▷本講座はオンライン開催です。終了後はアーカイブ動画による後追い視聴が行えます。
放送時間:4時間11分
◎お申し込みはこちら:Peatix
毎回テーマに沿ったジャンルをがっつり掘り下げる『ゼロから聴きたい』シリーズ。
今回のテーマは”渋谷系”です。
講師にはポピュラー音楽研究者の加藤 賢氏、音楽プロデューサーの牧村 憲一氏、音楽評論家でTURN編集長の岡村 詩野氏、ネットワーカーのばるぼら氏をお招きし、様々な角度から「渋谷系」に迫ります。
また、聞き手として本校「映画を聴く」講師でありスタディストの岸野 雄一氏も参加いたします。
「渋谷系と耳にはするけど実はよく分からない」という初心者の方や、「改めて体系立てて聴いてみたい」という方、「後追い世代なので、どのような経緯で誕生して広まっていったのか知りたい」という方などなど、90年代に生まれたこの特異な括りの音楽を掘り下げ、解説を行います。
この機会に検証しましょう。
※ゼロから聴きたいシリーズは隔月、奇数月に開催いたします。ご期待ください!!
ゼロから聴きたい渋谷系- 講師:加藤 賢より
「渋谷系」——この掴みどころのない用語をめぐって、現在までに数え切れないほどの言葉が積み重ねられてきました。
コーネリアスに小沢健二、ピチカート・ファイヴ、オリジナル・ラブ、U.F.O.、カヒミ・カリィにラブ・タンバリンズ……そういったアーティストたちを指すジャンル名として使われることもあれば、レコード店をめぐったりファッションに熱中したりZINE (自主制作誌) を作ったりといった「あの頃、あの文化」の総称として語られることもあります。また、同時代においては「渋谷系」という言葉をあえて避けていた、という経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
知的でありながら享楽的、クールな態度の裏側にある音楽への確かな情熱、「ポップである」からこそ宿ったカウンター性。用語の上だけではなく、アーティストたちの音楽実践それ自体もまた、一筋縄ではいかないものでした。シンプルに語ってしまえそうなのに、言葉を尽くすほど本質が手のひらをすり抜けてしまう。豊かであるからこそややこしい、そんな側面もまた「渋谷系」が語られ続ける理由の一つかもしれません。
このたびの講座は、こうした多義的・多面的な「渋谷系」像を厳密に定義しようとするものではなく、この用語を起点に1980年代から現在に至るまでの文化史を問い直すことを狙いとしています。すなわち、それぞれの時代において、この言葉がどのような意味で用いられてきたのか。そう称されたアーティストやファンたちは、どのような文化の中で育まれてきたのか。そして、こうした営みが後の世に何を残したのか。音楽、ファッション、歴史、思想、経済/産業、地理といった観点から、「渋谷系」をいま一度紐解いていきましょう。
講義内容(予定)
・(いわゆる)「渋谷系」略史
・都市としての「渋谷」文化史
・「渋谷系」前史:ポストパンク、ネオGS、モッズ・リバイバル、ネオアコ、アシッド・ジャズ
・1980年代渋谷発ポップカルチャー:テクノ、ニューウェーブ
・セゾン文化と渋谷系
・ファンコミュニティとDIY精神
・「渋谷系」をつくった女性たち
・レコード収集とDJカルチャー
・「渋谷系」の形成:外資系輸入盤販売店の登場
・拡散する「渋谷系」:メディア、オリコン、紅白歌合戦
・「ポスト渋谷系」ミュージシャンたちの変遷と活躍
・「渋谷系」たちの2000年代 「渋谷を歌う渋谷系」の誕生:行政、資本、文化
・印刷物と「渋谷系」
講 師:加藤 賢
牧村 憲一
岡村 詩野
ばるぼら
聞き手:岸野 雄一
放送時間:4時間11分
形 式:オンライン
参加費:一般・・・1,500円
2021年度・美学校在校生・・・500円
申 込:こちらのPeatixのページからお申し込みください。
アーカイブ動画視聴に関して
アーカイブ販売期間:2021年7月20日〜12月31日
視聴期限は2022年1/31までとなりますのでご注意ください。
講師プロフィール
加藤 賢(かとう・けん)
1993年、愛知県生まれ。
ポピュラー音楽研究者。
早稲田大学教育学部教育学科卒業、
牧村 憲一(まきむら・けんいち)
1946年、東京都渋谷区生まれ。
音楽プロデューサー。
シュガー・ベイブ、山下達郎、大貫妙子、竹内まりや、加藤和彦などの制作・宣伝を手掛け、84年に細野晴臣主宰のノン・スタンダード・レーベルに参加。 80年代後半からはポリスターでフリッパーズ・ギターをプロデュース。
レギュラー出演のラジオInterFM897「music is music 」毎週日曜日23時放送中。
