昨年2019年の美学校50周年イヤーを振り返る50周年アーカイブの第3回はクラウドファンディングについてです。
50周年を記念した様々なプロジェクトを行うためには、やはり資金も必要になってきます。そこで50周年プロジェクトの周知も兼ねてクラウドファンディングにて資金を募ることとなりました。
クラウドファンディングのプラットフォームはMOTION GALLERY、期間は2019年2月6日から5月10日までの3ヶ月間で行いました。結果から言うと、目標額200万円を上回る2,246,770円を162人の方からご支援いただきました。ご支援いただいた方にはこの場を借りて改めてお礼を申し上げます。
ご支援へのリターン
ご支援いただいた方へのリターンは様々なものを用意しました。以下が一覧です。一つずつ簡単に紹介したいと思います。
- 赤瀬川原平デザインの美学校ロゴをあしらったグラス
- 豪華ゲストによる饗宴!祝賀イベントご招待
- 美学校を読む!『美学校50周年書籍』&書籍にお名前掲載
- 美学校を歌う!校歌レコード
- スタディストと祝う!岸野雄一シークレット企画ご招待
- 似顔絵コース(石山さやかさん、小田島等さん、ますこえりさん)
- 未来へ号バスツアーコース
- 校舎にお名前掲示コース
- 松蔭浩之によるポートレイト撮影コース
- 教場命名コース
- 美学校でのイベント開催コース
- 中西夏之設計・木の箱贈呈コース
- 全講座受講フリーパスコース
赤瀬川原平デザインの美学校ロゴをあしらったグラス
開校当時に作られた赤瀬川原平さんデザインの美学校ロゴをあしらった8オンスのグラスです。グラスは在庫があり販売していますので、もし欲しい方がいたら美学校に来た時にスタッフにお知らせください。
以下はスタッフ木村による使用例です。ジャンバラヤに合わせてジュースを注いだり、夜にはビールやハイボールなどお好きなお飲み物でお楽しみください。
豪華ゲストによる饗宴!祝賀イベントご招待
2019年8月31日に渋谷のO-NESTにて開催した美学校の50周年アニバーサリーイベント「Sound of Gigmenta 2019」にご招待させていただきました。出演者は、菊地成孔と大谷能生のユニット“JAZZ DOMMUNISTERS”や、蓮沼執太、大原大次郎、イルリメの3名によるTypogRAPy、そして、世武裕子、テンテンコ、横川理彦、numb、DJ TECHNORCHらのライブに加え、講師や卒業生によるパフォーマンスありの豪華なイベントとなりました。詳細はレポートがアップされてますのでそちらをご覧ください。→ 【アーカイブ】50周年記念イベント「Sound Of Gigmenta」
美学校を読む!『美学校50周年書籍』&書籍にお名前掲載
2019年8月に晶文社さんより刊行した書籍『美学校1969-2019:自由と実験のアカデメイア』と、その巻末にお名前を掲載させていただきました。(個人名が出ているので写真では名前をぼかしています。)
スタディストと祝う!岸野雄一シークレット企画ご招待
当校の講師兼音楽学科コーディネーターであるスタディスト・岸野雄一さんが企画する特別イベントにご招待させていただきました。
毎年1月11日(ワンワンワンの日)に、年に一回しかライブを行わない岸野雄一のバンド、ワッツタワーズが、この日だけの特別編成でライブを行ってくれました。この日のワッツタワーズのメンバーはイトケンさん、Mint-Leeさん、水谷紹さん、宮崎貴士さんというコンパクトな編成で、普段の編成とは一味違ったアンサンブルでレパートリーをお送りしました。また、スペシャルゲストとして細馬宏通さんをお呼びし、1曲ごとに岸野雄一さん、宮崎貴士さんの3名にて楽曲解説を行いました。通常ではシアトリカルなステージで、ライブ全体が一曲のような構成でライブを行っているのが、一曲ごとに解説が入るという大胆なステージ構成で、大勢のお客さんに楽しんでいただきました。
似顔絵コース(石山さやかさん、小田島等さん、ますこえりさん)
似顔絵コースではイラストのお仕事をされている3名の方に支援者の方の似顔絵を描いていただきました。3名とも美学校に関わりがあり、小田島さんは「絵と美と画と術」の講師、石山さん、ますこさんは「絵と美と画と術」の修了生です。以下の似顔絵はサンプルで描いていただいたものです。
