【アーカイブ販売期間:2021年11月23日〜2022年5月31日】オープン講座「基礎教養シリーズ〜ゼロから聴きたい日本のニューウェイブ〜」講師:TVOD(コメカ、パンス) ゲスト・スピーカー:岸野 雄一 横川 理彦



▷本講座はオンライン開催です。終了後はアーカイブ動画による後追い視聴が行えます。
放送時間:4時間8分
TVODによる1万字の詳細なレジュメ付き

◎お申し込みはこちら:Peatix


毎回テーマに沿ったジャンルをがっつり掘り下げる『ゼロから聴きたい』シリーズ。
今回のテーマは”日本のニューウェイブ”です。

この講座では、『ポスト・サブカル 焼け跡派』の著者であるコメカとパンスによるテキストユニットTVODが、「日本のニューウェイブ」と呼ばれ得る領域の概観・大まかな流れを解説していきます。
また、ゲストには本校「映画を聴く」講師でありスタディストの岸野 雄一氏。同じく本校「サウンドプロダクション・ゼミ」講師であり、作編曲、演奏家の横川 理彦氏を時代の証言者としてお招きいたします。

80年代の音楽文化が気になる」「後追い世代なので当時の空気感をもっと知りたい」などなど、かつてあった可能性の中心として”日本のニューウェイブ”を検証します。

※ゼロから聴きたいシリーズは隔月、奇数月に開催いたします。ご期待ください!!

ゼロから聴きたい日本のニューウェイブ- 講師:TVOD(コメカ)より


1970年代の終わり、サマー・オブ・ラブから10年を数え、すっかり巨大産業化してしまったロック・ミュージックに対するカウンターとして、パンク・ムーブメントが巻き起こりました。シンプルなスリー・コードや直線的なリズムによってパンクがロック・シーンを原点回帰させた後、「パンク以降」の新しいロックが各国から登場し、それらは総称としてニューウェイブ・ロックと呼ばれることになります。パンク的な精神、すなわちDo It Yourself的な自発性やアマチュアリズム、過去のロック史を意識的に否定・更新しようとする革新主義をもって、ポップ・ミュージックにおけるさまざまな実験を試みたのがニューウェーブだった、と言えるでしょう。シンセサイザーなどのエレクトロニクスの導入や、スカやファンク、アフロビート等のリズム探求、ダブのような音響工作やミニマルミュージック、ノイズ等の非ロック的な文法への挑戦などなど、ロック・ミュージックというカテゴリーの幅を大きく広げるようなユニークなサウンドが、数えきれないぐらい沢山のバンドたちによって模索されました。

ロンドン、ニューヨークを中心に勃興したニューウェイブは、当時の日本のリスナーやミュージシャンにも大きな衝撃を与えることになります。その影響でバンドや音楽制作を開始した者、既にミュージシャンとしてキャリアを重ねていたものの、スタイルをガラッと変更した者など、様々な形で自らニューウェイブ・ロックを演奏しようとする人々が登場しました。YMOを中心としたテクノ・ポップのブームはメジャー・シーンをも席巻しましたし、自主制作盤=インディーズ・レコードの制作や流通・販売も少しずつ盛んになるなど、オーバーグラウンドとアンダーグラウンドの両面にニューウェイブはその爪痕を残しています。BOØWYやレベッカのような当時のビッグ・バンドもニューウェイブとの関係抜きには語れませんし、フリッパーズ・ギターや電気グルーヴなど、90年代以降にサブカルチャー・シーンを支えることになったバンドたちも、ニューウェイブがその音楽的原体験です。

今回の講座では、このニューウェイブ・ロックの日本における受容と展開を、TVODがクロニクル的に辿り解説します。通史的にさまざまなバンドやレコードを確認していくことで、80年代の日本のニューウェイブ史を大掴みにまとめていきます。初心者にも分かりやすい形で大局的な流れを説明しつつ、要所要所で当時の状況を深掘りする予定です。
ゲストにはスタディスト・岸野雄一さん、音楽家・横川理彦さんをお迎えし、おふたりが当時リアルタイムに体験された状況について、お話を伺います。

ニューウェイブを知ることで、それ以前・以降のポップ・ミュージックをも更に楽しく聴くことができるようになるはずです。
ぜひ、お気軽にご参加ください。

 

講義内容(予定)


Ⅰ【1978,1979,1980】
 ●日本におけるパンクの輸入・受容~東京ロッカーズ
●テクノポップブームとはなんだったのか
●80年前後のアンダーグラウンドシーンの状況
●吉祥寺マイナーとピナコテカレコード

Ⅱ【1981,1982,1983】
●ニューウェイブの商業的定着、「80年代宝島」的磁場の形成
●ポスト・テクノポップとテクノ歌謡
●自主制作盤の制作と流通
●『天国注射の夜』~『天国注射の昼』

Ⅲ【1984,1985,1986,1987】
●インディーズブームの発生、資本の介入
●マイナー領域で持続したテクノポップ
●ノイズ、オルタナティブ、ジャンク
●ニューウェイブの退潮と、90年代への助走


講 師:TVOD(コメカ・パンス)

