▷対面+オンラインでの開催になります。終了後はアーカイブ動画による後追い視聴が行えます。
講義の「ビートから見る日本語ラップ小史」に関しまして、講師の吉田雅史による補足動画をご用意いたしました。 本動画の概要欄にリンクを記載しておりますのでぜひご覧ください。
放送時間:
3時間57分+補足動画2時間10分
◎お申し込みはこちら:Peatix
毎回テーマに沿ったジャンルをがっつり掘り下げる『ゼロから聴きたい』シリーズ。
今回のテーマは”日本のヒップホップ ”です。
この講座では、批評家/ビートメイカー/MCである吉田雅史が、日本のヒップホップを多角的かつ網羅的に解説し、その魅力や本質に迫ります。
ゲストには書籍「日本語ラップ名盤100」が好評の批評家/ライターの韻踏み夫氏。トラックメイカー/ラッパーの荘子it氏をお迎えします。
「日本語ラップのなにがカッコいいのか」「日本語ラップのどこを評価するのか」など、初心者にも分かりやすい入門編として”日本のヒップホップ”を紹介いたします。
※ゼロから聴きたいシリーズは隔月、奇数月に開催いたします。ご期待ください!!
ゼロから聴きたい日本のヒップホップ – 講師:吉田雅史より
2010年代終盤に囁かれた「日本語ラップブーム」を通過し、日本語ラップはかつてなかったほど豊かなフェーズへ突入しているように見えます。
そしてその豊かさはもちろん、1980年代からの30年以上にわたる日本語ラップの歴史と作品群によってもたらされたものです。
しかし一方で、ラップという表現方法があまりにも一般的になったために、日本語ラップの世界はあまりにも多様で、外からみれば、つかみどころのない広大な世界が広がっているように見えるかもしれません。
日本語ラップの世界に導かれる導線は、フリースタイルバトルのみならず、アイドルやお笑い、アニメなど様々な世界に張り巡らされています。
日本語ラップを楽しむ軸も実に多様です。ラップが好き、ビートが好き、ラッパーのキャラが好き、ファッションが好き、ラップのメッセージ性が好き、リリックがリアルなところが好き・・・
そこで本講座では「日本語ラップのなにがカッコいいのか」「日本語ラップのどこを評価するのか」という点について、考えてみたいと思います。
大きな見取り図はこうです。
まず誰もが認める日本語ラップクラシック作品群がある。この30年間の道のりは決して平坦なものではありませんでした。それは「日本語でラップするなんてダサい」「日本語はラップに向いていない」という大勢の見方を、革命的なラッパーや作品たちが、次々とひっくり返していく道のりでした。それらの作品群と道のりを、現在話題沸騰の『日本語ラップ名盤100』をリリースしたばかりの韻踏み夫と一緒に振り返ります。
ではこのような日本語ラップクラシック群はなぜにクラシックと呼ばれるのでしょうか。楽曲は大きくふたつの要素に分割できます。ラップとビート。クラシックと呼ばれる楽曲はこのふたつのいわば弁証法によって生まれたものです。
一方のラップをさらに分割してみれば、その魅力はリリック、ライム、フロウやデリバリーといった要素に分解できます。そこでいまや飛ぶ鳥を落とす勢いで活動の範囲を広げるDos Monos率いる荘子itが、自らの楽曲におけるラップの分析を通して、それぞれのクリティカルポイントに迫ります。
他方のビートについてはどうでしょう。韻踏み夫が示した日本語ラップの歴史の裏側には、ビート/ビートメイカーの視点で読み解く別の歴史観が存在します。ここでは実作者としても活動する吉田雅史がその歴史観である『日本語ラップ名盤100 〜ビートメイカー編〜』を示すとともに、ビートのモードの変遷や、どのような仕組みでビートがラップとの相乗効果を生むのかを分析します。
「日本語ラップ批評ナイト」のスピンアウトの側面も持つ本講座は、日本語ラップ入門として開かれつつ、また日本語ラップヘッズたちにも楽しんで頂けるセッションとなること請け合いです。是非現場で、あるいは配信で三人の熱量溢れる議論をお楽しみください。
講義内容(予定)
1. イントロ ドープな曲とは一体なにか?
