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【アーカイブ配信中】オープン講座「基礎教養シリーズ〜ゼロというか、マイナス5くらいから聴きたいジャニーズの文化と音楽〜」講師:大谷能生 矢野利裕

【アーカイブ配信中】オープン講座「基礎教養シリーズ〜ゼロというか、マイナス5くらいから聴きたいジャニーズの文化と音楽〜」講師:大谷能生 矢野利裕



▷本講座は人数限定観覧とオンライン開催です。終了後はアーカイブ動画による後追い視聴が行えます。

毎回テーマに沿ったジャンルをがっつり掘り下げる『ゼロから聴きたい』シリーズ。
今回のテーマは”ジャニーズ ”です。
放送時間:3時間22分
◎お申し込みはこちら

 

ゼロというか、マイナス5くらいから聴きたいジャニーズの文化と音楽

講師:大谷・矢野


美学校の「基礎教養シリーズ」の一環として、「ゼロから聴きたいジャニーズ」というお題でトーク&レクチャーをしませんか、というお誘いを受けました。

 で、ちょっと、あらためて、「ジャニーズ」を「聴く」こと、その「聴き方」「楽しみ方」みたいなものを、「ジャニーズ」に特に興味のない音楽ファン向けに話すということについて、「うーん」と考えちゃったわけですね。  
 「ジャニーズ事務所」というエンターテインメント企業は、おそらく、日本では知らない人がいないくらい著名な事務所であると思います。そこに所属するタレントの姿を、マスメディアで見ない日はないくらいに、もう超メジャー。  
なんですが、わたしたち「ジャニ研」(※大谷能生・速水健朗・矢野利裕によって「ジャニーズ事務所」の歴史とその文化的意義を確認するために2011に結成。『ジャニ研!Twenty Twenty』(原書房/2020)などにその結果はまとめられている)が調査・分析したところ、「ジャニーズ」の芸能の本領は、TVに代表されるマスメディアとは別の部分にあると考えた方が、その存在を正確に理解出来る感じなんですよ。

 これだけTVに露出しているにもかかわらず、彼らの芸能の本領・本質は、「舞台」または「ミュージカル」または「リサイタル」という、ライブで繰り広げられる「ステージの上」にこそ、存在している、というのが、わたしたち「ジャニ研」の見解です。  

つまり彼らは、毎日TVなどに映されながら、実は、「自分たちの作品」については、きわめて限られた数の観客に向けてしか発表していない存在なのです。大メジャーであると同時に大マイナー。大きく開示されていると同時に、同じくらいの強さで閉ざされているのが、ジャニーズ事務所の芸能の特徴だとわたしたちは考えています。  

 「へー、どうしてそんなことになったの? なってるの? どうすればそんなことができるの? それっていつから? っていうか、それホント? フツーにジャニーズってメジャーじゃない?」……みたいに思われる方も多いと思います。なにせこれだけ有名な事務所ですから。でも、わたしたちも調べながら驚いたんですが、「ニッポン戦後芸能界」の中にあって、ジャニーズ事務所はその理念・経営方針・芸能スタイル・タレント育成方法・売り出し方…などなど、どれを取ってもメインストリームから外れた、「異端」としか言いようがない存在なのです。  

 このことは、まず第一に、事務所の創始者であるジャニー喜多川(1931 – 2019)のパーソナリティに求められる事柄だ、と、わたしたちは『ジャニ研!』において主張しました。  

そして、もう一つ大きく関わっているのは、「戦後日本」という場所それ自体が持つ特殊性です。そして、そこで運営されてきた「芸能界」の、その世界独自の特殊性も、ここには強く反映されています。  
 「ジャニーズ」の芸能は、このような、少なくとも三つの強い個性による「場」が絡まり合うことで出来ているのです。ジャニーズを、彼らのファンとしてではなく、イチ音楽ファンの立場から楽しんで「聴く」ためには、これらの「個性」を一旦、正確に切り分ける必要がある、とわたしたちは考えます。

話がでかくなってきました。

ジャニーズを「ゼロ」から聴くとは、ニッポンの、戦後の、芸能の、その音楽の、その作品を聴くための「ゼロ」地点って、いったいドコ? ってところから考えなくちゃならない。ジャニーズ事務所が内包している「メジャー」と「マイナー」の複雑な関係は、わたしたちにそのように考えさせます。

ということで、ゼロよりもそのちょっと手前の、だいたい「−5」くらいの位置から、つまり、ジャニーさん・戦後ニッポン・芸能界、その三者の「個性と発展」を確認するところからはじめて、その成果が映り込んでいるステージの映像なんか具体的に見ちゃったりして、なんとかかんとか、素晴らしい成長を見せている2010’sのジャニーズ・グループの活動の紹介にまで辿り着ければ……と思っております。

2019年から2022年現在まで、日本も含めた世界では、さまざまな変化があり過ぎたくらいにありました。ジャニーズ事務所はその変化の大波の直撃をマトモにくらい、しかし、それを正面から引き受けて乗り越えようと、運営の体系自体の見直しを図っているところです。あたらしい時代のスタート・アップに、この1962年設立(今年で還暦!)の企業がどう対応するのか、そのような興味も持てるレクチャーにしたいと思っております。皆様の視聴参加を心からお待ちしております。

大谷・矢野拝

 


