「実作講座『演劇 似て非なるもの』」修了生座談会


参加者:中島あかね(1期生)、矢作優(1期生)、鈴木健太(2期生)、福澤香織(2期生)、武井メイリー(3期生)、武本拓也(4期生)、冨岡葵(4期生)
進行:木村奈緒(美学校スタッフ)
写真:皆藤 将(美学校スタッフ)
収録:2017年1月24日 美学校にて


1969年の開校以来、美術・版画・写真・音楽・映像など、様々な講座を開催してきた美学校。2013年には、演出家・美術家・映像作家として広範な活動を展開する生西康典さんが講師を務める「実作講座『演劇 似て非なるもの』」が開講しました。既存の「演劇」の価値観にとどまらず、手探りで「まだ観ぬ演劇」を実作していく本講座。「全ては集まった人達と出会うことから」始まる講座には、どんな人たちが集っているのか、修了生と現役生にお話をうかがいました。

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お集まりいただいたみなさん

――まずは、自己紹介をお願いします。

中島 1期生の中島あかねです。今はアルバイトしながら、絵の制作や展示(※1)をしています。

矢作 1期生の矢作優です。今は役者(※2)をやっています。

鈴木 2期生の鈴木健太です。ずっとふらふらしていたんですけど(※3)、最近派遣の仕事を始めました。

福澤 2期生の福澤香織です。今は、まちづくりの仕事をしています。

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写真左から、中島さん、矢作さん、鈴木さん、福澤さん

武井 3期生の武井メイリーです。私は、1週間くらい前まで映画の撮影で沖縄と大阪にいました。あっちこっちふらついているので、旅芸人みたいだねってよく言われます。

冨岡 4期生の冨岡葵です。大学でフランス文学を専攻しています。

武本 4期生の武本拓也です。ウェブデザインの仕事をしながら演劇をやったり、この講座に通ったりしています。

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写真左から、武井さん、冨岡さん、武本さん

――皆さんが美学校を知ったきっかけと、「実作講座『演劇 似て非なるもの』」(以下、演劇講座)に入った理由を教えていただけますか。

武井 私は生西さんのことを全然知らなかったんですが、山口小夜子さんがすごく好きで、東京都現代美術館で開催していた山口小夜子展(※4)に行って生西さんを知りました。その時は「外道のスゝメ」の受講生として美学校に通っていたので、「そういえばこの人(生西さん)美学校にいるじゃん」って気づいて。展覧会に行った日がちょうど授業日だったので、「今から行く」って皆藤さんに電話しました(笑)。

福澤 私は、美学校で以前講座を持っていた内海信彦先生(2000〜2011年「絵画表現研究室」講師)と知り合いで、美学校の存在は以前から知っていました。大学で演劇をはじめたんですけど、美学校で生西さんの講座が始まったことを美学校のHPか何かで知って。タイトルに惹かれたのと、1期生の公演を見て、いいなあと思ったので受講しました。

中島 私は、美学校の「絵と美と画と術」に通っていた大学(武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科)の同級生の浦川くんを通じて美学校を知りました。私もどこかの講座に入りたいなと思って、募集のたびに講座一覧を見てたんですけど、演劇講座が始まるときに生西さんが書いた文章がすごく面白くて、1期だし、何が始まるか分からないのが魅力的で受講しました。

鈴木 渋谷のアップリンクで見た『おかえりなさい、うた』(※5)がすごく良くて、それがきっかけで生西さんを強く意識するようになりました。あとは、講座のテキストを読んで、自分が気になることを言っている人だって感じたのかな。美学校については、僕も浦川と同級生なので彼を通じて知りました。

武本 僕は、たまたま友だちに誘われて3期の修了公演を見に来て講座を知りました。みなさんと同じく、美学校のパンフレットに書いてある生西さんの文章がすごくいいなあと思いまして。僕はもともと演劇をやっていて、面白い演劇というか、面白い団体が中々ないなと思っていたなかで、こういうふうに“よく分からないこと”をちゃんとやろうとしている人がいるんだなと思って、受講してみようと思いました。