未来へ号バスツアーコース
当校講師のアーティスト・遠藤一郎さんが駆るバス「未来へ号」でバスツアーを開催しました。支援者の方が関西在住だったので、遠藤さんが関西を通過するタイミングでツアーを開催。スタッフは同行できなかったので写真はないのですが充実したツアーとなったようです。
松蔭浩之によるポートレイト撮影コース
当校講師の現代美術家・松蔭浩之さんによるポートレイト撮影を行いました。長年様々な著名人のポートレイトを撮影してきた写真家としての顔もお持ちの松蔭さん。一人ずつ支援者の方の希望を聞きながら素敵なポートレイトを撮影していただきました。
美学校でのイベント開催コース
支援者の方が自由に企画したイベントを美学校で開催できるというもの。実際にご支援いただいた半田晴子さんによる企画のトークイベントを開催しました。10月6日にトークセッション「アヴァンタイトルー写真家・羽永光利が希求した表現」と題し、出演者にアライ=ヒロユキ、羽永太朗、牧武志、牧陽一の各氏をお招きし写真家・羽永光利さんとその時代の表現についてお話いただきました。
全講座受講フリーパスコース
美学校で開催している全講座を自由に受講できるというコースです。ご支援してくれた方には、いろいろな講座を受講していただきました。
支援者がいなかったリターン
残念ながら、以下の三つのリターンは支援者の方がいませんでした。
教場命名コース→美学校の三つの教場のどれか一つを命名するというコースでした。
校舎にお名前掲示コース→1970年から続く美学校の歴史ある校舎に、一年間お名前を掲示するというコースでした。
中西夏之設計・木の箱贈呈コース→美学校の教場で開校当時から使用している中西夏之さん設計の木の箱。これは普段は机の足として使用していますが、横にすると座る高さにちょうどよく、積み木のように組み合わせてテーブルのように使うこともできます。その木の箱を贈呈というコースでした。
クラウドファンディングの資金で実現できたこと
ご支援いただいた資金のお陰で、事前にお知らせしていた以下のことを中心に美学校の50周年プロジェクトを充実したものにすることができました。
1)『美学校50周年書籍(仮)』刊行
→8月に『美学校1969-2019:自由と実験のアカデメイア』を刊行!
2)『50周年記念展覧会(仮)』開催
→8月に50周年展「美学校クロニクル 1969-2019 〜51年目の現在〜」を開催!
3)「50周年記念祝賀イベント(仮)」開催
→上述の通り、8月に「Sound of Gigmenta 2019」を開催!
4)新たな50年に向けた設備投資
→中でも資金的なウエイトが一番高かったのが、この設備投資でした。
美学校は創立翌年の1970年に現在の校舎に移ってきてから49年間エアコンがありませんでした。冬はガスストーブがあるので暖かいのですが、夏は扇風機しかないので、異常気象が猛威を振るう21世紀の灼熱さ加減にもう切実に!限界を感じていました。なにせ美学校の夏休みは、暑すぎて授業ができないので休まざるを得ないから夏休みにしているという風説まで出るほどに。
しかもその暑さを乗り越えるための苦肉の策がエアコンのイラストをプリントして壁にはるというもの。エアコンつけないんですか?との問いには、壁に(貼って)あるエアコン(のイラスト)を指差してエアコンありますよと言い張ってましたからね。
しかれど記念すべき美学校の50周年展は灼熱の8月に予定していたため、エアコンをつけなければ展示どころではなくなってしまう!絶対に設置しなければ!と事務局一同危機感を持っていたのです。
そして!ついに!念願が叶って設置されたエアコンです!
教室がボロいから違和感ありすぎて、とってつけたハリボテみたいとか、中に扇風機を仕込んで風出してるだけじゃないのとか散々なことを言われましたが、ちゃんと涼しくなりますから!
奥の教室にも設置して美学校全体が涼しくなるようになりましたよ!
ということで、ご支援いただいた皆さま、本当にありがとうございました!夏は美学校に涼みにきてください!