ゲスト:岸野 雄一
    横川 理彦

販売期間:2021年11月23日〜2022年5月31日

放送時間:4時間8分

形 式:オンライン

参加費:一般・リアルタイム受講・・・1,000円
    2021年度・美学校在校生・リアルタイム受講・・・500円
    
    一般・アーカイブ受講・・・1,500円
    2021年度・美学校在校生・アーカイブ受講・・・1,000円
    

申 込:こちらのPeatixのページからお申し込みください。

リアルタイム受講にアーカイブ動画は付与されません。
また、アーカイブ動画ではプレイバックされた音楽部分はカットや映像の差し替えを行っております、予めご了承ください。動画概要欄にレジュメのリンクをご用意しております。そちらからプレイバックされた楽曲は検索可能です。

 

アーカイブ動画視聴に関して


視聴期限は2022年6月30日までとなりますのでご注意ください。

講師プロフィール


TVOD

メカ(早春書店店主)パンスによる批評ユニット。
初の書籍『ポスト・サブカル 焼け跡派』(百万年書房)2020年1月31日より全国発売。
TVOD、高岡洋詞、姫乃たまの4人によるポッドキャスト「TVODの焼け跡ラジオ」、Spotify、Apple Podcastsなどで配信中。
11/24 より新刊『政治家失言クロニクル』が発売。


岸野 雄一(きしの・ゆういち)

音楽家、オーガナイザー、著述家など、多岐に渡る活動を包括する名称としてスタディスト(勉強家)を名乗る。
東京藝術大学大学院映像専攻、立教大学現代心理学部、広島市立大学芸術学部にて「映画におけるサウンド・デザイン」の教鞭を執る。音楽レーベル運営として“Out One Disc”を主宰し、OORUTAICHIやGangpol&Mitなど個性豊かなアーティストをプロデュース。オーガナイザーとしてはSparks、Max Tundraなどの海外アーティストを招聘。アーティストとしては、音楽劇『正しい数の数え方』が文化庁第19回メディア芸術祭エンターテインメント部門で大賞を受賞した。近年では、都内コンビニにDJブースを持ち込んだ『レコードコンビニ』や、盆踊りをアップデートするプロジェクトが話題を呼ぶなど、常に革新的な『場』を創造している。


横川理彦

横川 理彦(よこがわ・ただひこ)

作編曲、演奏家。
80年に京都大学文学部哲学科を卒業後、本格的な演奏活動に入る。4-D、P-Model、After Dinner、Metrofarce、Meatopia等に参加。電子楽器と各種生楽器を併用する独自のスタイルに至る。海外でのコンサート・プロジェクトも多数。現在は、即興を中心としたライブ活動などのほか、演劇・ダンスのための音楽制作など多方面で活動中。また、コンピュータと音楽に関する執筆、ワークショップなども多い。ヨーロッパ、アフリカ、アラブ、日本と、世界中の音楽のDNAを徹底的に研究し、自身の作品に貪欲に取り入れる。昨年Whereabouts Recordsよりリリースした最新プロジェクト『RedRails』では、自身のヴァイオリンとエレクトロニクスに、フランス人トラッドミュージシャンとの即興を取り入れ、繊細な電子音響を構築した。


〈配信中のオンライン講座〉


〜ゼロから聴きたい日本のニューウェイブ〜講師:TVOD(コメカ、パンス) ゲスト:岸野 雄一 横川 理彦

▷放送時間:4時間8分
本講座では、ニューウェイブ・ロックの日本における受容と展開を、TVODがクロニクル的に辿り解説します。通史的にさまざまなバンドやレコードを確認していくことで、80年代の日本のニューウェイブ史を大掴みにまとめていきます。初心者にも分かりやすい形で大局的な流れを説明しつつ、要所要所で当時の状況を深掘りします。 ゲストにはスタディスト・岸野雄一さん、音楽家・横川理彦さんをお迎えし、おふたりが当時リアルタイムに体験された状況について、お話を伺います。


〜ゼロから聴きたいプログレッシヴ・ロック〜 講師:松山 晋也 ゲスト:岸野 雄一 横川 理彦 yuichi NAGAO

▷放送時間:3時間46分
曲名リストや「日本(のオタクカルチャー)におけるプログレ の影響」レジュメ付き。
この講座では、『プログレのパースペクティヴ』の著者である音楽評論家の松山 晋也が、誕生から50年を超えた「プログレッシヴ・ロック」と呼ばれ得る領域の概観・大まかな流れを解説していきます。


〜ゼロから知りたいレコードの聴き方・明治 大正 昭和初期編〜 講師:毛利 眞人・山田 参助・細馬 宏通・岸野 雄一

▷放送時間:2時間49分
アーカイブの重要性を提唱している音楽評論家・音楽史家の毛利 眞人がSPレコードという記録物からどのように情報を引き出すか?リスニングと鑑賞を経てどのように批評するか?どのように収集、保存、体系化し、どのように後世に伝えていくかを考えます。
レコードというメディアを軸に歴史を読み解き、過去を辿る事で未来へ繋げていきましょう。


映画音楽の現在形 2001-2021 講師:菊地成孔、入江陽、荘子it、岸野雄一

▷放送時間:第一部:2時間23分 第二部:1時間46分
20世紀の大衆芸術の花形ともいえる映画。21世紀も四半世紀に近づくこれから、その表現がどのように進化していくのか?
映画における『音楽』という切り口から考えていくトークイベントです。映画と音楽に造詣の深い4名の出演者を迎え、2001年から現在までの20年の間に生まれた新しい(=未だ古典になっていない)映画音楽について語っていきます。