【10月期募集なし】生涯ドローイングセミナー講師:丸亀ひろや(+OJUN+宮嶋葉一)


※定員に達したため24年度5月期の募集は締め切りました。次回の募集は25年度5月期です。


定員:10名
期間:2024年5月〜2025年3月
日時:毎週木曜日 18:30〜21:30
学費:330,000 円 教程維持費:11,000円(年額)
開催教室:本校3F

[講師体制について]
丸亀さんがメイン講師として毎週の講座を担当します。OJUNさんは年に2〜3回ほど各学期末に参加予定です。宮嶋さんは長期療養中のため参加は未定です。

紙に鉛筆などのモノクロの画材で線を引き、物や人物、情景や物語を描き出すこと。これらは “デッサン、素描” と呼ばれています。それに対してこのセミナーは “ドローイング” と称して、より多様な表現を指向しています。

Drawing と書いてドローイング、 “線を引く。図面” などを意味します。紙などに鉛筆やペン、水彩などで描かれた表現形式を言います。あえて英語の表記を使ったのは20世紀後半からの新しい流れ、具象的な再現に留まらない表現への含みをもたせるためです。

“なにをどう描くか”が最初のテーマであり、長い道程の指針でもあります。

好きなものや惹かれることを観察して描いてもよいし、見えない何かを描き出してもよい。風景を描いても、人物の姿に迫ってもよい。取りあえずそこにある画材をつかんで手を動かしてみる。色を擦りつけた紙がどんなものかやってみる。自らの“描く”を問うてもよいし世界の不思議を追って迷い込んでもよい。しかし、最初のテーマ “なにをどう描くか” に、あなたは答えを出すために多くの時間を費やしてしまうでしょう。自身がひねり出した答えは、あなたを思ってもみない方へ連れ出してしまうかもしれないし、ひょっとしたら一生果てしなく続くものになるかもしれない。

“なにをどう描くか” は、心と体がそうであるように頭で考えるだけではだめで、なかなか自由にはなりません。しかも、あなたと世の中も常に変化し続けていますよね。なので、敢えてそれは答えのない “長い道程の指針” でしかないと付け加えておきたい。

今ここでの身体の感触とそこに現れた線、かすれ、滲み。描き出されたもの。その紙の表面とあなたの身体全体は、その出来事の『場』なのです。身体全体でみる、自らが起こした出来事を自らが体験する。こんなことに戸惑い、困惑するかもしれません。下手をすると成果が無く数か月が過ぎることもありますが、あせらず一緒に描く題材、視線、方法を探っていきましょう。停滞と混濁の時でさえ興味深く味わうような場となればと願っています。

参加される方の目的もさまざまで、手軽にできる、いろいろ試せるなどの期待もあるでしょう。未経験の方から経験者まで幅広いキャリアの方々が講座へ参加されるのを期待しています。

週に一回ドローイングの実習を行います。そのために各自持参するものは、紙と、油彩以外の画材や筆記具(水彩、墨、鉛筆、クレパスなど)です。尚、画材については随時その使用法や種類の説明をします。また、一年間の実技演習において “描くこと” と “描かれたもの” の意味をたえず自らに問いながら描きためたドローイングで “マッペ” (ドイツ語のファイルの意。当ゼミではドローイングブックを意味する)を制作し、卒業制作展を行います。

丸亀ひろや

講師プロフィール

丸亀ひろや

1961年熊本県生まれ。1986年東京造形大学造形学部美術学科卒業。88-90年ドイツ・デュッセルドルフ美術アカデミー絵画専攻。91-94年ドイツ・デュッセルドルフ大学美術史専攻。おもに平面作品を制作。目の前の対象や印刷物の図像から抽象的な事柄まで様々なテーマを雑食的にドローイング、そこを足掛かりにした絵画作品は抑制が効いているがどこか即興の愉楽がある。

宮嶋葉一

画家。1954年大阪府生まれ。1982年東京藝術大学大学院美術研究科油画修士課程修了。1988-98年ドイツ・デュッセルドルフ滞在。具体的な対象をモティーフに簡略化された線と強いストローク、対象に意味を持たせないスタイルが特徴。簡素化された構造と内包するユーモアのセンスが楽しめる作品を一貫して制作。

 

OJUN

1956年東京都生まれ。1982年東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修士修了。1984-85年スペイン・バルセロナ滞在。1990-94年ドイツ・デュッセルドルフ滞在。絵画・ドローイング・版画と、さまざまな媒体の平面作品を制作し、身の回りの日常的な対象を自身の視点で新鮮に捉え、その絶妙な線や色、空間は、見る者に新たな視点を与える。

