定員:8名
期間:2025年5月〜2026年3月
日時:毎週火曜日 19:00〜22:00
5月期学費:330,000円 教程維持費:11,000円(年額)
開催教室:本校
インスタレーションってなんでしょうか?
この講座では立体や、空間的な制作表現について学びます。そういった表現は美術の世界では「インスタレーション」と呼ばれています。
ですが、建築と彫刻、インテリア、食べ物、自然、既製品の違いはどこにありますか?
海辺の開かれた風景と、街中の夜景ではどんな音が聞こえますか?どんな匂いですか?その視界から隠れた場所には何がありますか?
モノを作る時、置く時、選ぶ時。素材、質感、場所の特性、大きさ、重さ。様々な要素が重なり合って出来上がります。また、鑑賞するときにはどうでしょうか?家具や彫刻、神社仏閣、公共施設、山や海、交通手段は車で歩きで自転車で?季節は、時間は?同じモノや場所、空間にいたとしても、個々の体験や経験、時代、文化的背景や体格、関心事でも随分違って見えたり、感じられているのではないでしょうか。
このクラスでは、作品制作、作品鑑賞体験、美術を考えることは勿論、それぞれの特性や関心がどのようなところにあり、どのように展開していくのか。どのような手段で制作や思考が進められるのかを、実践的に取り組んでいきます。
インスタレーション、彫刻。と言ってもそれぞれの定義や考えによって広い範囲にわたります。時間や空間が関わるもの、人間の身体や事物を通して考え、制作していきます。立体物、絵、映像、言葉、音、パフォーマンスなど広義に渡り参加者それぞれの世界の在り方を探っていきます。制作、展示、作品鑑賞、フィールドワークなどを通して、様々なメディアや方法に実験的に取り組み、一年を通して一緒に考え、新しい時空を創作し、体験していきましょう。
講師プロフィール
利部志穂(かがぶ・しほ)
美術家、彫刻家、サンライズサーファー
2004年文化女子大学立体造形コース卒業2007年多摩美術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。
2017年より2年間文化庁新進芸術家在外派遣にてイタリア、ミラノで活動。国内外の美術館やギャラリーなどで発表。
生活の中で不要となったものや、壊れて廃棄された拾得物、建築資材など様々な既製品を使用し組み替え彫刻作品を作る。サイトスペシフィックなインスタレーション、映像、写真、パフォーマンス、音、言葉、を用いて、モノと人との距離や時空に触覚的に関わっていく。日々の細やかな機微と大規模なスケール感とが同率、様々な言語感覚が物理的、詩的に混在、展開される作品世界。近年は世界の地形から見る神話、民話、口伝伝承、旅や食、生活活動を通して世界の共通言語を探求、制作、発表。http://www.kagabu.com/
講師インタビュー
2025年度5月期から新規開講する「立体・空間制作ゼミ 時空を超えて〜彫刻からインスタレーション」。幼い頃から世界に疑問を抱き、自身のこだわりを捨てられなかったという講師の利部志穂さん。周囲とのギャップに苦しんでいた利部さんにとって転機となったのが大学時代に出会った彫刻でした。利部さんの制作の根底にあるもの、試行錯誤を重ねた大学時代のことなど、開講に向けて話を聞きました。
疑問を抱き続けた10代
利部 幼稚園から高校までカトリックの学校に通っていて、日常的にミサやお祈りの時間がありました。自分や家族がクリスチャンだったわけではありませんが、聖書の時間はすごく好きでしたね。「聖書のお話と現実は違うな。それはなんでなんだろう」とか、哲学的なことを考える子どもでした。あと、異常に正義感が強くて、いじめとかを見過ごせないんですよ。必要以上に人のことで怒ったり悲しかったり、小学校では学級会で一番盛り上がってました(笑)。
中学、高校になって周りが勉強に集中しだしても、私はまだその感覚を引きずっていて、その頃は音楽や映画、小説や哲学書がすごく好きでした。映画や本の中では、自分が疑問に思っていることが堂々と語られていたので勇気づけられたんです。絵を描くのも好きで、小学生のときにテレビで画家のドキュメンタリーを見て、将来はシルクロードを旅しながら絵を描いて暮らせたらいいなとか思ったり(笑)。でも、そういう暮らしをしている人が身近にいなかったし、周りから絵が上手だと褒められるわけでもなかったので、密かな夢という感じでした。
〈現代美術〉
▷授業日:毎週土曜日 13:00〜17:00
俗にいう「現代アート」に限らず、音楽、映画、サブカルもアングラも含めた文化全般を視野に入れた講義、ワークショップを実施します。かならずしもアーティストを養成することが目的ではないですが、節々でアートの実践を体験してもらうことで、クリエイティビティー(=創意工夫)の本質を知ることを目指します。
▷授業日:毎週火曜日 13:00〜17:00
作品制作を中心に、現代美術に関する講義を交えて進む講座です。制作を通して、美術作家としてのものの捉え方や考え方も学んでいきます。まず、ゆるやかな方向性をもったカリキュラムを用意します。とにかく、何か作ってみる。そこからスタートです。
▷授業日:毎週月曜日 19:00〜22:00
「芸術漂流教室」は、倉重迅、田中偉一郎、岡田裕子を中心に、ゲスト講師も招きながら展開していきます。現代美術の領域で活動しながら他ジャンルにも軸足を持つ、無駄に経験値の高い講師陣とともに「楽しく」「真面目に」漂流しましょう。
▷授業日:不定
未来美術家・遠藤一郎による講座。本当にお前がやりたいことは何なのか。お前の夢を好きなまんまにやれ、わがままに。夢バカ最強宣言。非実力派宣言。最初の一歩。世の中にはへんなやつが必要だ!!
▷授業日:毎週金曜日 19:00〜22:00
「現代アートの勝手口」は、この20世紀を総崩れにした30年の後に、改めて勝手に現代アートをやろうという集まりです。私たちは広く深く種々の形式を取り扱います。知的好奇心の赴くままに一緒に遊べる人と、これからの遊び方を再発明したいのです。この講座を通し、三河屋のようにひとの勝手口から勝手に出入りして、その勝手を盗み合えるひとたちと出会えれば幸いです。
アンビカミング: シャドーフェミニズムズの芸術実践 遠藤麻衣+ゲスト
▷授業日:隔週火曜日 19:00〜22:00
アーティスト・遠藤麻衣による講座。フェミニズムの領域でも「ネガティブ」で「パッシヴ」な「シャドーフェミニズムズ」に焦点を当てて学んでいきます。クィア・フェミニズム、ソーシャルプラクティスとしての芸術に関心を寄せるさまざまな方の受講をお待ちしています。
▷授業日:第二日曜日 14:00〜16:30
この講座では、音や音楽を考えるうえでの基礎的な学びとして、広く現代音楽や電子音についての知見を深め、音自体の構造を理解し、電子音響による音づくりを通じて「音とは何か」を考察、実践します。
立体・空間制作ゼミ 時空を超えて〜彫刻からインスタレーション 利部志穂
▷授業日:毎週火曜日 19:00〜22:00
この講座では立体や、空間的な制作表現について学びます。作品制作、作品鑑賞体験、美術を考えることは勿論、それぞれの特性や関心がどのようなところにあり、どのように展開していくのか。どのような手段で制作や思考が進められるのかを、実践的に取り組んでいきます。