冨岡 私は「造形基礎Ⅰ」の受講生として美学校に通っていました。演劇講座で開催された山崎広太(※6)さんのワークショップにお邪魔して生西さんとちょっと話したり、生西さんが書いた『芸術の授業』という本も読んだりして、面白そうな人だなと思って入りました。

矢作 僕は、芝居をやるつもりはまったくなくて、会田誠さんに会うことが目的で美学校に来ました。芸人やりたくて上京したんですけど、一緒にやりたい相方がいなくて一人で悶々としてたときに会田さんを知って惹かれまして。最初は「天才ハイスクール!!!!」(※7)に入るつもりだったんですけど、事務局の皆藤さんにすすめられて演劇講座にしました。あと、演劇は1期生っていう魅力がありました。ダウンタウンもNSC1期生なんですよ。

一同 (笑)。

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――実際には、授業はどんな感じで進んでいくのでしょうか。

中島 最初は、集まったものの「何しようか……」という感じでした。とりあえず自己紹介をしたり、生西さんの今までの舞台作品を見たりして、お互いを知る時間が結構ありました。その後、「じゃあちょっと読んでみますか」という感じで過去の台本を読み合わせる時間があって、「じゃあちょっと書いてみてくれますか」となって、最終的には、それぞれが書いてきたものを組み合わせて公演をしました。常に探りながらやっていたのが面白かったです。

福澤 2期も、あらかじめ「こうやろう」っていうふうには決めてなくて、生西さんの紹介文にもあるように、「全ては集まった人たちと出会うことから始めます」という感じでした。生西さんと私たちの興味があることを話したり、生西さんが山口小夜子さんの展示を頑張っていた年だったこともあって、展示にまつわる実験を授業でやってみたり。週に一度、「なんでもしていいよ」っていう空間が待ってるのは、日々生活しているうえで嬉しかったです。「ちょっと今日は疲れたからぼーっとしてたいな」って言うと、生西さんは「え、そうなの?」と言いながら許してくれる(笑)。演劇以外のそういうところも好きでした。鈴木くんは最初に何をやりたいって言ってたっけ?

鈴木 俳優を一回体験してみたいと思ってたから、最初はとりあえず出演してみたいというようなことは言ったと思う。もともと映画が好きなんですけど、特に、ジョン・カサヴェテスっていう映画監督の俳優についての文章を読むのが好きで、俳優と監督の関係ってすごく面白いなって思ってたんです。カサヴェテスはもともと俳優出身で、その出自だからこそ書ける文章なのかなと思うんですけど。それで、こういうものの考え方というか、捉え方をするには、一度演者になってみたほうがいいんじゃないかと思った。2期の講座では他にはたとえば、公演の場所を探しに、生西さんのツテで防空壕跡に行ってみたりもしましたね。

武井 私は、少し遅れて3期に入ったんですけど、寺山修司さんの弟さんがいたり、能をやっている人がいたりと、メンバーが個性的すぎて(笑)、その人たちの話を聞くのが面白かったです。持ち寄った本で役を割り当てて読んだり、脚本を書いたり、外部の方がワークショップに来てくれたりもしました。生西さんが持ってきてくれた、バリかどこかのシャーマンの音声を聞いたことや、「秋田万歳」を大音量で流して皆でトランス状態になったこととかが何より楽しかったです(笑)。

武本 僕らは、隔週で外部の方にワークショップをしてもらって、その間の週に、夏季公演(『ちかちかのこと』)に向けて鈴木さんに作演をしていただいたのが前期でした。その後は、修了公演に向けて台本を書いてみたり、探り探りやっている感じです。先日は、川口隆夫(※8)さんに来ていただいて一緒に稽古をしました。

