【アーカイブ配信は11/30日まで】オープン講座「基礎教養シリーズ〜ゼロから聴きたいフランク・ザッパ〜」講師:須川 宗純 ゲスト・スピーカー:石原 剛一郎 今井 研二 竹内 理恵 聞き手:岸野 雄一



▷本講座はオンライン開催です。終了後はアーカイブ動画による後追い視聴が行えます。

放送時間:4時間20分
講座内でご紹介した楽曲を検索出来るリストをご用意!(動画概要欄)

お申し込みはこちら


毎回テーマに沿ったジャンルをがっつり掘り下げる『ゼロから聴きたい』シリーズ。
今回のテーマは”フランク・ザッパ ”です。

この講座では、書籍「フランク・ザッパ」の訳者である須川宗純が、ロック史上最大の異端ミュージシャンであるフランク・ザッパを多角的かつ網羅的に解説し、その魅力や本質に迫ります。
ゲストには90年代にザッパに関する単行本の編集、ならびにCDリリースのプロモツール制作を担当された石原剛一郎さん、ミュージシャンの今井研二さん、竹内理恵さんをお迎えします。また、聞き手として本校「映画を聴く」講師でありスタディストの岸野雄一さんをお招きいたします。

「作品が多すぎて何から聴けば良いのか分からない」「雑多なイメージがあるけど聴きどころを知りたい」「何がすごいのか知りたい」などなど、初心者にも分かりやすい入門編として”フランク・ザッパ”を紹介いたします。

※ゼロから聴きたいシリーズは隔月、奇数月に開催いたします。ご期待ください!!

ゼロから聴きたいフランク・ザッパ- 講師:須川宗純より


バリー・マイルズ『フランク・ザッパ』刊行、アレックス・ウィンター監督『ZAPPA』公開と、にわかにフランク・ザッパの名前を耳にすることが増えてきました。前者の翻訳、後者の字幕監修に携わった身からすると光栄というほかありませんが、今回の盛り上がりをきっかけに「名前だけは聞いたことがあるけれど……」という方がザッパを発見してくださっているようで、これはうれしい驚きです。

 1940年生まれのフランク・ザッパは、作曲家、ギタリスト、バンドリーダーといったさまざまな顔をもち、60年代から高水準の作品を作り続け、93年に亡くなりました。しかし、没後30年近く経ってもその真価が明らかになったとはとても言えません。またドゥーワップからクラシックまで、あらゆるジャンルの音楽に興味をもち、自分の創作に取り入れ続けてきたものの、ザッパの立ち位置はいつもいっぷう変わっていて、今見てもロックの歴史の中でポツンと孤立しているように見えます。

 一方で、ザッパは社会批評家としての顔ももっています。「フリーク・アウト!」を標榜しつつ、ヒッピーに対しては冷笑的なスタンスをとり、いろいろな人を侮辱するような歌を作っては物議を醸し、80年代にはPMRCと検閲をめぐって大論争を起こし、コンサート会場には選挙人登録ブースを作り、晩年にはチェコスロヴァキアの文化特使に任命されます。ザッパの政治的スタンスは「ウィー・アー・ザ・ワールド」や慈善コンサート文化とは無縁でしたが、独自の鋭さをもっています。

 天才、奇才、変人といった肩書きがついて回るフランク・ザッパ。彼は何をめざしていたのでしょうか? あるいは何を見すえていたのでしょうか? 現在の盛り上がりを見るにつけ、それをふつうに見直す環境が整うまでに(日本では)30年近くという時間が必要だったのかもしれないと思わされます。

 今回、美学校からお声がけをいただいたこともあり、「ゼロから聴きたいフランク・ザッパ」を開いて、簡単なレクチャーを行うことになりました。前半ではザッパの歩みを年代順に追い、後半では「いま考えるザッパの聴きどころ」というかたちでお話を進めていきます。

 

講義内容(予定)


1.フランク・ザッパの歩み

①40~50年代

②60年代(マザーズ・オブ・インヴェンション)

③70年代(マザーズ~ソロ)

④80~90年代(ソロ)

⑤その後に与えた影響、日本での受容

2.いま考えるフランク・ザッパの聴きどころ・見どころ

・曲作りのコンセプト、テクニック

・音楽的引用の分析

・ザッパの歌詞は侮辱的か?

・ザッパの歌詞は難解か?