–ラップとビートの弁証法–
by 吉田雅史
2.『日本語ラップ名盤100』から見る日本語ラップ小史
–4つのフェーズで読み解く–
by 韻踏み夫
3.実作者から見るラップのクリティカルポイント
–リリック x ライム x フロウの掛け算–
by 荘子it
4.ビートから見る日本語ラップ小史
–ビートを制する者はラップを制す–
by 吉田雅史
詳細
講師:
吉田雅史/ゲスト:韻踏み夫、荘子it
販売期間:
2022年10月19日〜2023年4月30日
視聴期限:
2023年5月31日まで
放送時間:
3時間57分+補足動画2時間10分
参加費:
◆アーカイブ視聴
一般・・・1,500円
2022年度美学校在校生・・・1,000円
申込:
こちらのPeatixのページからお申し込みください。
※アーカイブ動画ではプレイバックされた音楽部分はカットや映像の差し替えを行います。
大変申し訳ございませんが、動画の冒頭5分ほどがシステムトラブルにより欠けています。講義内容に支障はございませんので予めご了承ください。
【キャンセルにつきまして】
視聴用のURLが送信される都合上、お客様都合によるキャンセルは承っておりません。何卒ご了承ください
講師プロフィール
吉田 雅史(よしだ・まさし)
1975年生。批評家/ビートメイカー/MC。〈ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾〉初代総代。
口頭遊民ダコタ、8th wonderなどのグループでも音楽活動を展開。著作に『ラップは何を映しているのか』(大和田俊之氏、磯部涼氏との共著、毎日新聞出版、2017)。翻訳に『J・ディラと《ドーナツ》のビート革命』(ジョーダン・ファーガソン著、DU BOOKS、2018)。ビートメイカーとしては、Meiso『轆轤』(2017)プロデュース、Fake?とのユニットによる『ForMula』(2018)プロデュース、OMSBのEP『HAVEN』(2021)への参加など。 2022年10月に口頭遊民ダコタのファーストアルバムリリース。2023年夏頃に単著『アンビバレント・ヒップホップ』リリース予定。
韻踏み夫(いんふみお)
批評家/ライター。1994年生。福岡県。
著書『日本語ラップ名盤100』(イースト・プレス、2022年)。連載「耳ヲ貸スベキ――日本語ラップ批評の論点」(文学+WEB版、2021年~)など。
荘子it(ソーシット)
トラックメイカー/ラッパー。
2019年に1st Album『Dos City』でロサンゼルスのレーベルDeathbomb ArcからデビューしたDos Monosを率い、全曲のトラックメイクとラップを担当。古今東西の音楽、哲学やサブカルチャーまで奔放なサンプリングテクニックで現代のビートミュージックへ昇華したスタイルが特徴。 台湾のIT担当大臣オードリー・タンとのコラボ曲『Civil Rap Song』や、「HITOSHI MATSUMOTO Presents DOCUMENTAL Season10」のOP曲『王墓』なども手掛ける。最新作である『だんでぃどん feat.筒井康隆』は、作家の筒井康隆とコラボした20分越えの組曲。 今年10月後半からはイギリスのblack midiと共に初のヨーロッパツアーを行う。
〈配信中のオンライン講座〉
◆講師:講師:佐藤実 -m/s 山本和智
▷放送時間:3時間25分
本講座では、アーティストである佐藤実 -m/sと作曲家の山本和智が、実験音楽に至るまでの歴史を振り返りながら、受け継がれていった芸術の背景について、19世紀後半から20世紀前半の流れを汲みつつ思いつくままにお話します。 「実験音楽の”実験”って?」「実験音楽はどこから来たの?」など、初心者にも分かりやすい入門編として”実験音楽の前史”をご紹介いたします。
◆講師:講師:輪島裕介 ゲスト:大谷能生 炎上寺ルイコ 岸野雄一
▷放送時間:3時間52分 ※講師陣によるレジュメ付き
本講座では、学校と軍隊を通じて普及した「洋楽」系の流れとは異なる、庶民的な実践の系譜を浮かび上がらせることを目指します。「音楽」「(歌舞)音曲」「洋楽」「邦楽」「民謡」「民族音楽」といった概念の来歴についても批判的に検討します。
ゲストとして、近代日本の音楽教育や音楽批評の大きな流れをみごとに提示する貴重なお仕事を次々に送り出し、「ポピュラー邦楽」という魅力的な概念を提起されている大谷能生さんをお迎えします。さらに、美的かつ政治的にオルタナティヴな音曲実践を進めている炎上寺ルイコさん、該博な音楽知識に基づいて地域に密着した盆踊りの現代的再編に取り組む岸野雄一さんも交えて、未だその全貌を現してはいない近代日本の土着音楽の姿を探究してみたいと思います。
〜ゼロから聴きたい日本のヒップホップ〜
◆講師:吉田雅史 ゲスト:韻踏み夫 荘子it
▷放送時間:3時間57分+補足動画2時間10分 ※検索用楽曲リスト付き
2010年代終盤に囁かれた「日本語ラップブーム」を通過し、日本語ラップはかつてなかったほど豊かなフェーズへ突入しているように見えます。 そしてその豊かさはもちろん、1980年代からの30年以上にわたる日本語ラップの歴史と作品群によってもたらされたものです。しかし一方で、ラップという表現方法があまりにも一般的になったために、日本語ラップの世界はあまりにも多様で、外からみれば、つかみどころのない広大な世界が広がっているように見えるかもしれません。日本語ラップの世界に導かれる導線は、フリースタイルバトルのみならず、アイドルやお笑い、アニメなど様々な世界に張り巡らされています。日本語ラップを楽しむ軸も実に多様です。ラップが好き、ビートが好き、ラッパーのキャラが好き、ファッションが好き、ラップのメッセージ性が好き、リリックがリアルなところが好き・・・ そこで本講座では「日本語ラップのなにがカッコいいのか」「日本語ラップのどこを評価するのか」という点について、考えてみたいと思います。
〜ゼロというか、マイナス5くらいから聴きたいジャニーズの文化と音楽〜
◆講師:大谷能生 矢野利裕
▷放送時間:3時間22分 ※検索用楽曲リスト付き
ジャニーズを「ゼロ」から聴くとは、ニッポンの、戦後の、芸能の、その音楽の、その作品を聴くための「ゼロ」地点って、いったいドコ? ってところから考えなくちゃならない。ジャニーズ事務所が内包している「メジャー」と「マイナー」の複雑な関係は、わたしたちにそのように考えさせます。 ということで、ゼロよりもそのちょっと手前の、だいたい「−5」くらいの位置から、つまり、ジャニーさん・戦後ニッポン・芸能界、その三者の「個性と発展」を確認するところからはじめて、その成果が映り込んでいるステージの映像なんか具体的に見ちゃったりして、なんとかかんとか、素晴らしい成長を見せている2010’sのジャニーズ・グループの活動の紹介にまで辿り着ければ……と思っております。