「ビートルズ 創造の多面体」の刊行を記念したオンライントークイベントです。
現地観覧枠では10名程度限定で無料招待枠もご用意しております。
ビートルズとそれからの世界、戦後文化の現代的意義
史上最大の成功を収めたロックバンドであるビートルズ。
異なる個性を持つ4人のメンバーが「水平的」な関係をもち、互いの折衝によって、危うくも魅力的なバランスを保った奇跡的な運動体。
現在私たちがイメージする『ロックバンド』というフォーマットはビートルズによって形成されました。
ポピュラー音楽におけるその功績は言うまでもありませんが、アートやファッションも含め、戦後から現在にまで連なる”若者”カルチャーの様々から影響を受けた彼らは、同時にその新たな雛形を作った存在でもあります。彼らが生み出した自由な精神と文化の原型』は2023年のいまもなお有効でしょう。
ビートルズの登場は、文字通りの意味で『世界を変えた』のです。
しかしそれらは、現在あまりにも自明のものとして存在しているがために、その出自や時代背景などが見えづらくなっているのも事実です。
ビートルズが戦後のユースカルチャーにもたらしたものは何か?
また、ビートルズ不在の世界線を想像したとき、それでもなお”ビートルズ的なるもの”を生み出し得たであろう文化・社会背景とはどのようなものだったのか?
今回のトークは、今回のトークは、ビートルズ以後の時代をリアルタイムで経験した4名の登壇者により、歴史の証言と検証、再考のための知的な対話を試みるものです。
ビートルズが活躍した60年代〜70年代の文化史を様々な切り口から俯瞰しつつ、80年代〜90年代の”ビートルズ的なるもの”の没落と復権を経て、2023年現代における意義までを射程に対話を行います。
膨大な領域に思考を巡らせる4時間は、もしかしたら分かりやすい結論に着地することはないかもしれません。
ビートルズの4人が成し遂げたように、多面体として世界に対峙し、思考を多方面に飛躍させること。
結論に収束させるのではなく拡散させ、様々な可能性を思索すること。
これが今回の対話の大きな目的の一つです。
是非参加者の皆さんも共に思考する機会とし、今後の創作や表現のための一助として頂ければ幸いです。
今回の議論を有意義なものにすべく、登壇者と世代や属性の離れた方、創作活動を行なっている方のご参加を歓迎します。
そこで、以下の要件に当てはまる方を参加費無料で現地観覧にご招待させて頂きます。
対面で登壇者の4名に直接質問をしてみたい、あるいは意見を交わしてみたいという方は是非ご参加ください。◆人数:最大10名程度
◆参加要項(いずれかに当てはまる方):・学生
・なんらかの創造的行為を自ら行なっている(または行いたい)と考えている方以上の要件に当てはまる方はこちらのフォームからお申込みください。
※定員超過の場合は抽選とさせて頂きます。
※招待枠は当日の現地観覧可能な方のみとなります。オンライン視聴の招待枠はございません。
トピック(予定)
・文化批評の「型」とは?
・戦後文化とビートルズ
・ビートルズ以後の世界と、ビートルズの復権
・ビートルズと同時代のアートシーン
・『バンド』という関係性、スタジオで音楽をつくるということ
・ポップであること、消費に対抗すること
登壇:
高山博、仲俣暁生、佐藤直樹、横川理彦
開催日:
2023年4月2日(日)
時間:
13:00〜17:00 ※延長の可能性あり
形式:
オンライン+現地観覧10名程度
場所:
美学校本校(地図)東京都千代田区神田神保町2-20第二富士ビル3F
参加費:
オンライン受講券/アーカイブあり・・・1500円
オンライン受講券/アーカイブなし・・・1000円
申込:
Peatixのページからお申し込みください。
現地観覧希望の方は、参加要項を確認の上、こちらのフォームよりお申込みください。
※アーカイブ動画ではプレイバックされた音楽部分はカットや映像の差し替えを行います。予めご了承ください。
講師プロフィール
高山博(たかやま ひろし)
『ビートルズ 創造の多面体』著者。ほか、『
仲俣暁生(なかまた あきお)
1964年東京生まれ。ポピュラー音楽を扱う雑誌編集者などを経て、現在は現代文学を中心に論じる文芸評論家、編集者。著書に1968年の文化変容を鍵に現代日本文学を読み解いた『極西文学論-Westway to the World』(晶文社)、2010年代の同時代文学評『失われた「文学」を求めて―文芸時評編』(つかだま書房)、マンガ評論集『失われた娯楽を求めて』(駒草出版)ほか。2022年より大正大学表現学部表現文化学科教授。
Twitter:https://twitter.com/solar1964
佐藤直樹(さとう なおき)
