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実作講座「演劇 似て非なるもの」 生西康典

実作講座「演劇 似て非なるもの」 生西康典



定員:10名
期間:2023年6月〜2024年3月
日時:週替わりで月曜日と金曜日 19:00〜22:00
※年間スケジュールはこちらのpdfをご覧ください。
学費:280,000 円 教程維持費:40,000 円(通額) ※教程維持費は制作実費を含みます。
開催教室:本校+スタジオ


2023年度の開催形式について

週替わりで本校とスタジオを交互に開催します。本校では対話を重視し、スタジオではその実践としての稽古を行い、最後に修了作品を制作します。それぞれがどういう作品を作るのかは、 1年を通して話したり試したりするなかで、一緒に探していきます。

(生西康典)


 

始まりは何かをつくってみたいという静かな衝動です。
でも、それが何なのか、何をどうしたら良いのか分からない。
それを見つけるためには遠回りに思えても、
手ぶらで集まって話すということから始めたいと思います。
創作に関することだけではなく、ささいなこと、雑多なこと。
ゆっくりと話を続けているあいだに、
自分にも相手にもつくりたいものが少しづつ見えて来るはずです。
何かをつくるというのはゼロから始めるというわけではありません。
つくりたいものは必ずそのひとの中に既にあるからです。
でも自分自身のことはなかなか見えません。
それを見つけるために一緒になって探り当てていきます。

 

やってみなければ見えてこないことも多いです。
本校で対話するのと同時にスタジオでは自分が書いた言葉や他者が書いた言葉を声に出してみるということも試していきたいと思っています。
演じるということは、言葉に声を与えることでしょうか、
言葉にからだを明け渡すことでしょうか。
これは僕の考えですが、演じるためには他者の言葉が必要だと思っています。
自分の言葉ではなく他者の言葉を声にしてみる。
他者を通して生のままの「その人」が現れて来ると感じています。
そして発話を伴わない身体化された深い言葉もあるということも書き添えておきます。

 

完璧なものなど出来なくても構いません。
とにかく最後に修了公演というかたちで他者に見せてみます。
そのことで自分の中にしかなかったものが、
ひとつの作品として他者の目に触れることになります。
自分では見つけられない大切なものを他者が見つけてくれることがあります。
見つかればそれを抱えて続けていくだけです。
続ければ続けるだけ、自分にとっての問題が見えてきます。
その問いを実感を伴って解いていくことが出来るのは自分だけです。
あなたが話しを始めるのを待ってくれる人がいます。
話を聞いてくれる人がいます。
話し始めるのを一番待っているのは自分自身だと思います。

 

 

講師プロフィール


生西康典 

生西康典

1968年生まれ。舞台やインスタレーション、映像作品の演出などを手がける。作品がどのようなカタチのものであっても基本にあるのは人とどのように恊働していくか。自分自身を形作っていると信じられている殻がとけた時にはじめて現れる「その人」が見たい。その時「人」はありとあらゆるものと触れあっているだろう。近作は『抱えきれないたくさんの四季のために』(2022、SCOOL)、『棒ダチ 私だけが長生きするように』(2021、Tokyo Real Underground)。主なインスタレーション作品に『おかえりなさい、うた Dusty Voices , Sound of Stars』(2010、東京都写真美術館)。書籍:『芸術の授業 BEHIND CREATIVITY』(中村寛 編、共著、弘文堂)。

 

 

過去のゲスト


首くくり栲象(アクショニスト)、安藤朋子(シアター・カンパニーARICA)、鈴木敦詞(中世思想研究者)、山川冬樹(ホーメイ歌手/アーティスト)、TOJU(画家)、川口隆夫(ダンサー)、山崎広太(振付家/ダンサー)、武藤大祐(ダンス批評家)、ヨシダダイキチ(シタール奏者)、さや(テニスコーツ)、七里圭(映画監督、脚本家)、杉本拓(ギタリスト、作曲家)、飴屋法水(演出家)、高山玲子(アーティスト、俳優)、嘉納礼奈(芸術人類学研究者、キュレーター)

 

 

人と出会い、同じ場所を共有する──講師・生西康典インタビュー


2013年の開講以来、一貫して「全ては集まった人達と出会うことから始め」ることを続けてきた本講座。コロナ禍に見舞われた2020年度は、受講生と電話で対話を行うなど、授業の形も、集まった人やその時々の状況に合わせて変化してきました。さらには、講座を起点としたリレーエッセイやワークショップなど、形を変えて広がりを生んでいます。本稿では、そうした広がりの源流をたどるべく、生西さんにお話しをうかがいました。・・・全文を読む

 

 