講 師:大谷能生 矢野利裕

放送時間:3時間22分

参加費:一般・アーカイブ受講券・・・1,500円
    2022年度・美学校在校生・アーカイブ受講券・・・1,000円

申 込:Peatixページからお申し込みください。

アーカイブ動画ではプレイバックされた音楽部分はカットや映像の差し替えを行います。予めご了承ください。

 

アーカイブ動画視聴に関して


アーカイブお申し込み期間:2022年7月25日〜2023年1月31日

視聴期限は2023年2月28日までとなりますのでご注意ください。

 

講師プロフィール


大谷 能生(おおたに・よしお)

1972年生まれ。批評家、音楽家。
96年、音楽批評誌「Espresso」を立ち上げ、02年まで編集、執筆。日本のインディペンデントな音楽シーンに実践と批評の両面から深く関わる。著書に『持ってゆく歌、置いてゆく歌 不良たちの文学と音楽』(エスクァイアマガジンジャパン)、『散文世界の散漫な散策 二〇世紀の批評を読む』(メディア総合研究所)がある。菊地成孔とのコンビによる講義録は『憂鬱と官能を教えた学校 【バークリー・メソッド】によって俯瞰される20世紀商業音楽史』(河出書房新社)、『東京大学のアルバート・アイラー  東大ジャズ講義録』(全2巻、文春文庫)、『M/D マイルス・デューイ・デイヴィスIII世研究』(エスクァイアマガジンジャパン)がある。

 


矢野 利裕(やの・としひろ)

1983年生まれ。批評家、DJ。
音楽と文学を中心に批評活動をおこなう。
2014年、「自分ならざる者を精一杯に生きる」で第57回群像新人文学賞優秀作を受賞。
著書『コミックソングがJ-POPを作った』(P-VINE)、『ジャニーズと日本』(講談社現代新書)などで音楽と芸能について論じている。TBSラジオ『アフター6ジャンクション』『荻上チキ Session-22』などに出演し、ジャニーズ楽曲やコミックソングについて解説など。

 

 


〈配信中のオンライン講座〉


〜ゼロから聴きたいフランク・ザッパ〜講師:須川 宗純 ゲスト:石原 剛一郎 今井 研二 竹内 理恵 岸野 雄一

▷放送時間:4時間20分
※検索用楽曲リスト付き。
天才、奇才、変人といった肩書きがついて回るフランク・ザッパ。彼は何をめざしていたのでしょうか? あるいは何を見すえていたのでしょうか? 現在の盛り上がりを見るにつけ、それをふつうに見直す環境が整うまでに(日本では)30年近くという時間が必要だったのかもしれないと思わされます。前半ではザッパの歩みを年代順に追い、後半では「いま考えるザッパの聴きどころ」というかたちでお話を進めていきます。


増補改訂版〜ゼロから聴きたいシティポップ 〜講師:柴崎 祐二 ・長谷川 陽平・モーリッツ・ソメ・加藤 賢・岸野 雄一

▷放送時間:4時間23分
※柴崎さんによる楽曲リスト付き、前回のシティポップ講座も概要欄からご視聴いただけます。
厳密なジャンル用語としてでなく、ある特定の「ムード」として把握されがちな<シティポップ>というのは、改めていったいどんな音楽(文化)なのか。それはどこからやってきたのか。どのように発展/拡散をとげ、現在のような状況を準備するに至ったのか。そして、これからどこへ向かうのか。 一口に「主に80年代の日本で作り出された都会的ポップミュージック」と理解するだけでは足りないこのシティポップ(文化)を、音楽的な面、歴史/社会的な面、業界構造や受容意識の変遷から眺め直し、より深く鑑賞/理解するための道筋を探ります。


〜ゼロから聴きたいプログレッシヴ・ロック〜 講師:松山 晋也 ゲスト:岸野 雄一 横川 理彦 yuichi NAGAO

▷放送時間:3時間46分
曲名リストや「日本(のオタクカルチャー)におけるプログレ の影響」レジュメ付き。
この講座では、『プログレのパースペクティヴ』の著者である音楽評論家の松山 晋也が、誕生から50年を超えた「プログレッシヴ・ロック」と呼ばれ得る領域の概観・大まかな流れを解説していきます。


〜ゼロから知りたいレコードの聴き方・明治 大正 昭和初期編〜 講師:毛利 眞人・山田 参助・細馬 宏通・岸野 雄一

▷放送時間:2時間49分
アーカイブの重要性を提唱している音楽評論家・音楽史家の毛利 眞人がSPレコードという記録物からどのように情報を引き出すか?リスニングと鑑賞を経てどのように批評するか?どのように収集、保存、体系化し、どのように後世に伝えていくかを考えます。
レコードというメディアを軸に歴史を読み解き、過去を辿る事で未来へ繋げていきましょう。


映画音楽の現在形 2001-2021 講師:菊地成孔、入江陽、荘子it、岸野雄一

▷放送時間:第一部:2時間23分 第二部:1時間46分
20世紀の大衆芸術の花形ともいえる映画。21世紀も四半世紀に近づくこれから、その表現がどのように進化していくのか?
映画における『音楽』という切り口から考えていくトークイベントです。映画と音楽に造詣の深い4名の出演者を迎え、2001年から現在までの20年の間に生まれた新しい(=未だ古典になっていない)映画音楽について語っていきます。