サウンドアート・入門と実践 〜電子音響音楽、サウンドコラージュ、フィールドレコーディング〜講師:渡辺愛


【本講座はオンライン+対面授業です】
ZOOMによるオンライン授業に加え対面希望者を4名〜6名程度受け入れたオンラインと対面の混合形式で開催します。
地方や国外在住の方もぜひお気軽にご参加ください。
対面希望者には均等に機会が周りますよう調整させていただきます。


定員:12名
期間:2025年5月〜2026年3月(年間11回)
日時:毎月1回日曜 14:00〜16:30
(5/11、6/15、7/13、8/3、9/14、10/12、11/9、12/14、1/11、2/8、3/8)
学費:92,400円 教程維持費:11,000円(年額)
開催形式:オンライン+対面(本校)

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音による表現の可能性

電子音響音楽とは、電気信号の合成によって作られる電子音楽と、録音技術を用いて作られる音楽とを統合した言葉です。この講座では、音や音楽を考えるうえでの基礎的な学びとして、広く現代音楽や電子音についての知見を深め、音自体の構造を理解し、電子音響による音づくりを通じて「音とは何か」を考察します。

突然ですが、いまあなたの背後でパリーン!と音がしたとしましょう。振り返る前にあなたが思うことはきっと「あれ?ガラスが割れた?」「誰かがコップを落とした?」。つまり、それが’何’の音なのか、その音は何が起こったことを’指し示す’音なのか、ではないでしょうか。

このように、わたしたちは普段音に対して’何が”どうした’といった’意味’や’原因’にフォーカスする聴き方をしています。わたしたちはいつも’何の音か’に囚われているのです。ギターの音、ドの音、電車の音、「ビガッコウ」という発音…これらは音を記号化した捉え方です。ところが、こうした音の意味性や記号性を極力気にしないで、発せられた音の音響形態としての特徴(音の高さや強さ、長さや音色など)に集中したほうが面白い音楽が作れると考えた人がいました。ピエール・シェフェールという人です。彼は1948年にミュジック・コンクレートというジャンルを創始し、録音した音を音響オブジェと呼んで、もとの文脈から引き離すことを試みました。

…というわけで、この講座では実際に音作品を作っていただくこともございますが、その際に「何の音で作りましょう」ということは申し上げません。むしろその「名前のない音」について観察し、触れ、自分の力で組み立てられるようなエクササイズを、一緒にやっていけたらと思います。

理論と実践を組み合わせた授業構成となります。専門的な背景を学習したうえで、課題作品の制作やその講評を通したディスカッションを行い、音に対する見識を拡げていきましょう。

授業内容

■ 理論

  • 20世紀の電子テクノロジーの変化を電子音響音楽の視点から概観する
  • ミュジック・コンクレートの作品分析を通じて音の聴きかた・音楽の捉えかたを問い直す
  • さまざまな作品に触れ、電子音響に対する知見を広げる
  • 電子音響制作の基礎 など

■ 実践

  • 音響オブジェを録ろう
  • フィールドレコーディングをしてみよう
  • サウンドアートの実演
  • シンセサイザーに触れる
  • 作品を作ろう など

■対象者:

・現代アート制作を行っていて、音を使った表現に興味ある人

・音楽制作を行っていて、音楽だけでなくアートやインスタレーションなどに興味ある人 など

オンライン授業のご案内

コロナウィルスの状況を受け、2020年度よりオンラインで授業を行っています。

オンラインの強みを生かし、対面時よりもフレキシブルな授業内容をお送りします。

◆ZOOMによる授業

講師のPCを画面共有し、操作を間近で見ながら授業を受けることができます。

毎回の授業はアーカイブされますので、内容が難しく復習したい場合、止むを得ず欠席する場合も、動画にて自分のペースで授業にキャッチアップできます。

◆Discordによる授業外サポート

チャットツールのDiscordを用いて各種連絡やコミュニケーションを行います。質問やTA(ティーチングアシスタント)によるテクニカル補講などのサポートや、各自の好きな曲やプラグイン情報などのコミュニケーションツールとして機能します

講師プロフィール

渡辺愛

作曲家。フィールド・レコーディングの素材を含む電子音響音楽を中心に活動する。東京音楽大学大学院作曲専攻修了、パリ国立地方音楽院修了。東京藝術大学大学院博士後期課程修了。リュック・フェラーリ研究で博士号取得(学術)。JAPAN2011受賞(イタリア)、国営ラジオでの放送(フランス)、ICMC2018(韓国)、RADIO SAKAMOTO(presented by 坂本龍一)での放送等、国内外で評価を得る。音響装置アクースモニウムの演奏も行う。現在、東京藝術大学、昭和音楽大学、玉川大学、武蔵野美術大学大学各非常勤講師。 日本電子音楽協会理事。先端芸術音楽創作学会会員。JWCM女性作曲家会議メンバー。