1961年東京都生まれ。北海道教育大学卒業後、信州大学で教育社会学・言語社会学を学ぶ。美学校菊畑茂久馬絵画教場修了。肉体労働から編集までの様々な職業を経験した後、1994年、『WIRED』日本版創刊にあたりアートディレクターに就任。1998年、アジール・デザイン(現アジール)設立。2010年、アートセンター「アーツ千代田 3331」立ち上げに参画。2012年、アートプロジェクト「トランスアーツ東京(TAT)」参加を機に絵画制作へと重心を移す。3331デザインディレクター。多摩美術大学教授/芸術人類学研究所員。
横川理彦(よこがわ ただひこ)
作編曲、演奏家。80年に京都大学文学部哲学科を卒業後、本格的な演奏活動に入る。4-D、P-Model、After Dinner、Metrofarce、Meatopia等に参加。電子楽器と各種生楽器を併用する独自のスタイルに至る。海外でのコンサート・プロジェクトも多数。現在は、即興を中心としたライブ活動などのほか、演劇・ダンスのための音楽制作など多方面で活動中。また、コンピュータと音楽に関する執筆、ワークショップなども多い。ヨーロッパ、アフリカ、アラブ、日本と、世界中の音楽のDNAを徹底的に研究している。
現地観覧予約フォーム
こちらの参加要件を満たす方は現地観覧を無料でご招待させて頂きます。下記フォームよりお申込みください。
・現地観覧の申込みは3/24(金)までとなります。この時点にて、ご予約頂いた方から抽選で10名の方を決定しご招待とさせて頂きます。
・文化的興味関心領域についての記入にご協力ください。無記入の場合抽選から除外させて頂きます。
※現地観覧のお申し込みは締め切りました
「感染症対策」についてのご案内
・マスクの着用とアルコール消毒のご協力をお願いいたします。
・会場内は換気を
・体調が優れない場合はご参加をお控えください。
〈配信中のオンライン講座〉
◆講師:藤谷千明 構成協力:コメカ
▷放送時間:2時間59分 ※検索用楽曲タイトルリスト付き
この講座では、フリーライターである藤谷千明が、ヴィジュアル系という音楽ジャンルの黎明期から現在までの変遷を解説し、その魅力や本質に迫ります。また、講座への登壇はございませんが、構成協力としてテキストユニット「TVOD」としても活動中のライター/国分寺駅そばの古本屋「早春書店」店主のコメカ氏も参加しています。
◆講師:佐藤実 -m/s 山本和智
▷放送時間:3時間25分
本講座では、アーティストである佐藤実 -m/sと作曲家の山本和智が、実験音楽に至るまでの歴史を振り返りながら、受け継がれていった芸術の背景について、19世紀後半から20世紀前半の流れを汲みつつ思いつくままにお話します。 「実験音楽の”実験”って?」「実験音楽はどこから来たの?」など、初心者にも分かりやすい入門編として”実験音楽の前史”をご紹介いたします。
◆講師:講師:輪島裕介 ゲスト:大谷能生 炎上寺ルイコ 岸野雄一
▷放送時間:3時間52分 ※講師陣によるレジュメ付き
本講座では、学校と軍隊を通じて普及した「洋楽」系の流れとは異なる、庶民的な実践の系譜を浮かび上がらせることを目指します。「音楽」「(歌舞)音曲」「洋楽」「邦楽」「民謡」「民族音楽」といった概念の来歴についても批判的に検討します。
ゲストとして、近代日本の音楽教育や音楽批評の大きな流れをみごとに提示する貴重なお仕事を次々に送り出し、「ポピュラー邦楽」という魅力的な概念を提起されている大谷能生さんをお迎えします。さらに、美的かつ政治的にオルタナティヴな音曲実践を進めている炎上寺ルイコさん、該博な音楽知識に基づいて地域に密着した盆踊りの現代的再編に取り組む岸野雄一さんも交えて、未だその全貌を現してはいない近代日本の土着音楽の姿を探究してみたいと思います。
〜ゼロから聴きたい日本のヒップホップ〜
◆講師:吉田雅史 ゲスト:韻踏み夫 荘子it
▷放送時間:3時間57分+補足動画2時間10分 ※検索用楽曲リスト付き
2010年代終盤に囁かれた「日本語ラップブーム」を通過し、日本語ラップはかつてなかったほど豊かなフェーズへ突入しているように見えます。 そしてその豊かさはもちろん、1980年代からの30年以上にわたる日本語ラップの歴史と作品群によってもたらされたものです。しかし一方で、ラップという表現方法があまりにも一般的になったために、日本語ラップの世界はあまりにも多様で、外からみれば、つかみどころのない広大な世界が広がっているように見えるかもしれません。日本語ラップの世界に導かれる導線は、フリースタイルバトルのみならず、アイドルやお笑い、アニメなど様々な世界に張り巡らされています。日本語ラップを楽しむ軸も実に多様です。ラップが好き、ビートが好き、ラッパーのキャラが好き、ファッションが好き、ラップのメッセージ性が好き、リリックがリアルなところが好き・・・ そこで本講座では「日本語ラップのなにがカッコいいのか」「日本語ラップのどこを評価するのか」という点について、考えてみたいと思います。