講師・丸亀ひろやインタビュー

2018年より「生涯ドローイングセミナー」の講師に加わり、現在はメインの講師を務める丸亀ひろやさん。このほど、HIGURE 17-15 casで丸亀さんの個展「いま居た鳥」が開催されたのを機に、インタビューを行いました。講座の話はもちろん、熊本県天草市で過ごした幼少期から、欧米の美術と出会った美大生時代、同講座で講師を務めるO JUNさんと宮嶋葉一さんと出会ったドイツ・デュッセルドルフ時代のお話など、これまでの足跡を振り返りながら、「絵を描くこと」についてお話しいただきました。

・・・インタビューの続きを読む

修了生による座談会

――まずは、自己紹介をお願いします。

高瀬 高瀬きぼりおです。2014年の10月期から半年間受講しました。今は完全なる無職です(笑)。アクリルで絵を描いています。

竹浪 竹浪音羽です。2010年度と11年度の2年間受けていました。今は、バイトをしながら絵を描いています。イラストの仕事がしたいので、仕事をもらえるように頑張ってます。

はにゅう はにゅうしずかです。2012年度に受講していました。今は主婦をやりつつ、ぼちぼち野球のイラストを描いています。ゆくゆくはイラストレーターになりたいと思っています。

大原 大原知沙です。2005年が「生涯ドローイングセミナー」の第1期だと思うんですけど、1期から2010年くらいまで受講していました。今は事務職をしながら、ほそぼそと絵を描いています。

ほりけ ほりけゆきこです。フリーランスとして出版・広告業界の仕事をしながら、油彩をメインに制作活動をしています。2015年度の受講生です。・・・続きを読む

講座レポート
いっぽんの線の意味―生涯ドローイングセミナー

ペインティング、ではなくドローイング。イラストレーション、ではなくドローイング。デッサンでもスケッチでもデザインでもなくドローイング。ドローイングって一体なんなのか。「生涯ドローイングセミナー」の講座紹介文には、こうある。

さてドローイングとはどういうものでしょう。これはDrawingと書いて英語で、“線を引く。図面”などを意味します。美術の世界では、紙などに鉛筆やペン、水彩などで描かれた表現形式を言います。(講座紹介文より)

イーゼルにキャンバスを立てかけて、油絵の具を用意して、筆をもって、いざ絵を描く。と聞くとどうも敷居が高いが、そのへんにある紙に、そのへんにあるペンで、びっと線を引く。それだけならばぐっと敷居が低くなる。というより、日常的にやっている行為かもしれない。講師のひとり、宮嶋葉一さんは「ドローイングは技法的な制約が少ない。3歳児でも出来る。だから可能性が大きい」と話す。・・・続きを読む

過去の修了展など


〈絵 画〉


造形基礎Ⅰ 鍋田庸男 NabetaTsuneo

▷授業日:毎週土曜日 13:00〜17:00
モノ(事柄)を観察し考察し描察します。モノに対する柔軟な発想と的確な肉体感覚を身につけます。それぞれの「かたち」を模索し、より自由な「表現」へと展開する最初の意志と肉体の確立を目指してもらいます。


細密画教場 田嶋徹 Tajima Toru

▷授業日:毎週水曜日 18:30〜21:30
細密画教場では目で見たものを出来るだけ正確に克明にあらわす技術の習得を目指します。この技術は博物画やボタニカルアート、イラストレーションなどの基礎になるものです。


生涯ドローイングセミナー 丸亀ひろや(+OJUN+宮嶋葉一) Miyajima Yoichi

▷授業日:毎週木曜日 18:30〜21:30
Drawing「線を引く。図面」などを意味します。美術の世界では、紙などに鉛筆やペン、水彩などで描かれた表現形式を言います。描ける材料ならどのような画材でも持参してください。毎回ドローイングの制作を行います。


超・日本画ゼミ(実践と探求) 間島秀徳+小金沢智+香久山雨 Majima Hidenori

▷授業日:毎週土曜日18:30〜21:30(毎月第三週は日曜日13:00〜17:00)
本講座では自立した作家として歩み出せるように、制作実践のための可能性を探究し続けます。内容は基礎素材論に始まり、絵画制作に必要な準備の方法を習得するために、古典から現代までの作品研究等をゼミ形式で随時開催します。


ペインティング講座 – 油絵を中心として 長谷川繁

▷授業日: 昼枠 毎週木曜日13:00〜17:00/夜枠 毎週木曜日18:00〜21:00
油絵を中心としながらも、アクリル絵の具、水彩なども含めて幅の広い表現を試みていきながら素材自体も自分で選んで絵を描いていきます。絵を描くのと同時に「私は何故絵を描くのか?」と「どのような絵を描きたいのか?」の両方を考えながら絵に向かっていきましょう。


テクニック&ピクニック〜視覚表現における創作と着想のトレーニング〜 伊藤桂司

▷授業日:毎週月曜日 19:00〜22:00
グラフィック、デザイン、イラストレーション、美術などの創作における技術の獲得(テクニック)と楽しさの探求(ピクニック)を目的として、シンプルながら多様なアプローチを試みていきます。