修了生座談会
入校に際して受講生の年齢や学歴を問わない美学校には、さまざまな人が集まります。修了生座談会では、美大に通いながら、会社に通いながら、はたまた会社を辞めて美学校に通っていた人など、さまざまな修了生にお集まりいただき、お話をうかがいました。講座の内容、感想、美学校への思いなど、修了生ならではのリアルなエピソードが満載です。
美学校には、美術を専門的に学んだことがない人も多く集まる一方、美大に通いながら、もしくは美大を卒業してから美学校に通う人たちもいます。今回は、美大出身の修了生に美大と美学校の違いなどについてお話をうかがいました。
美学校には、将来作家を目指す10代〜20代の若者だけでなく、すでに社会人として立派に(?)働きながら美学校に通っている人も多くいます。今回は、美学校に会社勤めをしながら講座を受講していた方々に、仕事と制作の両立などについてお話をうかがいました。
美大生・社会人編に続き、今回は、美学校に入るにあたり、もしくは美学校に入ったことで、それまでの仕事を辞めた(ドロップアウトした)方々にお集まりいただき、美学校で訪れた人生の転機(?)などについてお話を伺いました。
美大生編・社会人・ドロップアウト編に続き、今回は、作曲・打ち込み・レコーディングなど、音楽系の講座を受講していた方々にお集まりいただき、美学校で音楽を学ぼうと思った理由、現在の活動などについてお話を聞きました。
修了生個人の声
■ さつかわゆん 30歳 サービス業(2016年度「映像表現の可能性」受講)
美大を卒業し、ひとりで作品をつくり発表してきましたが、
■ Ebith Piaf 22歳 シャンソン歌手(2016年度「映像表現の可能性」受講)
映像を撮る技術がほしいというよりも、映像を見るということ、
■ 向後眞紀 61歳 (2016年度「超日本画ゼミ」受講)
“やりたい事をやってみれば?”という息子の一言で、
■ よこごしえみ 30歳 デザイナー(2016年度「デザインソングブックス」受講)
講師である大原さんの活動を以前から興味深く拝見していて、
■ 丹治真紀子 51歳 会社員(2016年度「超・日本画ゼミ」受講)
美学校に入った理由は、
■ 匿名 31歳 会社員(2016年度「楽理中等科」受講)
変わった講座が多そうで面白そうな環境だと思い入学しました。
■ サツキ 35歳 会社員(2016年度「レコーディングコース・プレミアム」受講)
バンドをやっていて、自分でレコーディングをやったことがあり、
■ はる 35歳 アルバイト(2016年度「アートのレシピ」受講)
作家活動がしたかったのと、
■ ヨシダヒロシ 28歳 フリーター(2016年度「アートのレシピ」「映像表現の可能性」受講)
美大で油画を専攻し、
■ 匿名 自営(2016年度「楽理中等科」受講)
美学校の楽理中等科に入った理由は、
■ 篠田麻衣 22歳 フリーター(2016年度「アートのレシピ」受講)
アートのレシピでは“アート”の“レシピ”は教えてくれません。つまり受講したからと言ってアートが出来るようになるという訳では断じてありません。この講座に必要なのは「能動的であること」と「毎週通う行動力」、この2つだけです。全ては自分次第です。しかし、一年間素直に向きあえば先生方も全力で応えてくれます。魅力溢れる先生方の元で魅力的な仲間、そして先輩達と切磋琢磨しながらアートと真剣に勝負する一年、それがアートのレシピです。
■ Y.S 46歳 無職(2016年度「写真工房」受講)
ある時、「技術は西村さんから教わることができても、表現は教わることができないんだ」と藤川校長に言われた。写真工房では、フィルムカメラでの撮影、現像について学ぶ。しかし、何をどう撮るかは各人の自由である。作品を作る時に一番大事なことは、誰に教わるものでもなく、自分で温め、磨くしかないのだ。
美学校は、感性と感性がぶつかり合い、スパークする、そんなスリリングな場所である。
