特別講座「宥学会・遊学塾」第61回「イメージを「供養」する方法」講師：原田裕規

第61回 7月12日（金）

イメージを「供養」する方法　講師：原田裕規

原田裕規は、2012年以降「心霊写真」をテーマにしたプロジェクトを展開しています。
近年では「心霊写真／ニュージャージー」（Kanzan Gallery、2018年）や「写真の壁：Photography Wall」（原爆の図丸木美術館、2019年）などの個展を開催するかたわら、推定およそ50,000枚（2019年7月現在）を越える「引き取り手のない写真」を回収し、独力で分類・保管を続けています。
本発表では、原田が今年6月に開催した展覧会で発表した新作《ブルーシート》を足がかりに、制作の着想源になった高橋ユキによるルポルタージュ「つけびの村」の話題をはさみつつ、引き取り手のない写真を展示することの難しさ、ひいてはそのような写真イメージを「供養」する方法について、ときに参加者を交えて考察を試みます。
さらに、会場では「引き取り手のない写真」の一部と、写真とともに回収した様々なモノを展示する予定です。

原田裕規《Blue Sheet #1》2019年

原田裕規（はらだ・ゆうき）
アーティスト。1989年山口県生まれ。
社会の中で取るに足らないとされているにもかかわらず広く認知されているモチーフを取り上げ、議論喚起型の問題を提起するプロジェクトで知られる。
代表的なプロジェクトに「ラッセン」や「心霊写真」をテーマにしたものがある。主な個展に「写真の壁：Photography Wall」（原爆の図丸木美術館）、編著書に『ラッセンとは何だったのか？』（フィルムアート社、2013年）など。
2016年、東京藝術大学大学院美術研究科修士課程先端芸術表現専攻修了。
http://www.haradayuki.com

日　程：2019年7月12日（金）（講座は毎月第二金曜日開催）
時　間：19:00～21:00（開場18:40）
場　所：美学校　本校（地図）
　　　東京都千代田区神田神保町2-20 第二富士ビル3F
参加費：1,500円
申込み：受講申込みは不要です。直接美学校にお越しください。
問合せ：宥学会　yugakukai@mbr.nifty.com

宥学会

かつて美学校に存在した観念美術家・松澤宥主催の「最終美術思考教場」。そこには、新しい価値観による表現をめざす自由な雰囲気がありました。宥学会・遊学塾は、その再現を願い創設された継続態です。主催するのは、同教場の最終年在籍生３名（窪寺雄二、米谷栄一、渡辺彰）が結成した宥学会。気負った名称ではありますが、松澤を崇めるのではなく触媒とすることで、各々の表現思考を広げたいと考えるささやかな集まりです。