講師インタビュー

watanabe

2024年度5月期より新たに開講する​​「サウンドアート・入門と実践〜電子音響音楽、サウンドコラージュ、フィールドレコーディング〜」。講師は作曲家の渡辺愛さんです。クラシック音楽の作曲を学んだ後、電子音響音楽に出会い創作活動を続けてきた渡辺さん。開講に先立ち、渡辺さんのこれまでの歩みや、講座の内容についてお話を聞きました。

音楽との付き合い

渡辺 出身は神奈川県の大磯町です。父は画家で、母はピアノの先生をしていました。絵は好きでしたが、父の仕事を間近に見ていて絵の世界は大変そうだなと思ったのと、父と同じことをやっても敵わないという思いもあり、小さい頃からピアノを習っていました。ただ、楽器を極めるためには毎日練習しなければいけなくて大変なんですよね。そういうことは自分には向いていないなと子ども心に思っていたところ、ピアノの先生から作曲をすすめられて、初めて作曲という道があると知りました。・・・続きを読む

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〈現代美術〉


アートのレシピ 松蔭浩之+三田村光土里 Matsukage Hiroyuki

▷授業日:毎週土曜日 13:00〜17:00
俗にいう「現代アート」に限らず、音楽、映画、サブカルもアングラも含めた文化全般を視野に入れた講義、ワークショップを実施します。かならずしもアーティストを養成することが目的ではないですが、節々でアートの実践を体験してもらうことで、クリエイティビティー(=創意工夫)の本質を知ることを目指します。


ビジュアル・コミュニケーション・ラボ 斎藤美奈子 Saitoh Minako

▷授業日:毎週火曜日 13:00〜17:00
作品制作を中心に、現代美術に関する講義を交えて進む講座です。制作を通して、美術作家としてのものの捉え方や考え方も学んでいきます。まず、ゆるやかな方向性をもったカリキュラムを用意します。とにかく、何か作ってみる。そこからスタートです。


芸術漂流教室 倉重迅+田中偉一郎+岡田裕子 Kurashige Jin

▷授業日:毎週月曜日 19:00〜22:00
「芸術漂流教室」は、倉重迅、田中偉一郎、岡田裕子を中心に、ゲスト講師も招きながら展開していきます。現代美術の領域で活動しながら他ジャンルにも軸足を持つ、無駄に経験値の高い講師陣とともに「楽しく」「真面目に」漂流しましょう。


未来美術専門学校 遠藤一郎 Endo Ichiro

▷授業日:不定
未来美術家・遠藤一郎による講座。本当にお前がやりたいことは何なのか。お前の夢を好きなまんまにやれ、わがままに。夢バカ最強宣言。非実力派宣言。最初の一歩。世の中にはへんなやつが必要だ!!


現代アートの勝手口 齋藤恵汰+中島晴矢 現代アートの勝手口

▷授業日:毎週金曜日 19:00〜22:00
「現代アートの勝手口」は、この20世紀を総崩れにした30年の後に、改めて勝手に現代アートをやろうという集まりです。私たちは広く深く種々の形式を取り扱います。知的好奇心の赴くままに一緒に遊べる人と、これからの遊び方を再発明したいのです。この講座を通し、三河屋のようにひとの勝手口から勝手に出入りして、その勝手を盗み合えるひとたちと出会えれば幸いです。


アンビカミング: シャドーフェミニズムズの芸術実践 遠藤麻衣+ゲスト

▷授業日:隔週火曜日 19:00〜22:00
アーティスト・遠藤麻衣による講座。フェミニズムの領域でも「ネガティブ」で「パッシヴ」な「シャドーフェミニズムズ」に焦点を当てて学んでいきます。クィア・フェミニズム、ソーシャルプラクティスとしての芸術に関心を寄せるさまざまな方の受講をお待ちしています。


サウンドアート・入門と実践 渡辺愛

▷授業日:第二日曜日 14:00〜16:30
この講座では、音や音楽を考えるうえでの基礎的な学びとして、広く現代音楽や電子音についての知見を深め、音自体の構造を理解し、電子音響による音づくりを通じて「音とは何か」を考察、実践します。


立体・空間制作ゼミ 時空を超えて〜彫刻からインスタレーション 利部志穂

▷授業日:毎週火曜日 19:00〜22:00
この講座では立体や、空間的な制作表現について学びます。作品制作、作品鑑賞体験、美術を考えることは勿論、それぞれの特性や関心がどのようなところにあり、どのように展開していくのか。どのような手段で制作や思考が進められるのかを、実践的に取り組んでいきます。