【アーカイブの有料配信は4/11〜4/30まで】オープン講座「基礎教養シリーズ〜ゼロから聴きたいシティポップ 〜」講師:柴崎 祐二  ゲスト・スピーカー:長谷川 陽平、モーリッツ・ソメ、加藤 賢



多くの方からアーカイブリクエストのご要望を頂戴いたしまたので、急遽本講座のアーカイブ販売を決定いたしました。
この機会に是非ご聴講ください!!
お申込みはこちらのPeatixピーティックスよりお願いいたします。

※音声は当日の配信環境により、一部お聞き苦しい部分がございます。申し訳ございませんが予めご了承ください。
放送時間は4時間34分になります。


ゼロから聴きたいシティポップ:講師-柴崎 祐二より

ここ数年、いや増して目にする/耳にする機会の多くなった音楽ジャンル<シティポップ>。

元来「ドメスティック」な存在であったはずのこの日本産ポップ・ミュージックが、昨今では海外の音楽リスナーから熱い注目を受けているという事実も、多くのメディアで取り上げられるようになっています。 例えば、山下達郎、竹内まりや、吉田美奈子、角松敏生……それらシンボリックなアーティスト達によるオリジナル・シティポップへの再評価が盛り上がる一方、この10年ほど、若手現行アーティストの作り出す音楽の一部へ、新たにシティポップの名を与えて評価しようとする趨勢も続いてきました。また、シティポップという呼称が発祥する以前の都会的な日本産音楽を、遡及的にシティポップと名指し、評価/消費する傾向も増してきています。

このように、厳密なジャンル用語としてでなく、ある特定の「ムード」として把握されがちな<シティポップ>というのは、改めていったいどんな音楽(文化)なのか。それはどこからやってきたのか。どのように発展/拡散をとげ、現在のような状況を準備するに至ったのか。そして、これからどこへ向かうのか。 一口に「主に80年代の日本で作り出された都会的ポップミュージック」と理解するだけでは足りないこのシティポップ(文化)を、音楽的な面、歴史/社会的な面、業界構造や受容意識の変遷から眺め直し、より深く鑑賞/理解するための道筋を探ります。


○講義内容
・シティポップのあらまし
・黄金期としての1980年代:明示される「ライフスタイル」
・デジタル化と他ジャンルの侵入
・衰退とバックグラウンド化
・「シティ感覚」の相対化とリバイバルの端緒
・「編纂」されるシティポップのルーツ
・はっぴいえんどというナラティブ
・脱政治のポリティクス
・DJカルチャーとシティポップ
・フューチャーファンク
・ネオ・シティポップとは何か
・海外からの「再発見」
・海外「の」シティポップ:「アジア」というスウィートスポット
・オブスキュア・シティポップのすすめ
・「逃避」を背負わされるシティポップ
・シティポップの今後


■ゲスト・スピーカーのご紹介

現在のシティポップにおける海外からの視点を、スイス・フリブール大学に勤務されているモーリッツ・ソメ氏をお招きして伺います。また氏の論文もご紹介いたします。
▶︎ポピュラー音楽のジャンル概念における間メディア性と言説的構築——「ジャパニーズ・シティ・ポップ」を事例に——/ Intermediality and the discursive construction of popular music genres: the case of ‘Japanese City Pop’

通訳は〈書評論文〉「シティ」たらしめるものは何か?:シティ・ポップ研究の現状と展望/〈Review Paper〉What Makes City Pop, City Pop? — The Current State and Prospects of City Pop Studies —が好評の加藤賢氏をお招きいたします。
リンクはこちら

また、韓国におけるシティポップの状況や韓国産シティポップの紹介などを長谷川陽平氏をお招きして伺います。
海外においてシティポップがどのように受容されているのかを伺える大変貴重な機会となります。
※ゲストはスイスや韓国からのZOOM参加となり、講義は日本語で行います。

合いの手要員としてスタディストの岸野雄一氏も参加いたします!!/span>


講 師:柴崎 祐二
ゲスト:モーリッツ・ソメ/ Moritz SOMMET
    加藤 賢
    長谷川 陽平

期 間:2021年4月11日〜4月30日
    ※お申し込み期限は4月30日まで、視聴期限は6月30日までとなりますのご注意ください。

放送時間:4時間34分

料 金:一般・・・2,000円
    美学校卒業生・・・1,000円
    2020年度美学校在校生・・・無料
    4/10までに2021年度美学校講座にお申し込みされた方・・・無料

申 込:こちらのPeatixよりお願いいたします。

講師プロフィール


柴崎 祐二

1983年埼玉県生まれ。2006年よりレコード業界にてプロモーションや制作に携わり、多くのアーティストのA&Rを務める。現在は音楽ディレクターとして活動する一方、評論家としても各所へ寄稿。編共著に『オブスキュア・シティポップ・ディスクガイド』(DUブックス、2020)、連載に「MUSIC GOES ON 最新音楽生活考」(『レコード・コレクターズ』)、「未来は懐かしい」(『TURN』)などがある。
Twitter @shibasakiyuji


モーリッツ・ソメ(Moritz Sommet)

