【7/16】「上演をキーにアートを考える方法を整理する」事例編 & 『常陸佐竹市 市民のしおり』刊行トーク オルタナティブな「市」を作る




オルタナティヴスペースが話題になるのは、現実の政治や世界があまりにひどいことになっているので他の可能性(オルタナティヴ)を示す必要がある、ということでしょう。ところで、昨年秋、深澤孝史は、芸術祭参加作品として、ホンモノの郷土資料館の説明を書き換えて、架空の、しかし実際にありえた別の「市」を提示しました。しかも、この架空の「市」は市民証を発行し、市民の中から自主的に市長の立候補者が出て活動が継続されています。文字通りの「革命」であり「ハッキング」であり「オルタナティヴの提示」であった「常陸佐竹市」の記録集が刊行されます。

この作家は、アート業界内で「地域アート」とクサされる界隈ではとても有名なのですが、アート村の中では語られることがないようです。が、岸井は、アジアの現実の中で政治とアートの関係を考えるとき重要な作家であると思います。そこで、美学校に深澤孝史を招き、彼の過去作品も含め紹介します。

4月に美学校で行い好評を得た「上演」をめぐりアートの考えをリフレッシュするレクチャーの具体例編。あなたの感性は東京の現代アートに殺されていないかを問います。

深澤孝史プロジェクト《常陸佐竹市》ドキュメントブック
「常陸佐竹市 市民のしおり」

《常陸佐竹市》は2016年茨城県北芸術祭の公募採択され行われたアートプロジェクト。
茨城県北に位置する常陸太田市の旧市役所だった郷土資料館に想像上の市である常陸佐竹市の市役所を開庁し、自治体には見過ごされているが、確実に地域の精神性の基盤になっている「佐竹氏」の歴史と、現代の市民活動を結びつけていった。
本には、町のもう一つの歴史である「常陸佐竹市史」、「現代の常陸佐竹市民の紹介」、「専門家らによる公開トーク」、「常陸佐竹市市民証」などを収録。
市民、参加、主体、自治体を、批判的に思考しながら、住民とともに可能性の視点で自らの背景を見つめていくことを問う一冊。


出 演:深澤孝史、岸井大輔
日 程:2017年7月16日(日)
時 間:19:00〜21:00
入場料:1,500円 (本代込み)
申込み:ページ下部の申込みフォームよりお申込みください。
会 場:美学校 本校(地図
    東京都千代田区神田神保町2-20 第二富士ビル3F

出演者プロフィール


深澤孝史

美術家。1984年山梨県生まれ。各地でプロジェクトを展開。2008年に鈴木一郎太とともにNPO法人クリエイティブサポートレッツにて「たけし文化センター」を企画。2010年個展「うんこふみふみたかふみ文化センター」。2011年より取手アートプロジェクトにて、お金のかわりに自身のとくいなことを運用する《とくいの銀行》を開始。2013年、山口情報芸術センター10周年記念祭にて、とくいの銀行を運営しつつ、架空の商店街のまちづくりを劇的に行った《とくいの銀行 山口》、札幌国際芸術祭2014にて開拓史を見つめ直す《とくいの銀行 札幌》を展開。2015年、越後妻有大地の芸術祭にて、里山に民泊して資料を集めていく《越後妻有民俗泊物館》を開始。2016年、茨城県北芸術祭にて、歴史のもう一つの可能性を現代と結びつける《常陸佐竹市》を展開。

岸井大輔

1970年生。劇作家。他ジャンルで追求された創作方法による形式化が演劇でも可能かを問う作品群を発表している。代表作「potalive」「東京の条件」「好きにやることの喜劇(コメディー)」現在blanclasにて「岸井戯曲を上演する」シリーズを月1で行いながら、集団と制作の関係を問い直す「始末をかく」を公開制作中。https://www.kishiidaisuke.com/

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