷授業日:毎週金曜日 13:00〜17:00
カメラの持ち方やフィルムの入れ方など、順を追って実習を進めていきます。「銀塩フィルム」による撮影、ケミカルをつかった手現像、バライタ印画紙への手焼きプリント、筆と墨による修正などが中心のカリキュラムです。