冨岡 今は探り探りで、どうなっていくんだろうという感じですが、生西さんとのやり取りは結構しています。講座が始まった当初も、「こういう公演があるよ」とか「こういう展示があるよ」とか毎日のように情報をくださって、それがすごく嬉しかったです。

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――お話にもあったように、外部からゲストの方をお呼びしてワークショップを行うことも多いようですが、他では得難い機会を、みなさんはどう捉えていますか。

武井 ワークショップは言葉にできないくらいすごい体験だったんですけど、私は何の知識もなくぽんと入ったので、ワークショップだけでなく、講座を通してあらゆる扉を開いてもらえました。私が「名探偵コナンの同じ回を700回くらい見てる」って話をしたら、生西さんに「人生無駄にしてるね」って言われたんですけど(笑)、「それよりも、日活ロマンポルノの《マル秘色情めす市場》っていう作品は名作だよ」って教えてくれて、生西さんの、その一言が心に残るんですよね。それで、実際に見てみたら素晴らしくて。生西さんに色んなものを見せてもらえたのが、すごい貴重だったし、何物にも代えがたかったですね。

冨岡 ワークショップだけでなく、絶対に毎週集まる時間がすごく貴重な体験だと感じます。何か書いてきてと言われて、書いて持っていくんですけど、なかなか伝わらないんです。私が持っているイメージを言葉では共有できない。それで、どうやっていこうかって探りあっている時間がすごくおもしろいです。大変だけど、普通はなかなかしないですよね。

武本 「わからない、伝わらない、どうすればいいのかな」っていう時間は、普通はやっちゃいけないことだけど、それをできる授業は特別な経験だと感じました。もちろん、ワークショップもすごく勉強になります。

鈴木 僕も、ワークショップだけが特別というよりは、いつもの時間が特別だと感じました。週に一回、こんなに“どこにも向かわなそうな話”とか、“どこに向かうかが分からない話”をできる場所は、そうないと思います。生西さんがそういう話をすごく聞く人というか、聞くと言っても優しく聞くわけではなくて、言葉の一個一個に対してめちゃくちゃ厳しいんですけど。その言葉が“何を表しているか”とか、“本当にそれを思っているか”が、すごく大事で。そういう時間が得難かったなと思います。もちろん、ワークショップが特別な時間であることも確かで、たとえば川口隆夫さんが、あんなに自然に稽古に参加している感じは、あまりないんだろうなと思います。もちろんそれも、僕が知らないだけで隆夫さんは普段ああいったことをしているかもしれないけど、だとしても、生西さんの接し方やこの場所、この講座のまとっている空気が、ワークショップ自体の雰囲気を別のものにしていうような気がします。

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2016年3月に開催した山崎広太さんのワークショップの様子

――今のお話に関連してうかがいたいのですが、皆さんから見て生西さんはどんな方でしょうか。

中島 最近気がついたんですけど、生西さんって相手の答えをあまり想定したりせずに質問を投げかけている気がします。例えば、何かの感想を聞かれたときに、うまく言えるかどうかは最初から気にしなくていいというか。言葉には慎重にならないといけないんですけど。

鈴木 今の話で言うと、生西さんは、僕たちが質問に答えられなくてもいいと思っている気がして。答えたら答えたで、もしそれがわからなかったなら、「それって何なの?」って聞くだけだから、最初の答えが間違ってても、それはそれでいいみたいな雰囲気はある気がします。あと、生西さんが笑ってごまかしているところって見たことないです。ごまかさないって普段生活しててきっと自然にしているし、それをしないということは相当難しいと思うんだけど。

福澤 生西さんは、建前みたいなのものが本当にないような感じがします。相手と話すときに少しは遠慮が入っちゃうと思うんですけど、生西さんはそういう要素がない。純粋に聞きたいことをストレートに聞いているので自分も素直に話せます。

