【1/29】第5回AI美芸研(講演:大森隆司、山川宏、中ザワヒデキ)


第5回AI美芸研(人工知能美学芸術研究会)

講演:大森隆司、山川宏、中ザワヒデキ


第5回AI美芸研


人工知能美学芸術研究会(AI美芸研)の第5回研究会が、1月29日(日)に当校にて開催されます。人工知能美学芸術研究会は、Facebook上での場の開設と、数ヶ月に一回程度の公開の研究会開催が主な活動内容となります。会員制ではなくどなたでもご参加できます。
第5回研究会では、大森隆司(玉川大学工学部・脳科学研究所)、山川宏(ドワンゴ人工知能研究所所長、全脳アーキテクチャ・イニシアティブ)、中ザワヒデキ(美術家/AI美芸研代表)の各氏の講演と全体討論が行われます。

・人工知能美学芸術研究会 公式サイト
 http://aloalo.co.jp/ai/
・人工知能美学芸術研究会(AI美芸研) Facebookグループ
 https://www.facebook.com/groups/1155307841158207/


第5回AI美芸研(人工知能美学芸術研究会)

講 演:大森隆司(玉川大学工学部・脳科学研究所)
    山川宏(ドワンゴ人工知能研究所所長、全脳アーキテクチャ・イニシアティブ)
    中ザワヒデキ(美術家/AI美芸研代表)
 ※講演後、全体討議の時間を設けます。
 ※当会の講演と討論は撮影、実況、配信歓迎です。記録動画を後日公開します。
日 程:2017年1月29日(日)
時 間:15:00〜19:00
 ※終了後、講演者をお囲みする懇親会(22:00まで)
会 場:美学校 本校(地図
     東京都千代田区神田神保町2-20 第二富士ビル3F
参加費:2,000円(どなたでも参加可、予約不要、懇親会費含まず)
 ※入場は先着順です。来場者が60名を超える場合は、立ち見、もしくはご入場いただけない可能性もございます。予めご了承ください。
 ※講演者をお囲みする懇親会へのご参加は、別途1,500円頂きます。
主 催:人工知能美学芸術研究会(http://aloalo.co.jp/ai/

講演内容


「感情と価値」

大森隆司(玉川大学工学部・脳科学研究所)

最近の科学は、人間は価値に従い行動することを示してきた。しかし価値は多様である。個体レベルでは、生理的欲求、安全、愛着、経済的価値(物的価値)などがある。しかし人間は社会的動物であり、マズローは所属、承認、自己実現といった高次の欲求を挙げている。現実には、これに社会自身が作り出した価値が上乗せされる。進化の場当たり的なふるまいを考えると、これらに統一的な原理があるとも思えないが、価値の全体像を論じて人の行動の動機を知ることは、人と真に親和性のある、さらには人を理解して支援するAIの実現に欠かせない過程であろう。今回は、まず私が価値の重要性に気付いた経緯を紹介し、そこから派生した感情の価値計算システム仮説について話す。さらに、価値に関わる重要な現象である「創造性」について、その人間内部のメカニズムとAIによる実現可能性について議論する。

※感情と価値というテーマをAIへの実装等を視野に研究する玉川大学工学部・脳科学研究科教授の大森隆司は、脳という神経機構に知的な行動が生まれる情報的なメカニズムへの興味から、認知科学、人工知能、発達、神経科学などを横断した。東大工学研究科計数工学専攻修。視覚系モデル、海馬系モデル、脳の機能部品組合せモデル、ロボット−人インタラクションの研究等を経て、最近は保育に興味。(※文責・中ザワ)
http://www.tamagawa.ac.jp/engineering/ims/t_t_oomori.html

大森隆司

「創造性はいかに実装しうるか」

山川宏(ドワンゴ人工知能研究所所長、全脳アーキテクチャ・イニシアティブ)

アルファ碁がプロ棋士が思いつかなかったような妙手を見出すなど、人工知能の創造性は、ある側面では人間を超えている。しかしながらその能力には何か物足りなさを感じる。本講演は、日々私が創造性をどの様にAIによって実現しうるかについて考えていることを私見に溢れた形で述べてみたい。フレーム問題にも触れる予定。

※山川宏が代表を務める全脳アーキテクチャ・イニシアティブの使命は人間の脳全体構造における知的情報処理を工学的にカバーすることによって人間並かそれ以上の汎用人工知能を実現することである。東大にて工学博士号取得後、富士通研究所等を経て、ドワンゴ人工知能研究所所長。人工知能学会編集委員長。海馬の機能を参考にフレーム問題解決も目指す。(※文責・中ザワ)
http://hymkw.com/

山川宏

「芸術の定義とフレーム問題、絵画の美と報酬系の設定」

中ザワヒデキ(美術家/AI美芸研代表)

人間にとっての芸術は、人工知能にとってのフレーム問題のようなものだ。芸術とは何かが定義できればフレームが設定できる。ところが芸術は定義不能な開かれた概念であり、または定義した途端に裏切られる宿命にある。しかもその設定不能性が芸術の醍醐味でさえあるのだ。では絵画はどうか。絵画とは色彩に覆われた平面であると定義すれば、フレームは設定できる。次なる課題はどういう絵画が「美しい」かである。これは、絵を描く人工知能にどのような報酬系を設定するかという問題に敷衍できるが、設定主体が人間である限り美学に変更は無い。設定主体が人工知能の自律性に委ねられる時、激震が走る。

※中ザワヒデキという表記の芸名は医学部在籍時より使用。「バカCG」を経て「方法主義宣言」「新・方法主義宣言」「人工知能美学芸術宣言」。3Dプリンタ関連特許、著書『現代美術史日本篇』他。文化庁メディア芸術祭審査委員。
http://aloalo.co.jp/nakazawa/

中ザワヒデキ