1980年、ドイツ・デュースブルク市生まれ。専門は日本学。2005年から2006年にかけて上智大学比較文化学部へ留学、ケルン大学にて2007年に修士号 (Magister Artium) を取得。現在はスイス・フリブール大学に勤務。これまでの研究成果の集大成として、ケルン大学へ2019年に提出された博士論文 “Mediale Interferenzen: Literatur und Popmusik in Japan (1955-2005)” は既に口述試験を通過し、2021年に刊行予定。この博士論文においては石原慎太郎、五木寛之、町田康、松本隆らを事例に、日本における近現代文学とポピュラー音楽の相互作用についての詳細な分析を行った。今回、「ポピュラー音楽のジャンル概念における間メディア性と言説的構築――『ジャパニーズ・シティ・ポップ』を事例に――」を『阪大音楽学報』第16・17合併号に寄稿。


加藤 賢

1993年、愛知県生まれ。専門はポピュラー音楽研究、および都市社会学。早稲田大学教育学部教育学科卒業、大阪大学文学研究科博士前期課程修了、現在は同大学博士後期課程2年。日本学術振興会特別研究員 (DC2)、大阪市立大学都市文化研究センター (UCRC) 研究員。「ポピュラー音楽のジャンル概念における間メディア性と言説的構築――『ジャパニーズ・シティ・ポップ』を事例に――」の翻訳、およびその書評論文「『シティ』たらしめるものは何か?: シティ・ポップ研究の現状と展望」(いずれも『阪大音楽学報』第16・17合併号) の執筆を担当。


長谷川 陽平

中・高卒業後、都内レコード屋でアルバイトをしながら音楽活動とレコード収集を本格的に始める。1995年、韓国の音楽と出会い、レコードを掘りに度々渡韓をし始める。同時に韓国のバンドにもギタリスト/プロデューサーとして参加。今迄に参加したバンドは、トゥゴウン・カムジャ、 デリスパイス、 デヴィルス、キム・チャンワン・バンド等があリ、2005年には 渡韓のきっかけを作った伝説の大韓ロックバンド・サヌリムに参加する。2009年よりチャン・ギハと顔たちに参加、9年間で4枚のアルバムを リリース、セカンドアルバムは韓国大衆音楽賞で4部門受賞を成し遂げる。韓国でのレコード掘りや、バンド活動の様子を収めた著書”大韓ロック探訪記” (大石始:編集 ケイコ・K・オオイシ:写真 DU BOOKS)を2014年に刊行した。2010年頃、バンド活動と並行し本格的にDJを始める。主に60年代サイケデリックや ガレージによるセット、アジア・中東・アフロ等のセットが中心である。近年、自身が過ごしてきた7,80年代の日本の歌謡曲、ファンク、シティポップ、 ライトメロウ等による”Full Of City Pop”セットを韓国各地で展開、 シティポップ・パーティー”From Midnight Tokyo”をソウルの文化中心地・ 弘大(ホンデ)エリアにて月1回・30回以上に及びオーガナイズ、なおも継続中である。2018年よりTiger Disco、Clazziquai ProjectのHoranと共に、日本と韓国の 8,9,00年代の曲をかけまくる”This Is The City Life”パーティーをソウルにて 月1回オーガナイズ、ソウルのクラブ・チャンネル1969の有料観客数動員記録を作り、 一躍話題になる。 アジアでも、シンガポール、マレーシア、台湾等のパーティーにも参加、2015年に 韓国の大規模ロックフェス、2016年には”Boiler Room”でもアジア物オンリーでの セットでDJを行う。馬場正道、VIDEOTAPEMUSIC、本秀康、松永良平、Hide Morimoto、HAPPFAT、 金田康平によるオルガンバーでのパーティー”東西相會”に参加。 2017年、アジア各国で掘り当てた6,70年代の華僑ツイスト〜ゴーゴーのミックス・テープ “Groovy Flowers Of Asia”を、韓国のヘリコプターレコーズよりリリースした。


〈オープン講座〉


映画を聴く 岸野雄一 岸野雄一

▷授業日:2021年 5/11、5/25、6/8、6/22、7/6、7/20、8/3、8/10
全て火曜日 20:00~22:00(全8回)
この講座では、映画における音/音楽の歴史や方法論、その効果を読み解く技術、すなわち『映画の聴き方』を身につけていきます。講師の所有する膨大な映像アーカイブをプレイバックしながら、20世紀以降の映像の発達史から、21世紀現在にまで繋がる音と映像の発展史を解読し、概念と方法論を体系化していきます。


歌というフィクション(2) 大谷能生 大谷能生

▷授業日:2021年 5/14、6/11、7/09、8/06、9/10、10/8
全て金曜日  19:00 〜 21:30(全6回)
この講義では、近世から現代までの日本における、その時々の「歌」が生み出してきたフォーマットを辿ることを縦軸に、そして、吉本隆明の『言語にとって美とはなにか』および菅谷規矩雄『詩的リズム』において展開されている言語論を横軸にして、どのような力の合成がフィクションとしての「歌」を成り立たせているのかの解析を試みます。


ライター講座〜ライティングのための編集、編集のためのライティング 柳樂光隆 

▷授業日:隔週月曜日 19:00〜21:30
座学と実技・添削から成る実践的なライター講座です。授業でのインプットのみならずDiscordを活用したオンラインでの課題添削により、編集的な思考のもと文章を書くスキルを鍛えます。