武井 生西さんには、最初の段階で表のツラをバキバキに割られたなと思っています。私が言ったことに対して「なんでそう思うの?」「なんでなの?」「え?」って聞かれて、「ヤバイヤバイヤバイ」って(笑)。言い方は悪いけど、生西さんは厄介で簡単にいかない。だからこそ、普段上っ面ばっかりで話してる自分にとって、すごく深いところで話せる気がして嬉しかったんです。あと、私の日常を「それ、おかしくないですか」ってすごく面白がってくれたのも嬉しかったですね。だから、生西さんは私にとって、日常にきらめきを与えてくれる人です。言葉にしたらおかしくないですか?大丈夫?(笑)

一同 (笑)。

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――講座では毎年修了公演を行っていますが、それぞれの公演についてお話いただけますか。みなさんなりの「まだ観ぬ演劇」が修了公演ということになりますか。

中島 1 期は、「まだ観ぬ演劇」というのをつくりあげていくというよりも、回を重ねて行く中で実際に手元に出来て来た材料を見てみて、それらで作っていったんじゃないかなと思います。美学校以外の演劇を経験していないので比べられないんですけど、演出にしても「こういう流れでやろう」というよりは、実際に台本を読んでみて、「今の言い方のほうが良かったよ」「そうなんだ。なんでだろう」を繰り返す感じで。舞台美術も「ここに火を灯してみよう」「こう並べてみよう」とか、そういう感じで進んでいったと思います。

鈴木 僕は、1期の修了公演(『名づけられるまえに』)がめちゃくちゃ衝撃でした。ああいう状況は、ちょっと見たことないなっていう気はした。もちろん、演劇をたくさん見ている人からすれば、よくある演出かもしれないし、ここで行われていることがそこまで新しいことだとは正直思わないかもしれないけど、きっと「演劇」っていう言葉には全然こだわっていないんじゃないかと思います。生西さんは、「演劇」っていう言葉をもっと自然な「発表」とかそういうイメージで使ってるんじゃないかなっていう気がしていて。僕もたまに演劇をやりますが、「人が集まって何かを見る」くらいまでしか決められてないと思ってやっています。生西さんが、一見、演劇と関係ないように思える展示や本を薦めてくれるのも、「演劇」っていう言葉にこだわらずに、「演劇」をしようとしていることとつながっているんじゃないかなと思います。

武井 3期の修了公演(『奇行分類学会』)は、研究発表会という形式でやったので、未だにあれが演劇だったのかも全然分からないんですけど、それでいいのかなと思っています。私の実話を元に同期の篠田栞さんに脚本化してもらったんですが、お客さんからは「天井桟敷を見ているようだよ」とも言っていただけました(笑)。

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1期生修了公演『名づけられるまえに』
撮影:前澤秀登

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2期生修了公演『遠くで狼煙があがってる』
撮影:前澤秀登

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3期生修了公演『奇行分類学会』
撮影:皆藤将

――4期の修了公演はこれからですが、目指す形はありますか。

冨岡 今それを探っている状態だと思います。後期は各自書いたものを持ち寄ったりしてるんですけど、それぞれバラバラで向かう先が見えない状態が続いている感じですかね。とにかく、その場にいることが大事だなって思います。

武本 1年間講座でいろいろやったんですけど、それの積み重ねでひとつのイメージを作るというよりは、伝わるかどうかもわからないけど、1年間ああだこうだやってきたものの最終発表になるといいなという感じがします。こういうものを見てきて、こういうワークショップしてきたから、最終的にこういう形にしようと理論立てた感じではないかな。

――公演を作るにあたっては、生西さんはどのような演出をされるのでしょうか。

福澤 私が学生時代に参加していた演劇では、役を演じるために台本を読み込むことが多かったのですが、美学校で作った舞台では、演じることよりも、“いかにその場にいるか”が重要だった気がします。生西さんは、「ここに火が灯ると、この空間がいい感じになる気がする」って直感で演出を加えて、お客さんが「これ何だろう?」って思えるような雰囲気を作っていったというか。演出っていう感じでもないと思うんですけど……。