■ 國宗 35歳 教員(2016年度「楽理中等科」受講)
独学で勉強し音楽制作をしていましたが、限界を感じ入学しました。特に和製の事を勉強したいと思い菊地さんの講座を受講していますが、深い知識量の前についていくのがやっとです。今後教えてもらった事を反芻しながら自分の身になる様に、わからない事があっても集中して聞いたり、自分なりにかみくだいていこうと思っています。
■ 村上美和(2016年度「楽理中等科」受講)
音楽理論を学ぶことで、ジャズが感覚だけではなく楽しめるようになりたかったので受講しました。菊地成孔さんが楽理を講義してくれるなんて感動と思いました。
受講して、オルタードスケールなどが納得できました。ジャズの曲で、♯や♭がやたらとつくのが疑問でしたので。
■ ちゅうまけいこ(2016年度「楽理中等科」受講)
入った理由は、菊地先生ならではの楽理に興味があったから。最初に美学校に来たときは勝手に想像していたのと違いました(建物や教室の感じですが…)が、講義はとても楽しく受けているので入って良かったと思っています。講義録も毎回とてもありがたく思っております。
■ 田中(仮名) 35歳 会社員(2016年度「楽理中等科」受講)
以前から講義内容に興味があり、仕事休みの日が授業日だったので、一年通して参加出来そうだったので受講しました。覚えるべきことが多くてついていくのはなかなか大変ですが、毎回新たな発見があってとても面白いです。
■ 山本(仮名) 35歳 会社員(2016年度「楽理中等科」受講)
作曲をしてみたく思い、作曲や理論についての勉強を独学でしていくうちに壁にぶち当たり、菊地先生が教えている事もあり受講を決意した。難しくて必死にくらいついているが、楽しい。
■ 匿名希望 会社員(2016年度「楽理中等科」受講)
菊地先生のフジテレビNEXTでの講義を見ても、出版された本を読んでも理解できなかったのが悔しくてこちらに入学しました。
毎回お話が楽しくて何を勉強したのかわからなくなってしまいますが、最近少しづつ何をやっているのか理解できてきたような気がします。これからモードの勉強に入るのも楽しみです。
■ 福家由美子 32歳 会社員(2016年度「造形基礎Ⅰ」受講)
私は造形基礎Ⅰを2年間連続で受講しました。1年目、「絵が好きだから」「昔ほめられたから」程度の理由で美学校に入学したものの、自分のレベルの低さに落ち込んだことが多々ありました。それが悔しくて2年目も受講しました。2年目は「自分が何を作りたいのか」を意識して制作し続けていると、少しだけやりたいことが見えてきたなあと感じています。
自分がアートで何をしたいのかが分からない人なら、何か見つかるきっかけになると思います。
■ 匿名希望(2016年度「作曲演習」受講)
仕事以外での楽しむ時間を作りたかったので受講した。音楽を一対一ではなく、講義形式で勉強したかった。受講してみての感想は、とても充実した時間で楽しい。実際に作った曲を見てもらう時間では、他の受講生の作品講評の時間も大変ためになっている。内容もテキストだけに留まらず、色々な音楽の話が聞けるのも嬉しい。
■ N.S 23歳 会社員(2016年度「レコーディングコース・プレミアム」「楽理中等科」受講)
同じように音楽を学びたいと思っている人達が集まっている。そのため授業だけでなく、授業後にもお酒を飲みながら語り合うことができて、その中に学ぶことも非常にたくさんありました。自分の世界が広がる場所だと感じました。
■ 秋山晋吾(ジョン) 32歳 社会人(2015年度「レコーディングコース・プレミアム」受講)
プロとして活躍されている生成が実践的な技術を教えてくれます。本に書いてないことを教えてくれます。
■ 市原義己 32歳 無職(2015年度「サウンドプロダクション・ゼミ」受講)