慶應義塾大学アート・センター訪問所員。felicity+プロデュサー。
岡村 詩野(おかむら・しの)
音楽評論家、TURN編集長(turntokyo.com)
京都精華大学、昭和音楽大学非常勤講師、FM京都『Imaginary Line』パーソナリティ、音楽ライター講座講師など。
ばるぼら
ネットワーカー、古雑誌蒐集家、周辺文化研究家。
共著に『20世紀エディトリアル・オデッセイ』『日本のZINEについて知ってるととすべて』など。
最近はnoteで更新中。
岸野 雄一(きしの・ゆういち)
音楽家、オーガナイザー、著述家など、多岐に渡る活動を包括する名称としてスタディスト(勉強家)を名乗る。東京藝術大学大学院映像専攻、立教大学現代心理学部、広島市立大学芸術学部にて「映画におけるサウンド・デザイン」の教鞭を執る。音楽レーベル運営として“Out One Disc”を主宰し、OORUTAICHIやGangpol&Mitなど個性豊かなアーティストをプロデュース。オーガナイザーとしてはSparks、Max Tundraなどの海外アーティストを招聘。アーティストとしては、音楽劇『正しい数の数え方』が文化庁第19回メディア芸術祭エンターテインメント部門で大賞を受賞した。近年では、都内コンビニにDJブースを持ち込んだ『レコードコンビニ』や、盆踊りをアップデートするプロジェクトが話題を呼ぶなど、常に革新的な『場』を創造している。
〈配信中のオンライン講座〉
〜ゼロから聴きたい日本のニューウェイブ〜講師:TVOD(コメカ、パンス) ゲスト:岸野 雄一 横川 理彦
▷放送時間:4時間8分
本講座では、ニューウェイブ・ロックの日本における受容と展開を、TVODがクロニクル的に辿り解説します。通史的にさまざまなバンドやレコードを確認していくことで、80年代の日本のニューウェイブ史を大掴みにまとめていきます。初心者にも分かりやすい形で大局的な流れを説明しつつ、要所要所で当時の状況を深掘りします。 ゲストにはスタディスト・岸野雄一さん、音楽家・横川理彦さんをお迎えし、おふたりが当時リアルタイムに体験された状況について、お話を伺います。
うたのしくみ番外地(1):深沢七郎のリズムとテクスト 講師:細馬 宏通 大谷 能生
▷放送時間:2時間17分
古今東西の名曲にぴたり寄り添いながら「歌」が生み出すあれこれに言葉を与えていった名著『うたのしくみ・増補完全版』(ぴあ)。
三月にリリースしてから、このご時世、なかなか出版記念イベント的なものができていなかった細馬宏通さんですが、美学校で現在「歌というフィクション」講義中の大谷能生と、作家でありギタリストでもある「深沢七郎」をテーマに文学←→音楽をあちゃこちゃ行き来しながらトークします!「楢山節考」「東京のプリンスたち」「風流夢譚」など、口に出すのもオモシロイ諸作を「うたのしくみ」的な視点から解説!
〜ゼロから聴きたい映画音楽〜 講師:小室 敬幸 岸野 雄一 ゲスト:長谷川 町蔵 小沼 純一
▷放送時間:3時間45分
「映画の中で鳴っている音楽が気になる」「好きな映画音楽家についてもっと知りたい」という初心者の方や、「映画と音楽の関係ってどうなってるの?」「映画音楽における音楽としての意匠が知りたい」という方など、自立した音楽としての映画音楽を評価する、という視座に立って解説を行います。
〜ゼロから聴きたいフリー・ジャズ〜 講師:細田 成嗣 柳樂 光隆
▷放送時間:4時間06分
「フリー・ジャズとフリー・インプロの違いってよく分からない」という初心者の方や、「フリー・ジャズの構造やルールを知りたい」という方など、入門編としてフリー・ジャズ全盛期の60年代を中心に解説を行います。
〜ゼロから聴きたい渋谷系〜 講師:加藤 賢 牧村 憲一 岡村 詩野 ばるぼら 聞き手:岸野 雄一
▷放送時間:4時間11分
「渋谷系と耳にはするけど実はよく分からない」という初心者の方や、「改めて体系立てて聴いてみたい」という方、「後追い世代なので、どのような経緯で誕生して広まっていったのか知りたい」という方などなど、90年代に生まれたこの特異な括りの音楽を掘り下げ、解説を行います。
〜ゼロから聴きたいヒップホップ〜 講師:大和田 俊之 ゲスト:長谷川 町蔵 、渡辺 志保 、荘子it
▷放送時間:4時間12分
「基本的に音楽ファンなのだが、ヒップホップが出てきた時に乗り切れずに、新譜を買う習慣が途切れてしまった」という初心者の方や、「トラップ以降のヒップホップがよく分からない…」という方、あるいは「生まれた時にはすでにヒップホップがあったので、どのような経緯で誕生して広まっていったのか知りたい」といった方などなど、知識レベルは問いません。 この機会に改めて勉強しましょう。