鈴木 これは、僕の講座の時のそもそもの台本の出来上がりの関係で起きただけかもしれないから、生西さんの演出、ということで話していいことかわからないんですが、演出が決まっていない台本を持ってきて、なんだか分からないけどやってみるかという感じでやってみるんですけど、生西さんから「こう見えたから、ここをこうした方が良くない?」っていうようなことをよく言われました。台本を持ってきたときはイメージしていなかったことが、人が見たことによって手が加わっていくのがすごい印象的で。僕は一般的な演劇を経験していないから、生西さんの講座だからこそっていう観点では話せないけど、いわゆるひとつのイメージに向かうために全体をまとめる演出家っていう形ではなく、その時「こう見えたから、こうしてみる」ということの連続でしたね。

武本 僕はまだ生西さんに演出されたという感じがしないので、他の演出家との比較はできないですが、その場の直感でどんどん作っていく感じが非常にします。ドライブ感があるというか。普通は、演出家って自分のプランに沿って人を集めて演劇を組み立てていくんですけど、演劇講座では最終形が分からないまま皆で進めていくので、そこが違うと思います。

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ある日の授業風景

――受講してみて、ご自身に変化や気付きはありますか。また、演劇講座に興味を持っている方々に何か一言いただけましたら。

武井 私は大いに影響を受けています。もともと琵琶をやっていたので、今後も舞台に立つことはやっていくんだろうと思いますが、舞台に立つにしても、琵琶だけとか、役者だけとか、カテゴリー分けされることに疑問があって、全部融け合うようにできないかと思っていたときに、「「実作講座『演劇 似て非なるもの』」に入って、その疑問が肯定されたというか、自分が思っていた形をやってもいいんだよって言ってもらえた気がします。

鈴木 講座を通して、「本当にこんな人いるんだ」っていう出会いがいっぱいあったんですよ。生西さんがまずそうなんですけど。首くくり栲象さん(※9)とか、講座に入るまで本当に全然知らなかった。そういう人たちにどんどん会えて生きやすくなりました。自分が呼吸しやすい場所がいろいろあるんだなって。変な言い方だけど、美学校がきっかけで好きな場所へ逃げられたっていう感じはしています。こういう汚いビル(美学校)があるのも嬉しいし。

福澤 生西さんの文章がいいなと思ったら、受講してみると楽しい時間が過ごせると思います。うまく説明できませんが、“この場の大事さ”みたいなものをこの講座で感じた気がします。このメンバーがこの場にいることがすごいいいよねという感覚を味わえる講座です。

冨岡 いろんな方がワークショップに来てくださったんですけど、“ただ歩いていること”がすごいと感じるなんて、美学校に来ていなかったら知らなかったと思います。今は“立つこと”に興味があるので、“生活そのもの”について考えながら、美学校以外にもあちこち行って研究しています。講座が気になっている方は、ぜひ来てみればいいんじゃないかなと思います。講座が始まったら特に迷う必要はないというか、出会ったことからすべてが始まるという感じなので。

矢作 僕みたいに皆藤さんに相談してみるのもいいかもしれないです。僕なんか、特に良かったんじゃないですか。何にも知らなかったのに、俳優をやってみようかなと思えたので。だから、必ずしも演劇をやりたい人じゃなくてもいいわけですよね。「演劇」をやりたいって思っている人のほうが、思っていたのと違うと思うかもしれないですから。

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最後は皆さんで集合写真


修了生の活動
王子トライアル参加作品
果てとチーク第二回本公演
グーグス・ダーダ なになにもなになにもない No, nothing nothing nothing
作・演出:升味加耀
2017年5月1〜2日@花まる学習会王子小劇場
※福澤香織さんがご出演されます。