昨年から数えて2科目になります。今年4月にあった即興ワークショップにて横川先生にご指導いただいたのをきっかけに今年も受講させていただきました。授業では、スタイルの違う曲やその曲を聴いたレスポンスなどからいろいろ気付きがあって毎回楽しいです。
■ 川上遥か 25歳(2015年度「未来美術専門学校アート科」、「美楽塾」受講)
webで偶然美学校の事を知り、直感的に入校しました。
今まで自分が経験したことのない事、おもしろい事がしたかったからです。この2クラスは美学校の中でもまた更に、とんでもなく面白い事を体感できると思います。知らない事すら知らなかった事をいっぱい感じて、自分の世界を新しく作っていくことが出来る、とても素敵なきっかけになるでしょう。体力は要ると思います。
■ ちゃんはま 22歳 大学生(not美大)(2015年度「造形基礎I」受講)
元々絵を描くのが好きで、高校時代美術部でしたが、大学に入ったとたん絵を描かなくなってしまったので、がっつり絵画や工作ができるところに通おう!と思い受講しました。美学校は、いわゆる美大や美大予備校などで教わるような技術や知識ではなく、物を多様な視点で見られるような知恵や発想力を教えてくれる所だと思います。アートとは何か、美術とは何かを頭で考え込むよりも、美学校で毎週手や脳を動かして体で学ぶことはとても貴重な経験だと思います。
■ 土岐隆宏 27歳 会社員(2015年度「レコーディングコース・プレミアム」受講)
入った理由:今まで独学でしかやってこなかったので一度きちんと勉強したいと思ったため。
感想:実際の現場での話や録音の流れを聞くことができ、自分の録音の方法にも広がりができて技術が上がったように思います。
■ 匿名希望 33歳 グラフィック/WEBデザイナー(2015年度「細密画教場」受講)
元々絵を描くことが好きなのですが、日々の仕事では延々とパソコンを操作しているばかりなので、手で描く、作るという行為からはすっかり離れてしまいました。もう一度手で描いて丁寧に作り上げる喜びを取り戻したいと思い、美学校に細密画の講座があることを知り参加しました。集中力と時間と感覚の集積が結果に繋がってくるのを見ると楽しく、密度の濃さと達成感が感じられます。
■ ももせいづみ 55歳 著述業(2015年度「銅版画工房」受講)
美大に入りたかったのに、ワケあって通えなかったことがずっと心残りで、いつか美術を学びたいと思っていたのですが、調べたらカルチャースクールのような所か美大受験の予備校ばかりで、本当にやりたいことをできる場がなかなかみつかりませんでした。以前仕事で関わりのあった美学校を思い出し、銅版画に通うことにしました。「どこかにありそうな場」では全くない、どこにもないけれど本当にやりたいことができる場なのではないかと思っています。
■ よこごしえみ 29歳 デザイナー(2015年度「デザインソングブックス」受講)
1期生の方々の活動をちらちら見ていて興味があったので、2期生を募集していると知ってすぐに受講を決めました。デザインの仕事をしていますが、会社で制作しているとほとんど無くなってしまった”考える”ことにじっくりと向き合う、とっても贅沢な時間を与えてくれるのがデザインソングブックスです。そしてこの時間をどう活かすか、味付けが自分次第なのもデザインソングブックスなのかなと思います。デザインに関わっていてもそうじゃなくても、ずっと覚えておきたいことで毎週いっぱいです。
■ 渡辺直子 31歳 アルバイト(2015年度「ビジュアル・コミュニケーション・ラボ」受講)
美学校に来るまでは、洋服を作りイベントを行ったり、写真を撮って展示を行ったりしていました。自分で何かを作っていくということに少しつまずいた時に、だれかに頼ってみようと思い、何か良い場所はないかと探していた時に見つけました。
