コミックソングとは何か?
大変好評をいただきました、ゼロから聴きたい新春特別編「戦前/戦後のニッポン・リズム大縦断」
今回はその第二弾として”コミックソング”を取り上げます。
コミックソングは、ユーモアと風刺を取り入れた日本独自の音楽ジャンルです。
日本の大衆音楽史を彩る本ジャンルは、風刺やユーモアを交えながら時代ごとの社会情勢や文化を反映してきました。本講座では、明治から大正にかけての書生節から、戦前のモダン・ソング、戦後のブギウギ時代、リズム歌謡、コミック・バンド、和製ポップス、1980年代のポップカルチャー、そして現代のヒップホップまで、多彩なジャンルと代表的な楽曲を通じて、その進化と変遷を紐解いていきます。
講師陣は前回から引き続き、『昭和ブギウギ 笠置シヅ子と服部良一のリズム音曲』の著者である輪島裕介、『笠置シヅ子ブギウギ伝説』の著者佐藤利明をはじめ、『ODORI ONDO』をプロデュースした岸野雄一、そして『コミックソングがJ-POPを作った 軽薄の音楽史』の著者矢野利裕を迎え、コミックソングがどのようにして人々に笑いと共感を提供してきたのかを探求します。
対面とオンラインでの開催になります。地方や国外在住の方もぜひお気軽にご参加ください。
オンライン参加に際しては最新版のZOOMをインストールの上、ご自宅の環境を予めご確認ください。
講 師:輪島裕介 佐藤利明 矢野利裕 岸野雄一
日 程:2024年9月7日(土)
放送時間:2時間36分
参加費:対面先着20名(アーカイブ付き)・・・2,000円(税込)
オンライン(アーカイブ付き)・・・2,000円(税込)
アーカイブのみ・・・1,800円(税込)
※アーカイブでは楽曲再生部分をカットしております。予めご了承ください。
会 場:美学校2F教場
主 催:美学校
アーカイブ動画視聴に関して
アーカイブお申し込み期間:2024年9月9日〜2024年10月31日
視聴期限は2024年12月31日までとなりますのでご注意ください。
※アーカイブ動画ではプレイバックされた音楽部分はカットや映像の差し替えを行います。予めご了承ください。【キャンセルにつきまして】
視聴用のURLが送信される都合上、お客様都合によるキャンセルは承っておりません。何卒ご了承ください
講義内容(予定)
《明治から大正へ》
・書生節の時代〜添田唖蝉坊、石田一松
それは風刺から始まった!
♪喇叭節(添田唖蝉坊) ♪のんき節(添田唖蝉坊〜石田一松)
♪あゝ金の世や(添田唖蝉坊)
♪東京節(添田さつき)《戦前モダン・ソングの時代》
・唄えば天国ジャズソング〜エノケン、二村定一、ロッパ、岸井明
ステージ、映画での洋楽カヴァーによるコミックソングの時代
♪洒落男(二村定一) ♪ルンペン節(二村定一)
♪モンパパ(榎本健一) ♪浮かれ音楽(榎本健一)
♪スーちゃん(岸井明) ♪酔えば大将(古川ロッパ)・ぼういずバラエティの時代〜あきれたぼういず
♪四人の突撃兵(あきれたぼういず) ♪スクラム組んで(あきれたぼういず)
♪商売往来(あきれたぼういず)
♪地球の上に朝が来る(川田義雄)・エロ・グロ・ナンセンス〜美ち奴、渡邊はま子、能勢妙子…
♪あゝそれなのに(美ち奴)
♪忘れちゃいやヨ(渡邊はま子)
♪とんがらかっちゃ駄目よ(渡邊はま子)《戦後、焼け跡のコミックソング》
・三木鶏郎の時代〜日曜娯楽版とコミックソング
♪南の風が消えちゃった
♪僕は特急の機関手で
♪これが自由というものか・笠置シヅ子と服部良一〜ブギウギ時代
♪東京ブギウギ(笠置シヅ子)
♪買物ブギー(笠置シヅ子)