・ザッパの映像作品を観る

・政治的な信条

・ザッパのモラルを現在の目から検証する


講 師:須川宗純

ゲスト:石原 剛一郎
    今井 研二
    竹内 理恵

聞き手:岸野 雄一
    
放送時間:4時間20分

参加費:一般・アーカイブ受講券・・・1,500円
    2022年度・美学校在校生・アーカイブ受講券・・・1,000円

申 込:こちらのPeatixページからお申し込みください。

アーカイブ動画ではプレイバックされた音楽部分はカットや映像の差し替えを行います。予めご了承ください。

 

アーカイブ動画視聴に関して


アーカイブお申し込み期間:2022年5月31日〜2022年11月30日

視聴期限は2022年12月31日までとなりますのでご注意ください。

講師プロフィール


須川 宗純(すがわ・そうじゅん)

1962年生まれ、編集者・自由研究家。
香港歌謡史、インド映画音楽史、アメリカンコミックス史、村上春樹研究、散歩などを対象とする。
編集を担当した本・雑誌特集に以下のようなものがある。 『ユリイカ』1994年5月号「特集=フランク・ザッパ」(青土社)、フランク・ザッパ、ピーター・オチオグロッソ『フランク・ザッパ自伝』、菊地成孔+大谷能生『憂鬱と官能を教えた学校』、マイク・バーンズ『キャプテン・ビーフハート』(以上河出書房新社)、大友良英『MUSICS』(岩波書店)、『STUDIO VOICE』2001年12月号「特集=オノ・ヨーコ」、2007年8月号「特集=政治を考える!」(以上INFAS)、大里俊晴『マイナー音楽のために』、『間章著作集』全3巻(以上月曜社)、『初期アメリカ新聞コミック傑作選1903-1944』(創元社)


石原 剛一郎(いしはら・ごういちろう)

株式会社工作舎・編集部チーフ・ディレクター。
自社単行本ならびに企業・団体関連制作物の編集ディレクション、クリエイティヴ・ディレクションに携わる。編集を担当した主な本には以下がある。
デレク・ベイリー『インプロヴィゼーション』(共編、1981)、大山甲日『大ザッパ論』(1998)、同『大ザッパ論2』(2001)、「ザ・ワイアー」編『めかくしジュークボックス』(2000)、デヴィッド・シェンク他『スケルトン・キー:グレイトフル・デッド辞典』(2004)、ベン・ワトソン『デレク・ベイリー:インプロヴィゼーションの物語』(2014)、四方田犬彦『女王の肖像』(2019)、佐々木敦『批評王』(2020)、竹内正実『テルミンとわたし』(2022)。
またビデオアーツ・ミュージックからリリースされたフランク・ザッパ日本盤CDのプロモ・ツール制作(1994~1995)、サウンドカフェ・ズミ(吉祥寺)で連続開催(2014)された「デレク・ベイリーを聴く会」の共同主宰にもかかわった。


今井 研二(いまい・けんじ)

幼少期よりフルート、リコーダーに親しむ。
Frank Zappaの息子Dweezil Zappa率いる【Zappa Plays Zappa】が2010年にフジロックフェスティバルで行ったライブにて、リコーダーによる飛び入り演奏を果たした。
また、自身が率いるFrank Zappaトリビュートバンド【東京ザッパラス】はライヴ毎に好評を博し、これまでに岩下食品株式会社社長の岩下和了氏や、鍵盤奏者の武田理沙氏などと共演。近年は名古屋の伝説的バンド【なぞなぞ商会】紫狂乱氏との共演を多く果たし、過去と現在のZappaトリビュートバンドを繋いでいる。

 


竹内 理恵(たけうち・りえ)

東京都出身。東京藝術大学音楽学部器楽科卒業。
クラシックで培った技術を基盤に、様々なジャンル・形態の表現活動に携わる。
Singapore Woodwind Festival2014 Competition サクソフォーン部門第1位。第12回日本サクソフォーン協会新人演奏会に出演。2015年度文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門大賞受賞作品「正しい数の数え方」、第68回さっぽろ雪まつり×札幌国際芸術祭2017「トット商店街」、トラベルムジカ2019プロジェクト ケルンアハトブリュッケン公演に参加。他、マルチリード奏者として舞台音楽・ミュージカルオーケストラ・映画劇伴レコーディング等への参加、アーティストのレコーディング・ホーンアレンジ・ライブサポート、ミュージカル「I DO!I DO!(2014年、2018年上演)」、舞台「いまを生きる(2018年、2021年上演)」において俳優への楽器指導を務めるなど多岐に渡り活動している。Tuba奏者 Gideon Jukes氏とのデュオプロジェクト「MUSIC for ISOLATION」、Cello奏者 四家卯大氏との完全人力ミニマル・デュオ「minimalengine ミニマルエンジン」、「PANTA & 黒い鷲」、「Palastleben」他、多ジャンルに渡るユニットのメンバーとして活動中。