修了生座談会


――皆さんが美学校を知ったきっかけと、「実作講座『演劇 似て非なるもの』」(以下、演劇講座)に入った理由を教えていただけますか。

武井 私は生西さんのことを全然知らなかったんですが、山口小夜子さんがすごく好きで、東京都現代美術館で開催していた山口小夜子展に行って生西さんを知りました。その時は「外道のスゝメ」の受講生として美学校に通っていたので、「そういえばこの人(生西さん)美学校にいるじゃん」って気づいて。展覧会に行った日がちょうど授業日だったので、「今から行く」って皆藤さん(スタッフ)に電話しました(笑)。

福澤 私は、美学校で以前講座を持っていた内海信彦先生(2000〜2011年「絵画表現研究室」講師)と知り合いで、美学校の存在は以前から知っていました。大学で演劇をはじめたんですけど、美学校で生西さんの講座が始まったことを美学校のHPか何かで知って。タイトルに惹かれたのと、1期生の公演を見て、いいなあと思ったので受講しました。

中島 私は、美学校の「絵と美と画と術」に通っていた大学(武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科)の同級生の浦川くんを通じて美学校を知りました。私もどこかの講座に入りたいなと思って、募集のたびに講座一覧を見てたんですけど、演劇講座が始まるときに生西さんが書いた文章がすごく面白くて、1期だし、何が始まるか分からないのが魅力的で受講しました。

・・・全文を読む

 

 

講座レポート

曖昧な場所から生まれる「まだ観ぬ演劇」―実作講座「演劇 似て非なるもの」


文=木村奈緒 写真=皆藤将

「演劇」と一口に言っても、下北沢の劇場でやる演劇もあれば、何百人も入る国立の劇場でやる演劇もある。最近では、廃校になった校舎を利用した演劇もあるし、野外劇なるものもある。 そう考えると、演劇はひとつの枠に収まらない自由な表現のように思えるが、一方で、下北沢で観る演劇も、野外で観る演劇も、私たちが知っている「演劇」の二文字にくくられてしまうことも、また確かである。

ただ、何千何万という演劇作品の中には、「これって演劇?」と疑問に思うものがあるはずで、美学校の「実作講座『演劇 似て非なるもの』」は、そんな疑問を喚起する作品を生み出すことを目指しているのかもしれない。なお、あなたが「これって演劇?」と思うと同時に、「こんなのは演劇じゃない」と思ったならば、それは自ら演劇というジャンルの可能性をつぶしてしまっていることになる。なぜなら、演劇の可能性を示してくれるのは、「まだ観ぬ演劇」なのかもしれないのだからー。

「まだ観ぬ演劇」の模索

新薬の発明や、新技術の開発がクローズドな環境で行われるように、「まだ観ぬ演劇」の模索も、講師と受講生の間で密かに行われている。本講座は基本的には、受講生以外の聴講・見学を受け付けていない。
その理由を、講師の生西康典さんは「その場に誰かひとり加わるだけで、場の空気が変わるじゃないですか。集中したいんです。」と話す。
なるほど、「まだ観ぬ演劇」は一朝一夕に出来るものではなく、一年間同じメンツで相対することでしか生まれてこないのかもしれない。・・・続きを読む

 

 

過去の修了公演


撮影:前澤秀登(Hideto Maezawa)、他

 

 

過去のゲスト講義についての詳細


・ワークショップ「歩行について」(非公開)特別講師:安藤朋子(シアターカンパニーARICA)
・番外編連続シリーズ「首くくり栲象に話を聞く」第一夜(詳細
・ゲスト講義「光の形而上学について」(非公開)特別講師:鈴木敦詞(中世思想研究者)
・番外編連続シリーズ「首くくり栲象に話を聞く」第二夜(実演有り)(詳細
・ゲスト講義「声について」特別講師:山川冬樹(ホーメイ歌手/アーティスト)
・合同公開授業(+絵と美と画と術)「画家TOJUさんに聞く」(詳細)(レポート
・共同企画(+絵と美と画と術)踊る人体ヌードデッサン会川口隆夫「SLOW BODY ― 脳は感覚を持たない」vol.24(詳細
・ワークショップ「止まらないダンスクラス美学校・イントロダクション編」特別講師:山崎広太(振付家・ダンサー)(詳細)(レポート
・第四期開講前プレイベント「世界を眺めてみる 西洋以外の舞踊と音楽から」出演:ヨシダダイキチ(シタール奏者)、武藤大祐(ダンス批評家)(詳細)(レポート
・ワークショップ「ほんとうの声で歌う」特別講師:さや(テニスコーツ)(詳細
・座談会(非公開) ゲスト:七里圭
・合同公開授業(+絵と美と画と術)「杉本拓 自作を語る」(含 ワークショップ)(詳細
・ワークショップ『ピーナッツ』特別講師:首くくり栲象(詳細
・特別稽古(非公開) ゲスト:川口隆夫(レポート
・特別稽古(非公開) ゲスト:飴屋法水
・ちいさなこえのよる(非公開)ゲスト:鈴木健太と中島あかね、坂藤加菜、さや、田上碧、タカラマハヤ、うらあやか、桒野有香
・第5期生「公開試演会/講評会」(詳細)(レポート
・実作講座「演劇 似て非なるもの」校外へ 第1回ゲスト:飴屋法水(レポート
・実作講座「演劇 似て非なるもの」校外へ 第2回ゲスト:高山玲子(レポート
・校外へ3 ゲスト:川口隆夫(レポート