♪三味線ブギウギ(市丸)《リズム歌謡とノヴェルティ・ソング》
・美空ひばりのリズム歌謡
・マンボ、チャチャ、カリプソ
・ロカビリーとコミックソング《コミック・バンドの時代》
・フランキー堺とシティ・スリッカーズ
・ハナ肇とクレイジーキャッツ《和製ポップスとコミック・ソング》
・坂本九
・植木等
・ドリフターズ《1980年代》
・サザンオールスターズ
・YMO
・スネークマンショー《コミックソングの現在へ》
・ヒップホップとノヴェルティソング
・再発見と原点回帰〜大衆音楽の現在
・Odori Ondo 中西レモン
講師プロフィール
佐藤利明(さとう・としあき)
娯楽映画研究家・オトナの歌謡曲プロデューサー。
ハナ肇とクレイジーキャッツ、渥美清などの昭和のアーティストの魅力を、さまざまなメディアで発信を続ける「昭和のエンタテインメントの伝道師」。音楽プロデューサーとしても活躍、CD「ブギウギ伝説〜笠置シヅ子の世界」監修・選曲・解説、由紀さおり&PINK MARTINI「1969」のスペシャル・アドヴァイザー、小泉今日子・浜田真理子「マイ・ラスト・ソング」構成・プロデュースなどを手掛ける。2015 年文化放送特別賞受賞。著書に『番匠義彰 映画大全: 娯楽映画のマエストロ 佐藤利明の娯楽映画研究所』(佐藤利明事務所)『映画にかけた夢 石原プロモーション58年の軌跡【石原裕次郎・渡哲也】』(朝日新聞出版)『笠置シヅ子ブギウギ伝説』(興陽館)など。
輪島裕介(わじま・ゆうすけ)
1974年石川県金沢市生まれ。音楽学者。大阪大学文学部・大学院人文学研究科教授。
専門はポピュラー音楽研究、近現代音曲史、アフロ・ブラジル音楽研究。東京大学文学部、同大学院人文社会系研究科(美学芸術学)博士課程修了。博士(文学)。2010年に刊行した『創られた「日本の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史』(光文社新書)で、2011年度の国際ポピュラー音楽学会賞、サントリー学芸賞を受賞。著書に『踊る昭和歌謡 リズムからみる大衆音楽』(NHK出版新書)『昭和ブギウギ 笠置シヅ子と服部良一のリズム音曲』(NHK出版新書)など。
矢野利裕(やの・としひろ)
1983年生まれ。
作家・DJ。音楽と文学を中心に批評活動をおこなう。2014年、「自分ならざる者を精一杯に生きる」で第57回群像新人文学賞優秀作を受賞。
著書に『コミックソングがJ-POPを作った』(P-VINE)、『ジャニーズと日本』(講談社現代新書)、『学校するからだ』(晶文社)、『今日よりもマシな明日 文学芸能論』(講談社)など。
岸野雄一(きしの・ゆういち)
音楽家、オーガナイザー、著述家など、多岐に渡る活動を包括する名称としてスタディスト(勉強家)を名乗る。
東京藝術大学大学院映像専攻、立教大学現代心理学部、広島市立大学芸術学部にて「映画におけるサウンド・デザイン」の教鞭を執る。音楽レーベル運営として“Out One Disc”を主宰し、OORUTAICHIやGangpol&Mitなど個性豊かなアーティストをプロデュース。オーガナイザーとしてはSparks、Max Tundraなどの海外アーティストを招聘。アーティストとしては、音楽劇『正しい数の数え方』が文化庁第19回メディア芸術祭エンターテインメント部門で大賞を受賞した。近年では、都内コンビニにDJブースを持ち込んだ『レコードコンビニ』や、盆踊りをアップデートするプロジェクトが話題を呼ぶなど、常に革新的な『場』を創造している。