TRANS ARTS TOKYO 2016が開催中!10/30まで!


文・写真=皆藤将


神田を舞台に2012年から毎年開催されているアートプロジェクト「TRANS ARTS TOKYO」(TAT)が今年も開催中です。開催地が神田と、美学校のご近所ということもあり、開催初年度から講師や講座単位で美学校も参加してきました。今年も多くの講師や美学校生が参加しているので、展示の様子を少しだけご紹介します。

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TRANS ARTS TOKYOとは?


TATは、アート以外にも様々な企画が開催されるので、まずはTATってどんなイベントっていうところからご紹介していきたいと思います。

ことの発端は神田地域の再開発。現在メイン会場となっている工事中の広場に東京電機大学の17階建ての校舎が建っていたのですが、その校舎を含めたワンブロックを全部ぶっ壊して、そこにでっかいビルを建てようという再開発が始まりました。で、そのビルの中にアートセンターを入れて、地域的な基盤を築いていこうとして始まったのがTRANS ARTS TOKYOという企画。(ざっくり過ぎる説明でスミマセン色んな人)

▼初年度のWEBサイトのスクショ。中央に見えるのが東京電機大学の旧校舎。

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なので、アートの展示だけでなく、毎年神田で開催されているカレー祭やスポーツ祭と共同したり、地元企業やイベンターとのコラボイベント(プロレス、ビール祭、キャンプ、縁日etc.)があったりと地域にコミットする様々な企画が開催されています。

▼自分が訪れた日は、全国から様々なビールが集まる大江戸ビール祭が開催されていました。

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で、美学校の展示は?


そんな感じで毎年開催されているTATですが、今年の美学校関係の展示は、旧東京電機大学の周りにある解体待ちの廃ビルで行われている《五十一八クリエイティブ•プロジェクト【front and end】》を中心に開催されています。

五十一八クリエイティブ•プロジェクト【front and end】

□会 場:五十通り沿いのビル
・青山ごはん亭跡ビル2F〜RF
・長島ビル1F〜RF
・佐々木ビル(A)壁面
・佐々木ビル(B)壁面+1〜2F
・佐野ビル壁面
・武内ビルBF
□日 程:10月15日(土)〜10月30日(日)
月〜金 12:00〜17:00
土日祝 11:00〜17:00
※会場には照明がありません。特に夕方は足元にお気をつけください。
□入場料:無料
□参加作家:
・半芸術センター(青山ごはん亭跡ビル):
伊藤桂司、大場綾、岡修平、鰹とニメイ、金谷裕子+轟岳、最高記念室、サマタマサト、関真利、しげのみゆき、下野薫子、たかくらかずき、タカダ緑里、太公良(TAKORA)、立岩有美子、角田純、鶴田崇、デイビッド・デュバル・スミス、点(ten_do_ten)、遠山敦、都丸千歌、とんぼせんせい、中村穣二、堀本陽、マジック・コバヤシ、宮坂泰徳、millitsuka、渡部剛、WISH LESS gallery、美学校
・長島ビル:
栗原良彰、構想計画所、西村雄輔、久村卓、松田修、村山修二郎
・佐々木ビル(A-壁面):
小田島等(表)、佐藤直樹(裏)
・佐々木ビル(B-壁面):
杉戸洋+藤岡理菜
・佐々木ビル(B):
若林拓哉+つばめ舎建築設計、耳のないマウス
・佐野ビル(壁面):
池田晶紀
・武内ビルBF:
津南ガジャンボ菜農園

WEB:http://www.kanda-tat.com/program/front-and-end/

まずは、外から見える廃ビルの外壁に設営された作品から。

▼こちらは「絵と美と画と術」講師の小田島等さんの作品。

芋煮ロックフェスティバルのメインビジュアルにもなっている作品です。小田島さんは、今年はサニーデイ・サービスがリリースしたニューアルバムのジャケットのアートディレクションや、シャムキャッツの新譜のPVやジャケットのディレクションを務めたりと大活躍中。

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▼こちらは佐藤直樹さんの木炭壁画の作品(中央のビルのバナー)。佐藤さんは美学校の卒業生でもあり、小田島さんと同じく「絵と美と画と術」の現講師でもあります。来年4月には、3331で大規模な個展も開催予定です→ http://ithasgrown.com/

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▼こちらは同じく「絵と美と画と術」講師で、写真家の池田晶紀さんの作品。数年前から継続している撮影している神田の人々のポートレイトプロジェクトの一枚です。

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▼角のビルが30名以上の作家さんが参加している青山ごはん亭跡ビル。このビルでは、美学校の人たちも多数参加しています。

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▲青山ごはん亭跡ビルで開催されている展覧会タイトルは「半芸術センター」。

昨年美学校主催で開催した「半芸術展」にTATサイドがインスパイアされこのような形で共同企画することとなりました。30名を超える参加作家さんは、TAT事務局セレクト、「絵と美と画と術」の講師が推薦する作家さん、美学校のシルクスクリーン、リトグラフ、銀塩写真の作家さんや、卒業生など、ジャンルも年齢も作風も参加経緯も本当に多様です。

