【アーカイブ配信終了】オープン講座「基礎教養シリーズ〜ゼロから聴きたい実験音楽の前史〜」 講師:佐藤実 -m/s 山本和智



▷対面+オンラインでの開催になりますので地方や国外在住の方もぜひお気軽にご参加ください。

放送時間:3時間25分

◎お申し込みはこちら:Peatix


毎回テーマに沿ったジャンルをがっつり掘り下げる『ゼロから聴きたい』シリーズ。
今回のテーマは”実験音楽の前史”です。

この講座では、アーティストである佐藤実 -m/sと作曲家の山本和智が、実験音楽に至るまでの歴史を振り返りながら、受け継がれていった芸術の背景について、19世紀後半から20世紀前半の流れを汲みつつ思いつくままにお話します。

「実験音楽の”実験”って?」「実験音楽はどこから来たの?」など、初心者にも分かりやすい入門編として”実験音楽の前史”をご紹介いたします。

ゼロから聴きたい実験音楽の前史– 講師:佐藤実より


実験音楽の「実験」って?
そこに至るまでの歴史を振り返りながら、20世紀半ばに登場した実験音楽へと受け継がれていった芸術の背景について、数々の現代曲を作り続ける作曲家の山本和智と、音と芸術の領域で活動する佐藤実が、19世紀後半から20世紀前半の流れを汲みつつ思いつくままにお話します。

 

講義内容(予定)


実験音楽の実験って?
実験という呼び方は科学のようなイメージを持ってしまいます。では音楽における実験ってどんなことを指すのでしょう? 科学では仮定を立てて検証方法を考えることを実験と呼びます。つまり実験を行なってみて初めて検証されるべき結果が現れるような事象を扱うことです。一方、アメリカの作曲家ジョン・ケージは実験的というものを「結果が知られていないような行為の描写」と言っています。実験をしてみないと結果がわからない音楽、とりあえずここではそれを実験音楽としておきます。その意味では作曲作品として完成を目指したものではなく、趣旨や方法を作曲として記述し結果は解放されているようなもの、つまり計画を立てて実行するものが実験音楽と呼ばれるものになりそうです。

前史 – 実験音楽はどこから来たの?
完成を目指すのではなく、完成を手放そうとする姿勢はどこからやってきたのでしょう?ジョン・ケージのような考え方は、あるとき唐突に生まれたものではありません。その由来を探っていくと、19世紀から20世紀前半の発見と発展の時代、そして絶望的な到達点あるいは大きな転換点へと繋がっていきます。そこでは音楽に限らず広い視点で芸術を考える必要があります。芸術の問題意識の広がりと実験音楽が生まれるまでのさまざまな試みをここでは紹介していこうと思います。

紹介する話(予定) – 前史の話 
音楽 エリック・サティ、チャールズ・アイヴス、アントン・ヴェーベルン、エルヴィン・シェルホフなど – 前史の話 その他の芸術領域から フランシス・ピカビア、マルセル・デュシャン、ハンス・リヒターなど – そして実験音楽へ ラ・モンテ・ヤング、ジョージ・ブレクト、スティーブ・ライヒ、今日の作曲やサウンドアートにも触れて

詳細


講師:
佐藤実 -m/s、山本和智

販売期間
2022年12月20日〜2023年6月30日

視聴期限:
2023年7月31日まで

放送時間
3時間25分

参加費
◆アーカイブ視聴
一般・・・・1,500円
2022年度美学校在校生・・・1,000円

申込:
こちらのPeatixのページからお申し込みください。

アーカイブ動画ではプレイバックされた音楽部分はカットや映像の差し替えを行います。予めご了承ください。

【キャンセルにつきまして】
視聴用のURLが送信される都合上、お客様都合によるキャンセルは承っておりません。何卒ご了承ください

 

講師プロフィール


佐藤 実 -m/s(さとう・みのる)

自然記述と芸術表現の関係に関心を持ち、さまざまな自然現象と多様な概念に基づいた学際的な領域で活動するアーティスト。インスタレーション、パフォーマンス、執筆などの制作活動と並行してASUNA、吉田アミ等との共同やソロにて音楽活動も展開している。また作曲家アルヴィン・ルシエの作品研究、コミュニティFM「渋谷のラジオ」にて写真家平間至との音楽番組、ポッドキャストのアートトーク番組「アートラジオ(藝術の話)」の運営なども行う。 1994年-2006年アーティストレーベルWrKを設立、運営。また公立美術館学芸員として1991年-2011年川崎市市民ミュージアム、2011年-2013年せんだいメディアテークに勤務。現在はフリーにて展覧会、アートイベント、講演会を行う。

ここ5年の主な活動歴
2022 展示+パフォーマンス “fulcrum art fes”, カリフォルニア州ウィルソン山天文台
2022 ソロパフォーマンス, 外 SOTO, 京都
2021 国際プロジェクト”I AM SITTING IN A ROOM: ALVIN LUCIER’S 90TH BIRTHDAY CELEBRATION”
2020 国際プロジェクト”freq_wave” 2020 展示 “Audiosphe” ソフィア王妃芸術センター, マドリッド
2019 パフォーマンス “meeuw muzak tour by meakusma”, ASUNAとのオランダ、ベルギー、英国ライブツアー
2019 展示 “Structure and Sound 音による構造の知覚” 京都精華大学ギャラリーフロール, 京都
2018 “共鳴ワークショップ”, ZART 横浜国立大学主催, 横浜 2018 展示 “Obsession Conception Possession” 京都精華大学ギャラリーフロール, 京都