 

募集についての過去のテキスト

・第4期(2016年度)開講にあたって(詳細
・第4期(2016年度)10月期追加募集にあたって(詳細
・一年を振り返って〜実作講座「演劇 似て非なるもの」第4期生による手記(詳細

 

 


〈様々な分野〉


モード研究室 濱田謙一 Hamada Kenichi

▷授業日:毎週土曜日 18:30〜21:30
モードを考えるところからスタートし、実際に服を作り上げるまでの授業です。何かを想像し考え、自分の中に入り込み転がり込んで出てゆく瞬間の表現手段が服であったなら、どのような作品が生まれるのかをテーマに授業を進めます。


実作講座「演劇 似て非なるもの」 生西康典

▷授業日:週替わりで月曜日と金曜日 19:00〜22:00(6月から開講)
週替わりで本校とスタジオを交互に開催します。本校では対話を重視し、スタジオではその実践としての稽古を行い、最後に修了作品を制作します。それぞれがどういう作品を作るのかは、1年を通して話したり試したりするなかで、一緒に探していきます。


特殊漫画家-前衛の道〜商業漫画と特殊漫画-そのあいだ〜 根本敬 Nemoto Takashi

▷授業日:隔週火曜日 19:00〜22:00
「特殊漫画家」として、今日まで「何故食べてこられたか」その意識無意識のあいだを受講生の皆さんに語り、時に問いかけ、しばしば即興的に皆さんとラフに漫画を描きながら探っていきたいと思います。


テクニック&ピクニック〜視覚表現における創作と着想のトレーニング〜 伊藤桂司

▷授業日:毎週月曜日 19:00〜22:00
グラフィック、デザイン、イラストレーション、美術などの創作における技術の獲得(テクニック)と楽しさの探求(ピクニック)を目的として、シンプルながら多様なアプローチを試みていきます。


劇のやめ方 篠田千明

▷授業日:隔週火曜日 19:00〜22:00
劇は始めるよりやめるほうが難しい。社会で起きている劇をやめるのはさらにとても難しい。難しいけど、劇をやめ方を考えることはいま必要とされているように思う。ワークショップや、今だから出来る実践を通して、みなさんと一緒に『劇のやめ方』にまつわる思考を捕まえたいです。


意志を強くする時~漫画の作話精神論〜 意志強ナツ子

▷授業日:毎月第三日曜日(年間12回)13:00〜17:00
漫画づくりにおいて、私は作話の工程をもっとも重視しています。「白目をむくほど面白い」物語はどうやったら作れるのか?おそらくそれは、精神論がないと辿り着けない場所にあるんじゃないかと思っています。この講座は、作話理論と同じくらい精神論を大切にしていく漫画の作話講座です。


建築大爆発 岡啓輔+秋山佑太

▷授業日:隔週金曜日 19:00〜22:00
建築家でありながら現場で大工として多くの経験をしてきた岡啓輔と秋山佑太によるハードコアな建築とアートの講座です。建築家志望の人も、職人志望の人も、アーティスト志望の人も、今は建築にもアートにも関わりがない人も、この交差点に感心があれば来てください。


自分を越えた作品を 計画的につくる方法と発表の実践 岸井大輔 岸井大輔

▷授業日:隔週金曜日 13:00〜17:00

この講座では創作法を一緒にいくつか試して、それぞれが思いもしなかった新しい作品作りにトライしてみます。創作法を理解して応用できるようにし、最終的には作品を発表することがこの講座の目標です。


アートに何ができるのか〜次に来る「新しい経済圏」とアーティストの役割を考える 荒谷大輔 荒谷大輔

▷授業日:隔週火曜日 18:30〜21:00
この講座では、まず現在アートがおかれている社会的な状況を振り返って考えながら「アート」と呼ばれるものの本質を明らかにします。参加者が知らないうちに身に着けている価値観の前提を問い直しつつ、それでも直観的にはおそらく各人が捉えているアートの本質を、ディスカッションの中で明らかにしていければと思います。


イベント・プロデュース講座 岸野雄一 Kishino Yuichi

▷授業日:隔週木曜日 19:00〜21:30
ライブやDJイベント、インスタレーションなど様々なイベントを企画・宣伝・制作・開催することを実践しながら、体験としてその方法論や技術を学んでいきます。小規模な企画から始まり、一年かけて、大規模な企画の制作・実践へと進みます。