入ってみて思うことは、最初は先生が何を言っているのか、自分の中に入って来なかったけど、ジワリジワリ理解出来てきて、心が軽くなるような感じで、先生に人生相談をしているみたいです。
■ Y.S 45歳 無職(主婦)(2015年度「写真工房」受講)
趣味で写真を撮っていましたが、マニュアル、現像からきちんと学びたいと思い受講しました。
写真工房は少人数なので、一人ひとり丁寧に、各人の要望やレベルに合わせて教えて下さいます。
様々な年齢や経歴の人達と会えて、刺激があるのもこの学校の良さだと思います。 受講するかどうか迷っている方は、一度見学に来てみて下さい。私は渋〜いこの学校にすっかり魅了されてしまいました。
■ マサエ 22歳 販売員(2011年度「絵と美と画と術」修了)
人形や映像を作っています。水炊きというユニットで音楽活動もしています。
週に1度、美学校に来ると、いつも特別な緊張感を味わいました。いつも使わないような頭を使って、その日は家に帰ってもさっきの話はこうだったのかな、と考えます。1週間たつとまたすっかり弛みきった頭で授業を受け、再びバリッとします。美学校の授業では、いつもごまかしている事もすんなり見透かされてしまうようで、恐ろしいな、と思う事が多かったです。週に1回そんな緊張感がありました。これは外から見ていたらなかなか伝わらないのではないでしょうか。とっても贅沢な緊張感で、また、自分自身を見直すきっかけにもなったように思います。
■ 石川愛久美 32歳 会社員(2011年度「ビジュアル・コミュニケーション・ラボ」修了)
美術学校卒業後、舞台美術の仕事に3年間従事。その後渡英し日本語教師を2年間。現在は都内で飲食店を経営する傍ら、大学に通って心理学を学ぶ。
通りすがりの美学校修了生、石川ですこんにちは。私が通っていたビジュアル・コミュニケーション・ラボ(以下VCL)は、3月末に行われる修了展をアチーブポイントに作品を作っていく、とても実践的なクラスです。作品を作る→発表する、というシンプルながらも基本的な課題に、半年かけて取り組みます。カタチにするまでの試行錯誤から、現実的な展覧会運営の経験まで、まるっと包括的に体験出来ちゃう超お得なクラス、それがVCL。担当講師の斎藤美奈子先生のふんわり優しいながらもじわじわ追い込むサディスティックな教え方が癖になること間違いありません。現代美術についての見識を深めつつ、自分と向き合いながら作品を作りつつ、美学校に出入りする世にも稀な方々と交流しつつ、全ての経験が自分の糧となって、アウトプットにつながってゆく、神保町のエアポケット。それがVLC。それが美学校。
■ 岩崎雅 27歳 専門学校生/遺影画廊オーナー(2011年度「アートのレシピ」、「写真工房」修了)
「私は私の専門家である。」私が何かを認識するとき、その認識は何によって担保されているのか。私の制作はそれを探るための試行。私の作品は認識を点火するための装置。
1984年弘前生まれ。2011年美學校入学。2011年遺影画廊設立。
美學校に良い先生は一人も存在しない。だが、あなたは良い先生にここで出会うだろう。
■ 宮嵜浩 29歳(2011年度「アートのレシピ」、「天才ハイスクール!!!!」、「生涯ドローイングセミナー」修了)
いろいろな素材を使って作品を作っています。(作りたいと思っています。)
まず、ささいなこと(一見どうでもいいこと)を採り上げて話したり、気付いたりといったことが多い環境だと思います。作品によっては、当たり前かもですが、周りの人たちの協力が必要だったり、周りの人たちを巻き込んだりする大切さに気付かせてくれる場面があります。そんな人たちとの出会いがあり、自分が触発されたりする環境にいることができて良かったと思います。
■ 佐久間ひかる 23歳 学生(2011年度「映像表現の可能性!!!!」、「アートのレシピ」修了)
自分は大学を卒業して美学校に入りました。現代美術をしています。パフォーマンスとかもします。
