実作講座「演劇 似て非なるもの」オープン講座「集まって聴く」第1回

2025年11月29日(土)18:30〜21:00

ゲスト:遠藤ふみ
進行役:生西康典
制作協力:三井朝日(IE-イエ-)

ゲストに音楽家(ピアノなど)の遠藤ふみさんをお招きして、オープン講座「集まって聴く」第1回を開催します。最初に生西が主な聴き手となって遠藤さんにお話を聞いていくところから始めたいと思っています。遠藤さんと知り合ってさほど時間は経っていません。自分は普段、山形にいるので、遠藤さんの演奏を聴ける機会も少なくて、ライブに行けたのはまだ2回しかありません。だから遠藤さんのことをたくさん知っているわけではありませんが、今最も興味を引く一人であることは間違いありません。一番最初にライブに行ったとき、とても印象に残ったことがあって、それは遠藤さんが共演者の音を誰よりも聴く人であるということでした。共演者の音を聴くって当たり前じゃないかとも思いますが、音を出す人である前に、聴く人であるというその姿勢は強く印象付けられました。そして遠藤さんの弾くピアノの音は必要最低限の小ささであるということ。それは音量に限らずなのですが。遠藤さんがユニット「わに」を組まれているメンバーで俳優、アーティストの高山玲子さんの発話の声の小ささにもそれは似ているような気がします。その場で聴こえるであろう、適切で最低限の声の大きさによる発話。だからこそ高山さんの声を耳を澄まして聴いてしまうのですが。そして遠藤さんの必要最低限の音が他の人の出す音と溶け合うことで初めて生まれる音楽。言葉であれ音であれ、自分の出すそれを聞かせようとする人の方が圧倒的に多いなかで、それはあんまり耳にしたことがない音であるような気がしました。普段の遠藤さんの声も小さいし、とても控えめな印象だけど、すごく確たるものをお持ちだとも感じられる人で、そんな遠藤さんが、どんなふうにいまの「遠藤ふみ」さんになったのか聴いてみたいと思っています。先に書いたとおり、生西が進行役として、出だしは主な聴き手を務めたいと考えていますが、参加してくれた他の方からも遠藤さんに質問をしてくださって構いません。

(以下、半分は余談です)
極端なことを言えば、途中から遠藤さんだけではなく、他の方の話を聴くことになっても構わないとも思っています。なぜ、そう思っているかというと、以前、不定期に「集まって話す」というオープン講座を開催していました(現在休眠中)。時間と場所だけが決まっていて、そこに集まってきた人たちみんなで話をするという名前のままの会でした。その時集まった人たちによって、すごく面白い化学変化みたいなことが起こったり、そんなことは起こらず不発のように感じられることもあったり。ただいずれにしてもそれは僕個人の印象なので、その場にいた他の人からは違う印象かもしれませんが、少なくとも自分の中ではとても貴重な体験を得られた会でした。それで改めて思ったのは、どんな人の話も面白いということです。話を聴いておくべき活動をしている人というのが何人か思いつくと同時に、自分の中で大きくなっているのは、世間的には名を知られているような活動をしているわけではない無名の人の話を掘り下げて聴きたいという思いです。ただ、これを会として行うのが難しいところは、自分のことを話したいと思っている人の話を聴きたいわけではないということです(むしろ、それは聴きたくないかもしれません)。そして具体的に何々をしている人の話を聴きたいというわけでもない。理想としては、たまたまそこに居合わせた人の話を聴くということです。これは計画しずらい。ということで、ここは素直に先ずは今最も興味を引く人のひとりである遠藤ふみさんの話を聴くところから始めることにしました。

(生西康典)


日 程:2025年11月29日(土)
時 間:18:30〜21:00(開場は10分前)
参加費:予約1,500円・当日2,000円
定 員:12名
会 場:美学校 本校 (地図
     東京都千代田区神田神保町2-20 第二富士ビル3F
問合せ:nitehinarumono2025@gmail.com

プロフィール

遠藤ふみ
1993年2月生まれ。ピアノなど。性質と性質の境界のようなところ、同時に、そこにたしかにあるかもしれないこと。
https://linktr.ee/e23227

生西康典
1968年生まれ。美学校 実作講座「演劇 似て非なるもの」講師。舞台やインスタレーション、映像作品の演出などを手がける。作品がどのようなカタチのものであっても基本にあるのは人とどのように恊働していくか。

三井朝日
1995年生まれ。2018年武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業。
「IE-イエ-」にて、代表・作·演出などをつとめる。美学校「演劇 似て非なるもの」9期生。「劇のやめ方」2期生。
https://unit-ie.tokyo