山本 和智(やまもと・かずとも)

1975年生まれ。独学で作曲を学ぶ。
オーケストラ、室内楽、アンサンブル、合唱、独奏曲、映画音楽など作曲活動は広範にわたり、作品は日本をはじめカナダ、フランス、ドイツ、オランダ、ベルギー、アメリカ、マレーシア、ロシアなど広く演奏されている。
2006年モリナーリ国際作曲賞第1位、2007年AIC/Mostly Modern国際作曲コンクール第1位、2009年度武満徹作曲賞第2位(審査員:ヘルムート・ラッヘンマン)、2010年第5回JFC作曲賞(審査員:近藤譲)など受賞多数。
2020年に発表した「浮かびの二重螺旋木柱列」(サントリー芸術財団委嘱)は、2人のマリンビスト、ガムラン、オーケストラという大規模な作品で大きな注目を集めた。
2009年より『特殊音樂祭』をプロデュース。現代音楽ファンのみならず多くの聴衆を獲得し注目度の高いイベントへと成長させた。
和光大学表現学部総合文化学科非常勤講師。


「感染症対策」についてのご案内

・マスクの着用とアルコール消毒のご協力をお願いいたします。
・本イベントは距離を保てる人数で実施し、会場内は換気を行います。
・体調が優れない場合はご参加をお控えください。

〈配信中のオンライン講座〉


〜ゼロから聴きたい日本の土着音楽〜

◆講師:講師:輪島裕介 ゲスト:大谷能生 炎上寺ルイコ 岸野雄一
▷放送時間:3時間52分 ※講師陣によるレジュメ付き
本講座では、学校と軍隊を通じて普及した「洋楽」系の流れとは異なる、庶民的な実践の系譜を浮かび上がらせることを目指します。「音楽」「(歌舞)音曲」「洋楽」「邦楽」「民謡」「民族音楽」といった概念の来歴についても批判的に検討します。
ゲストとして、近代日本の音楽教育や音楽批評の大きな流れをみごとに提示する貴重なお仕事を次々に送り出し、「ポピュラー邦楽」という魅力的な概念を提起されている大谷能生さんをお迎えします。さらに、美的かつ政治的にオルタナティヴな音曲実践を進めている炎上寺ルイコさん、該博な音楽知識に基づいて地域に密着した盆踊りの現代的再編に取り組む岸野雄一さんも交えて、未だその全貌を現してはいない近代日本の土着音楽の姿を探究してみたいと思います。


〜ゼロから聴きたい日本のヒップホップ〜
◆講師:吉田雅史 ゲスト:韻踏み夫 荘子it
▷放送時間:3時間57分+補足動画2時間10分 ※検索用楽曲リスト付き
2010年代終盤に囁かれた「日本語ラップブーム」を通過し、日本語ラップはかつてなかったほど豊かなフェーズへ突入しているように見えます。 そしてその豊かさはもちろん、1980年代からの30年以上にわたる日本語ラップの歴史と作品群によってもたらされたものです。しかし一方で、ラップという表現方法があまりにも一般的になったために、日本語ラップの世界はあまりにも多様で、外からみれば、つかみどころのない広大な世界が広がっているように見えるかもしれません。日本語ラップの世界に導かれる導線は、フリースタイルバトルのみならず、アイドルやお笑い、アニメなど様々な世界に張り巡らされています。日本語ラップを楽しむ軸も実に多様です。ラップが好き、ビートが好き、ラッパーのキャラが好き、ファッションが好き、ラップのメッセージ性が好き、リリックがリアルなところが好き・・・ そこで本講座では「日本語ラップのなにがカッコいいのか」「日本語ラップのどこを評価するのか」という点について、考えてみたいと思います。


〜ゼロというか、マイナス5くらいから聴きたいジャニーズの文化と音楽〜
◆講師:大谷能生 矢野利裕
▷放送時間:3時間22分 ※検索用楽曲リスト付き
ジャニーズを「ゼロ」から聴くとは、ニッポンの、戦後の、芸能の、その音楽の、その作品を聴くための「ゼロ」地点って、いったいドコ? ってところから考えなくちゃならない。ジャニーズ事務所が内包している「メジャー」と「マイナー」の複雑な関係は、わたしたちにそのように考えさせます。 ということで、ゼロよりもそのちょっと手前の、だいたい「−5」くらいの位置から、つまり、ジャニーさん・戦後ニッポン・芸能界、その三者の「個性と発展」を確認するところからはじめて、その成果が映り込んでいるステージの映像なんか具体的に見ちゃったりして、なんとかかんとか、素晴らしい成長を見せている2010’sのジャニーズ・グループの活動の紹介にまで辿り着ければ……と思っております。