岸野 雄一(きしの・ゆういち)

音楽家、オーガナイザー、著述家など、多岐に渡る活動を包括する名称としてスタディスト(勉強家)を名乗る。
東京藝術大学大学院映像専攻、立教大学現代心理学部、広島市立大学芸術学部にて「映画におけるサウンド・デザイン」の教鞭を執る。音楽レーベル運営として“Out One Disc”を主宰し、OORUTAICHIやGangpol&Mitなど個性豊かなアーティストをプロデュース。オーガナイザーとしてはSparks、Max Tundraなどの海外アーティストを招聘。アーティストとしては、音楽劇『正しい数の数え方』が文化庁第19回メディア芸術祭エンターテインメント部門で大賞を受賞した。近年では、都内コンビニにDJブースを持ち込んだ『レコードコンビニ』や、盆踊りをアップデートするプロジェクトが話題を呼ぶなど、常に革新的な『場』を創造している。


〈配信中のオンライン講座〉


〜ゼロから聴きたいフランク・ザッパ〜講師:須川 宗純 ゲスト:石原 剛一郎 今井 研二 竹内 理恵 岸野 雄一

▷放送時間:4時間20分
※検索用楽曲リスト付き。
天才、奇才、変人といった肩書きがついて回るフランク・ザッパ。彼は何をめざしていたのでしょうか? あるいは何を見すえていたのでしょうか? 現在の盛り上がりを見るにつけ、それをふつうに見直す環境が整うまでに(日本では)30年近くという時間が必要だったのかもしれないと思わされます。前半ではザッパの歩みを年代順に追い、後半では「いま考えるザッパの聴きどころ」というかたちでお話を進めていきます。


増補改訂版〜ゼロから聴きたいシティポップ 〜講師:柴崎 祐二 ・長谷川 陽平・モーリッツ・ソメ・加藤 賢・岸野 雄一

▷放送時間:4時間23分
※柴崎さんによる楽曲リスト付き、前回のシティポップ講座も概要欄からご視聴いただけます。
厳密なジャンル用語としてでなく、ある特定の「ムード」として把握されがちな<シティポップ>というのは、改めていったいどんな音楽(文化)なのか。それはどこからやってきたのか。どのように発展/拡散をとげ、現在のような状況を準備するに至ったのか。そして、これからどこへ向かうのか。 一口に「主に80年代の日本で作り出された都会的ポップミュージック」と理解するだけでは足りないこのシティポップ(文化)を、音楽的な面、歴史/社会的な面、業界構造や受容意識の変遷から眺め直し、より深く鑑賞/理解するための道筋を探ります。


〜ゼロから聴きたいプログレッシヴ・ロック〜 講師:松山 晋也 ゲスト:岸野 雄一 横川 理彦 yuichi NAGAO

▷放送時間:3時間46分
曲名リストや「日本(のオタクカルチャー)におけるプログレ の影響」レジュメ付き。
この講座では、『プログレのパースペクティヴ』の著者である音楽評論家の松山 晋也が、誕生から50年を超えた「プログレッシヴ・ロック」と呼ばれ得る領域の概観・大まかな流れを解説していきます。


〜ゼロから知りたいレコードの聴き方・明治 大正 昭和初期編〜 講師:毛利 眞人・山田 参助・細馬 宏通・岸野 雄一

▷放送時間:2時間49分
アーカイブの重要性を提唱している音楽評論家・音楽史家の毛利 眞人がSPレコードという記録物からどのように情報を引き出すか?リスニングと鑑賞を経てどのように批評するか?どのように収集、保存、体系化し、どのように後世に伝えていくかを考えます。
レコードというメディアを軸に歴史を読み解き、過去を辿る事で未来へ繋げていきましょう。


映画音楽の現在形 2001-2021 講師:菊地成孔、入江陽、荘子it、岸野雄一

▷放送時間:第一部:2時間23分 第二部:1時間46分
20世紀の大衆芸術の花形ともいえる映画。21世紀も四半世紀に近づくこれから、その表現がどのように進化していくのか?
映画における『音楽』という切り口から考えていくトークイベントです。映画と音楽に造詣の深い4名の出演者を迎え、2001年から現在までの20年の間に生まれた新しい(=未だ古典になっていない)映画音楽について語っていきます。