会場は2階〜5階+屋上の全フロア。本当は全員ご紹介したいのですが、長くなってしまうので幾人かを。完全に恣意的に紹介していくのでご容赦ください。

▼まずは2階から。こちらは、美学校「リトグラフ工房」出身のタカダ緑里さんの作品。現在リトで主流のアルミ版ではなく、石版で一色ずつ刷られています。

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▼タカダさんの隣にあるのは都築潤さん推薦の下野薫子さん。

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▼角田純さん。

アートディレクター、デザイナーとして活躍しながら絵画制作も続けられています。

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▼こちらは、講師の水野健一郎さんが参加するユニット「最高記念室」の展示(部分)。シュールなインスタレーションが展開されています。

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▼とんぼせんせいの顔ハメパネル。奥は点(ten_do_ten)さんの作品。

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▼現在美学校に通っている堀本陽さんの作品。今年18歳とまだまだ若いですが、ベテラン勢にも劣らない作品の完成度。

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▼卒業生の渡部剛さん。ペイントした木彫りの熊の置物やタバコの吸い殻を使ったオブジェなどなど。

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▼「シルクスクリーン工房」の鶴田崇さん。シルクスクリーンでインクを積層させてレリーフ上にしています。

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▼「絵と美と画と術」講師のマジック・コバヤシさんのインプロビゼーション・スカルプチャー「ドランク・タワー」。現在マジックさんは金柑画廊にて個展「PreView」開催中。こちらも是非ご来場ください。詳細→マジック・コバヤシ個展「PreView」

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そして「半芸術センター」の青山ごはん亭跡ビルのお隣、長島ビルでも展示が行われています。青山ごはん亭跡ビルでは、ワンフロアに数人の作家さんが展示をしているのですが、長島ビルではフロア毎に一人の作家さんが展示をしています。

▼こちらは、「外道ノススメ」講師の松田修さんの作品。街中でよく見かける「犯罪を見逃さない」のステッカーを巨大壁画に。

松田さんは、その他2箇所でも展示をしています。詳細→ http://www.kanda-tat.com/artist/matsuda/

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上記は廃ビルでの展示ですが、廃ビル以外にも、五十通りと一八通り周辺の店舗にも作品が展示されています。

▼五十通りと一八通りは靖国通りを二本内に入ったところにあります。

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▼店舗展示には卒業生の吉原航平さんが参加。美学校でもおなじみのアットホームなオルタナティブスペースTETOKAの軒先に展示されています。

TETOKA→http://tetoka.jp/

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▼吉原航平さんは、現在3年振りのギャラリースペースでの個展を開催中。10月31日までだそうです。行かねば!

展示詳細→http://circle-d.me/gallery/blog/2016/09/post_37.html

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10月29日(土)にはアート縁日が開催!


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かつて五と十の付く日に縁日をしていたという五十通りで、10月29日にアート縁日が開催されます。様々な屋台や、オリジナル山車、ライブパフォーマンスなど、かなり盛り沢山なイベントになりそう。美学校生も多数参加。是非ご参加ください!

五十一八クリエイティブ・プロジェクト【アート縁日】

□会 場:五十通り周辺(神田錦町、神田小川町三丁目)
□日 程:10月29日(土)14:00-19:00
※荒天中止、雨天決行
□入場料:無料
□出展者(山車):
津村耕佑、若林拓哉&つばめ舎建築設計、神田錦町二丁目町会大神輿
□出展者(ブース):
あけらやさん(金藤みなみ)、Arjun&Gautam、アース治療院、アート☆テロリズム(小菅星奈+幸温望+フカミエリ)、いなり★ばばあの神秘相談所(野村はる+福家由美子)、内田町田(内田めぐみ+町田ひろみ)、雲泥流、おひるね諸島、仮面屋おもて、川本史織円井テトラ堂、カンダビルヂング協会、顔面占い ニッパシ館(日橋慶充)、GALLERY BREW(渡辺純人)+堀江進司、crazy textiles、国立奥多摩美術館、しがな~いモヒカンの店、けんさん。(大森早人+大森健一郎+アオキミク)、芝愛澄菜、チーム未完成、問う今日、硬軟、野口竜平、はしのちづこ、ファンシーグラフィック、藤木光明・渡瀬愼也、float・あをば荘・ドマトトコ・spiid、BO-JW. 、morita emi、39×70gurumi
□出展者(パフォーマンス):
AOSABA(あおさば)、アーの人こと奥平聡、うたっておどれる似顔絵屋さん(このよのはる)、MES、写真家 issei makabe、zeigarnik、DE PAY’S MAN

WEB:http://www.kanda-tat.com/program/artennichi/

以上、現在開催中のTRANS ARTS TOKYO 2016のご紹介でした。美学校関係の展示を中心にピックアップしましたが、それ以外にも様々な展示や企画が開催されています。

TRANS ARTS TOKYO 2016は、10月30日(日)までの開催です。是非ご来場ください。

公式WEBサイト:http://www.kanda-tat.com/