自分の本当にやりたかったことが見つかり良かったです。もっと作品を作っていきたくなりました。この学校で学んだことを基本にして、これからは自分しか作れない作品を作っていこうと思います。一年間ありがとうございました。あ、でも学校にはちょくちょく来て、場所などを使わせてもらったり、先生にアドバイスをもらったりしにくるのでよろしくお願いします。
■ 匿名希望 20歳 学生(2011年度「映像表現の可能性!!!!」、「天才ハイスクール!!!!」修了)
“母”をテーマに作品をつくっています。
“表現したいが恥ずかしい”から“恥ずかしいけど表現したい”にさせてくれたのが私にとっての美学校だと思います。胸毛で作品をつくったり、性癖を作品にしてみたり、母親とマザコン的な映像をとってみたり、など短い期間に色々とやりました、恥ずかしい思いをすることはほぼ毎回でしたが、やっていて凄く楽しい、凄く恥ずかしいんだけど物凄く楽しい。芸術というフィルターを通して、自分だけど自分ではない、変なもう一人の自分に出会えたのだと思うと、美学校って素敵な場所と感じざるを得ません。
■ 身二丸(仮名)27歳 会社員(2011年度「アートのレシピ」修了)
もともとは文化人類学やカルチュラルスタディーズを勉強しておりましたが、今は昼は普通に働きながら、ビデオ作品やインスタレーション作品を制作しております。シンプルでいてミニマルな外見をもつ一方、奥行き、深みを感じさせるような作品の制作を意図しております。
アートのレシピは格段に楽しいです。格段に楽しい授業の中で、現代アートを鑑賞、制作する上でさけて通れないテーマを縦横無尽に横断します。授業の内容や方向性についてはその場で即興的に構築、破壊、再構築されので、スリリングでいてライブ感もあります。アートのレシピは作品制作の為の授業であるとともに、授業という作品でもあると思います。受講を迷っている方がいたら、まずは受講することをおすすめします。
■ ヤマグチリョウ 21歳 大学生(2011年度「ビジュアル・コミュニケーション・ラボ」修了)
東京の大学に通うと同時に作品制作を行っています。
僕の所属していたビジュアル・コミュニケーション・ラボでは自分の作品に関する先生との話し合いが授業の中心でした。授業が終わる頃には問題点が見つかり、それについて次週まで悩み、試行錯誤していました。そういった繰り返しで少しずつですが成長していったのだと、振り返ってみてそう思います。気長に僕を見ていてくれた先生には本当に感謝しています。おかげで、美術の土俵に乗る準備が出来ました。ここまで来たら後は自分次第です。
週に一度行われる美学校での授業、そこに一週間の焦点を合わせて過ごした貴重な一年間でした。
■ マダム・アルディ(仮名)51歳 主婦・カルチャースクール水墨画講師(2012年度「超・日本画ゼミ」修了)
水墨画と書を20年位つづけている。子育て中、主婦。
受講理由▶実は美學校のことは知らず、よく調べもしなかったのですが、水墨画を今までやってきて、日本画にも興味があったところ、インターネットで探していて、間島先生の紹介が良さそうに思えたので、まあ、やってみようと思い切って
受講して▶言葉で簡単に言えないくらい面白かったです。現代美術に全く興味も関心もなかった人間だったから余計かもしれません。視野はずいぶん広がったと思います。多くのことを得ました。
■ 鈴木アマゾン(仮名)26歳 サービス業(2012年度「超・日本画ゼミ」修了)
短大でデザインを少しだけ学ぶも飲食やウエディング等サービス業に。ものをつくることや絵を描くことにとりくみたく美学校に入学。
受講理由▶絵を描きたかったので。日本画とは何か、日本とは?をより考えたかったので。
受講して▶描く事よりも考える事、考えさせられる事が多々あり、自分というものをより知る楽しい一年でした。
■ 高橋美佳(仮名)37歳 フリーター(2011年度「造形基礎」、「久住昌之マンガ視聴覚室」修了)
