1969年の開校以来、受講生の国籍・年齢・性別・学歴不問を掲げてきた美学校は、いかなるハラスメントも容認しません。多様な価値観の人が集う場として、すべての受講生・講師・スタッフが、一人の人間として尊重されるよう、ハラスメント防止に努め、万が一かかる事態が生じた場合には、適正に対処します。
1. ハラスメントの定義
当校で起こりやすいハラスメントとして、以下の2つについて定義と事例を示します。下記以外にも様々なハラスメントが存在し、複数のハラスメントが絡み合って生じる場合もあります。
セクシュアル・ハラスメント
相手の意に反する性的な言動によって相手に不快感や不利益を与え、就労や就学環境を損なう行為のことです。セクシュアル・ハラスメントにあたるかどうかの判断は、その言動を受けた本人が不快に思うか否かによります。
- スリーサイズなどの身体的特徴を話題にしたり、性的な経験について質問したりする
- 「男のくせに」「女のくせに」といった、性別で差別しようとする意識に基づいた発言をする
(ジェンダー・ハラスメントとも呼びます) - 性的指向や性自認をからかいの対象とする
- ヌード写真などをわざと見せたりする
- 個人的な指導と引き換えに性的な関係を要求したり、執拗に食事や酒席に誘ったりする
- 要求を拒否されたために、受講生を展示に参加させないなどの不利益を与える など
アカデミック・ハラスメント
講師等が、意識的か無意識的かを問わず、自身の優位な立場や権限を不当に利用し、受講生の受講意欲や受講環境を著しく低下させる言動や指導のことです。
- 講義上必要のない授業の手伝いや私的な雑用を押し付け、断られたら叱責する
- 特定の受講生を他の受講生と差別して、必要以上に厳しい課題を課す
- 指導の範囲を超えて人格を否定する言動や脅迫的な言動を行う
- 求められた指導を正当な理由なく拒否する など
2. ハラスメントを起こさないために
何を不快に思うかは個人によって異なります。ハラスメントに当たるか判断がつかないときは、自分の家族や友人に同様の言動が向けられた場合を想像してください。また、講師と受講生の間に、NOと言えない力関係が図らずも存在していないか意識することを日頃から心がけてください。
- 自分の家族や友人に同じ事が言えるか、できるか
- 自分の家族や友人が同じ事を言われたら、されたらどうか
- 家族や友人に見られていても同じことが言えるか、できるか
3. 被害に遭ったら
不快だと感じる言動を受けたら、我慢せずにそのこと相手に伝えてください。相手が不快感をもたらしていると気づいていない場合もあるので、不快であることを口頭または文書で伝えることで、解決可能な場合もあります。その場で伝えにくい場合や、抗議をしても言動が改まらない場合は、速やかに事務局に相談してください。必要に応じて外部機関と連携しながら問題解決に努めます。その場で拒否できなかった自分が悪いのではないかと自分を責めたり、他の受講生に迷惑がかかるのではないかといった心配をする必要はありません。相談や情報提供にあたり、相談者や情報提供者のプライバシーは保護されます。また、相談や情報提供をしたことによる、不利益な取り扱いは行いません。なお、ハラスメント行為を受けたら、いつ、どこで、どのようなことを言われたか・されたかといった記録をとっておくと、問題解決時に役立ちます。
【相談窓口】
美学校 本校・事務局
TEL:03-3262-2529 (平日13:00~18:00)
メール:bigakko@tokyo.email.ne.jp
4.ハラスメント防止のための啓発
あらゆるハラスメントの防止のため、本指針を講師・受講生に配布するほか、希望者には映像資料の貸出や講習の案内などを行うなどして周知、啓発に努めます。