映画『蹄』
監督:木村あさぎ
2017年順次全国上映予定
公式FacebookTwitter
※武井メイリーさんが美術助手として参加されています。


修了公演情報
4期生の修了公演は4月15日(土)、16日(日)に美学校本校にて開催予定。
詳細は後日、美学校HPにてお知らせします。


※1 中島あかねさん
中島さんは、2014年に第11回グラフィック「1_WALL」グランプリを受賞。個展「レジャー」(ガーディアン・ガーデン、銀座、2015年)や、「ごる・ごる」(百年、吉祥寺、2016年)開催の他、宮台真司著『社会という荒野を生きる。』の装画や、「170人のクリエイターと有田の窯元がつくる熊本天草陶石の磁器展」への参加など、幅広く活動中。

※2 矢作優さん
売れない映画監督役をユーモラスに演じ、矢作さんが一躍注目を集めた映画「退屈な日々にさようならを」(今泉力哉監督)は、全国で上映。

※3 鈴木健太さん
本人曰く「ふらふらしていた」していたとのことですが、2016年には坂藤加菜とともに『うみ鳴り』(神保町試聴室)で作・演出・出演、「実作講座『演劇 似て非なるもの』」の第4期夏季公演『ちかちかのこと』で作・演出を手がけた鈴木さん。音楽家・演出家の額田大志が主宰する舞台藝術団体「ヌトミック」の近作「Saturday Balloon」(BankART NYK 1F kawamata hall、2017年)にも出演。

※4 山口小夜子展
2015年に東京都現代美術館で開催された展覧会「山口小夜子 未来を着る人」。70年代初頭より、アジア人初のトップ・モデルとして国内外で活躍した山口小夜子の軌跡を振り返るとともに、宇川直宏、山川冬樹といった表現者による新作インスタレーションによって、山口小夜子の遺伝子を未来へと手渡す展覧会。生西さんは、映像作家の掛川康典さんとのユニットで参加。

※5 『おかえりなさい、うた』
2010年に東京都写真美術館で開催された「第2回恵比寿映像祭」参加作品。生西さんが構成・演出を務める。“音だけの映画”として、13年には渋谷アップリンクで、映画館だからこそ実現可能な「完全暗転」の中、(「薄明かり」の回もあり)アンコール上映された。

※6 山崎広太
振付家、ダンサー。カンパニーKota Yamazaki Fluid hug-hug主宰。ベニントン大学ゲスト講師。2007年にニューヨーク・ダンス・パフォーマンスアワード・ベッシー賞、13年にFoundation for Contemporary Artアワードを受賞。「演劇 似て非なるもの」では、ワークショップ「止まらないダンスクラス美学校・イントロダクション編」を16年3月に実施。レポートはこちら

※7 天才ハイスクール!!!!
2010年から14年に美学校で開講した講座。アーティスト集団Chim↑Pomのリーダー・卯城竜太が講師を務め、多くの若手アーティストを輩出した。

※8 川口隆夫
ダンサー、パフォーマー。学生演劇からパントマイムをベースにした肉体演劇を経て、パフォーマンスへと進む。1990年からATA DANCE、96年より「ダムタイプ」に参加。03年以降はソロを中心に、演劇・ダンス・映像・美術をまたぐライブパフォーマンスを探求。美学校では「演劇 似て非なるもの」と「絵と美と画と術」の共同企画で、「踊る人体ヌードデッサン会 川口隆夫『SLOW BODY ― 脳は感覚を持たない』vol.24」を開催したほか、受講生とともに稽古に参加。受講生による稽古の感想はこちら

※9 首くくり栲象
パフォーマー、アクショニスト。40年ほど「行為」と称する身体表現を行い、その中で「首つり」のアクションを行う。国立にある自宅の庭で「庭劇場」を開催。美学校では、「首くくり栲象に話を聞く 第一夜・第二夜」、ワークショップ『ピーナッツ』を開催。

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