新宿山吹高校中退、大検資格所得、青学(夜学)卒業。その後、とある病気で6〜7年社会的空白の時間を過ごし、その後復活して病院受付で勤務。勤務中に3.11の地震にあい、死が迫るような恐怖を感じてショックで自分の人生を極限まで考える。インターネット、雑誌などをくまなく調べて美学校のサイトにたどり着き、今に至る。漫画と音楽に興味があるが、授業やその他の先生との交流で刺激を受けて興味の範囲が拡大中。
プロフィールにも書いたのですが、私は病気をしていて6〜7年間ずっと社会人も何もしませんでした。6〜7年たち、社会人3年目にして、美学校を見つけた時には、アングラ(サブカルも)という言葉があまり使われなくなっていました。
美学校へ通っていると、思いがけず、やってる事超アングラだろう先生に巡り合って、その先生から「もうアングラはないよ」といわれました。もう無いのか…。好きな人に長年片思いして再会したら相手に既に結婚されてたみたいな衝撃でした。色々観察してみると、アングラの世界にいた先生たちは、時代が変わっても新しい流れを見ていて、そんな宇宙を悠々と泳いでるみたいでした。つえぇ(強ぇ)先生たちの集う学校なんだなと思いました。
■ タマキマサコ 25歳 多摩美術大学院生(2011年度「生涯ドローイングセミナー」修了)
美学校を卒業し、今年の春からタマビで絵画 油分野で制作を続けています。顔をテーマに描き続けて5年のまだまだ若葉な絵描きです。
生涯ドローイングセミナーでの学びは、私にとって宝物です。
ドローイングセミナーの受講の動機はドローイングとは「どんなものか?」と素朴な疑問からでした。未だにドローイングがどんなものかはハッキリと見えていませんが、見えてくるのは名前の通り生涯を通してなのだと思います。私なりのドローイングの解釈ですがデッサンの様な基礎知識作業とは違いモノを広く捉え感じたままに自己表現していけるものだと今の時点では思っています。
私がドローイングクラスで学べた事は、描きたい衝動の自分の中での位置付けが理解出来てきた。絵にするための画面づくりの工夫。展示で人にどう見せるか・どう見せたいかをを意識するようになれた事です。
授業内容は「ひたすら描き続ける」個々が描きたいもの黙々と紙の上にドローしていく!一人作業で有りながら皆で授業作りしている感じで楽しかったです。そして色々な人との出会いで良い刺激を受ける事が出来き美学校の生涯ドローイングセミナーで学べた喜びを感じています。
■ 四宮康平 兼業主夫(2011年度「生涯ドローイングセミナー」修了)
多趣味は無趣味、の人。生花、書、絵画、何でもやりたくなったらやってます。
私が絵を描き、だれかが見る。私は私の文脈で描き、見る人はその人の文脈で見る。描き見せることで他者に何かはたらきかけたいなら、そのことをわきまえる必要がある。「作品」とは、そのための文脈を内側に含むもの、あるいは、そのように見える現象だろう。そんなことを思った。
■ 西山栄美 28歳 無職(2011年度「生涯ドローイングセミナー」修了)
好きな画家 ルネ・マグリット
最近ではアウトサイダーアートが気になっています。
絵を描く主体は自分なので社会に出てからも描き続けるというのは、よほど時間をうまくやりくりしないといけない。描くことはとてもぜいたくな時間で、その環境を作れたのが良かったです。一年を通じて、ドローイングとデッサンの違いなどを考えさせられました。中間発表展や卒業展示など作品を発表する場も与えてくださったので、はげみになったし、描くことに対してやりがいを感じました。
クラスメイトとの出会いも刺激になりました。それぞれ個性的なメンバーで、美術に関心があったりするので、話すとおもしろいし、一緒に展示をやるので、切磋琢磨し合えて楽しかったです。
今までの自分の枠を超えて、これからも自由にドローイングしていきたいと思います。