造形基礎I講師:鍋田庸男


定員:12名
期間:2024年5月〜2025年3月
日時:毎週土曜日 13:00〜17:00
学費:330,000円 教程維持費:11,000円(年額)
開催教室:本校3F

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造形基礎とは、形(カタチ)を造る基(モト)という意味です。

形=カタチとは「表わされ、現れたもの」すなわち表現されたモノです。

一枚の葉っぱを手に持ちます。目で、指先で、肌で、それぞれの記憶と、経験と、知識で、テーマは個々のうちにあって、無数のカタチをひきだすことが可能でしょう。見て、掴んで、感じて、思索する。表現するということは「カラダまるごと」のことです。

表現とは「もっと、いろいろなこと」であっていい。

ここではまず木炭で描くことからはじめます。
上手に描くことではありません。モノ(事)と対峙し、観察し、考察し、記録することです。表現とは、技術ではありません。技倆は、自らの表現と共に成長するものです。まずはじめに大切なことは、技術や描き方ではなく、対象への接し方であり、対象との交流とその共有を楽しむことです。
ボクサーは、はじめに、なわ跳びを繰り返し行います。より強靭な精神、より柔軟な体、的確なパフォーマンスは、そのうえに築きあげられるものです。
対象へのひとつひとつのアプローチの繰り返しのなかから、より自由で、真に独創的な自分のカタチを求めて、表現者としての、最初の意志と体力を、見つけ出し確立してもらいたいのです。

私達が表わす「カタチ」は未知なるものへの冒険です。
やればやるほど、本気になればなるほどオモロイもんです。
今。私達が「やること」は、いっぱいあります。

鍋田庸男

授業内容

○表現現場に身をおくこと
○課題をその場で制作する
○速描画=短時間にたくさんのドローイング

精神集中、習性の確認と放棄、手の訓練、頭の柔軟体操とオートマティズム

【前期】

◆植物・静物・人体による観・考・描察画
モノを見て触れて表現者としての最初の自覚をうながす

【中期】

◆色・形・素材そして対象と表現について
◆モチーフそれ自身の設定(表現)
「描く」という行為から「つくる」という表現へ
◆切る・貼る(色紙その他)立体もしくはレリーフ

【後期】

◆自由制作
ロールペインティング=つづき絵(絵巻物)の制作

造形基礎IIは「ものづくり」への構想をもって活動します。

講師プロフィール

鍋田庸男鍋田庸男

1972年関西美術院油絵科卒業。1978年美学校石版画工房修了。1990年~美学校造形基礎講師。1982年より個展画廊春秋、AXISギャラリー・アネックス、NWハウス他。グループ展多数。

 

紹介映像

「映像表現の可能性(現・芸術漂流教室)」受講生が制作した講座「造形基礎I」の教習所風紹介映像です。

講師インタビュー

2023年で開講33年を迎える「造形基礎Ⅰ」。「形(カタチ)を造る基(モト)」を意味する「造形基礎」では、視覚だけでなく、触覚や嗅覚を通じて目の前の対象に向き合い、それを形に表わしていきます。講座では絵の上手さは重視されません。33年間、ほぼ変わらないカリキュラムで講座を開催してきた講師の鍋田庸男さんに話を聞きました。

 絵を描くことに目覚めて

鍋田 生まれは静岡で、5歳のときに大阪の堺に移りました。子どもの頃から絵を描くのは好きでした。小学生のときなんかは「鍋田くん、絵がうまいね」と、大人におだてられながら絵を描いたりするでしょう。それで絵をコンクールに出したりして。中学時代は美術部で、油絵を描いていました。だけど、部の軟派な感じがあまり好きではなくて、高校ではバレーボール部に入りました。その高校が面白くて、体育祭や文化祭のときに自分たちでスタンド(観客席)をつくるんだけど、その後ろに何を描いても良かったんです。誰が描くかも自由。だから「俺が描く」と言って、バカでかい壁画を描いていました。そういう体験がきっかけで絵に目覚めたということはあると思います。

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講座レポート

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かつては私も美学校の受講生で、一年間、毎週土曜の13時から17時を美学校で過ごした。私が受講していた『アートのレシピ』は、映像を観たり、作品を作ってみたり、パフォーマンスをしてみたり……と、時にまじめに、時に賑やかな講座だったので、壁一枚隔てた向こうの教場で、どんな講座が行われているか、実はあまりよく知らなかった。

ただ、休憩時間に廊下からチラッと隣の教場をのぞくと、大きな紙に黙々と何かを描きつけている人達がいて、アートのレシピとはまた違った、静かな熱気を感じ、羨ましく思ったりしていた。その講座が「造形基礎Ⅰ」だった。造形基礎Iは、今年で開講25年を迎える講座だ。25年間一貫した講座内容は、開講当初から今日まで講師を務める鍋田庸男さん自身の「失敗や悩み」にもとづいて考えられたものだそうだ。鍋田さんが学生だった時。造形基礎が開講した25年前。そして現在。時代は移り変われど、表現にまつわる悩みや失敗はいつの時代も同じなのかもしれない。「造形基礎I」に集まる人たちは、どんな悩みや失敗を乗り越えようとしているのだろうか。・・・続きを読む

過去の修了展など

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〈絵 画〉


造形基礎Ⅰ 鍋田庸男 NabetaTsuneo

▷授業日:毎週土曜日13:00〜17:00
モノ(事柄)を観察し考察し描察します。モノに対する柔軟な発想と的確な肉体感覚を身につけます。それぞれの「かたち」を模索し、より自由な「表現」へと展開する最初の意志と肉体の確立を目指してもらいます。


細密画教場 田嶋徹 Tajima Toru

▷授業日:毎週水曜日18:30〜21:30
細密画教場では目で見たものを出来るだけ正確に克明にあらわす技術の習得を目指します。この技術は博物画やボタニカルアート、イラストレーションなどの基礎になるものです。


生涯ドローイングセミナー 丸亀ひろや(+OJUN+宮嶋葉一) Miyajima Yoichi

▷授業日:毎週木曜日 18:30〜21:30
Drawing「線を引く。図面」などを意味します。美術の世界では、紙などに鉛筆やペン、水彩などで描かれた表現形式を言います。描ける材料ならどのような画材でも持参してください。毎回ドローイングの制作を行います。


超・日本画ゼミ(実践と探求) 間島秀徳+小金沢智+香久山雨 Majima Hidenori

▷授業日:毎週土曜日18:30〜21:30(毎月第三週は日曜日13:00〜17:00)
本講座では自立した作家として歩み出せるように、制作実践のための可能性を探究し続けます。内容は基礎素材論に始まり、絵画制作に必要な準備の方法を習得するために、古典から現代までの作品研究等をゼミ形式で随時開催します。


ペインティング講座 – 油絵を中心として 長谷川繁

▷授業日: 昼枠 毎週木曜日13:00〜17:00/夜枠 毎週木曜日18:00〜21:00
油絵を中心としながらも、アクリル絵の具、水彩なども含めて幅の広い表現を試みていきながら素材自体も自分で選んで絵を描いていきます。絵を描くのと同時に「私は何故絵を描くのか?」と「どのような絵を描きたいのか?」の両方を考えながら絵に向かっていきましょう。


テクニック&ピクニック〜視覚表現における創作と着想のトレーニング〜 伊藤桂司

▷授業日:毎週月曜日 19:00〜22:00
グラフィック、デザイン、イラストレーション、美術などの創作における技術の獲得(テクニック)と楽しさの探求(ピクニック)を目的として、シンプルながら多様なアプローチを試みていきます。