【集中連載】EN-Tokyo 〜レコード屋とビートが繋ぐ縁〜
vol.2 アーティストインタビュー


東京オリンピックを巻き込みたい!

━━━今後の目標というか、EN-Tokyoで達成したいビジョンを聞かせてください。

色々あるんですが、一番はやはり、東京オリンピックに向けて色んな人を巻き込んでいきたいですね。

━━━東京オリンピックですか(笑)!その単語がここで出るのは驚きです。

僕の知人に、長野オリンピックの時に長野でDJをやっていた人がいます。普段長野のクラブって人口が少なくて、全然一杯にならなかったらしいんです。 音が良くても普段はほんとお客さんが少ないクラブで、オリンピックの時に国外の客で満杯になったと。これと同じ事を、東京オリンピックでも起こせると思うんです。

━━━なるほど。02年のW杯の時もそうでしたが、とにかく海外からも人が沢山集まりますし、街自体がとても盛り上がるタイミングになるのは間違いないでしょう。

これはすごくチャンスだと思う。マイナスの面を強調する意見も多く見られるし、確かに良くない面もあると思うんだけど、これだけ人が集まるというのはもっと利用すべきだし、担いでいった方が良いと思うんです。せっかくのチャンスだし、その東京オリンピックで人が集まるタイミングを狙って、EN-Tokyoを通して何か面白い大きな企画を打てればと考えています。

━━━予想以上にスケールの大きいビジョンが出てきましたね。まさか東京オリンピックを絡めたいとは(笑)。

別に『東京をレペゼンするぜ!』みたいな訳ではないんですが、たまたま住んでるし、単純に色んな人やモノが集まり易い場所だし、そして、言うても首都ですし(笑)。上手く盛り上げていきたいですよね。
ただ一つ心が痛い事があるとすれば、僕自身は千葉在住だという事ですね(笑)。海外にEN-Tokyoコンピを発送するときに、住所がChibaになってるという。まぁそこは東京ディズニーランド理論で押し切って行こうかなと(笑)。
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■Pigeondust(ピジョンダスト)
DJ、ビートメーカー、プロデューサー。1987年、音楽一家に生まれる。クラシックや民族音楽の音源収集や、 レア音源のプライベート盤制作が趣味で家にレコードブースを作ってしまう祖父。ブラコンを聴く母、ジャズ、プログレを集める父、音大教師でピアニストの叔母などから幼少より音楽的洗礼を受ける。小学生でテクノにハマり打ち込み音楽をはじめるが Coldcutや Chemical brothers の影響でサンプリング技術に興味 を持ちすぐにブレイクビーツを組みはじめた。中学でデックスを購入し、ファンク、ジャズ、ディスコな どに音楽幅を広げる。海外レコードコレクターのコミュニティ、SOULSTRUTの影響でオブスキュアなグルーヴ、ライブラリなどを掘り始め中2でクロスオーバーDJを都内のバーなどで行っていた。既にPigeondust名義でトラックを作りネットレーベルなどからリリースする。高校留学時もほとんどの時間をレコードディグに費やし、仙台在住オランダ人 Timmoとアブストラクト・ナード・ヒップホップユニッ トFrictionalsを結成、シカゴを拠点に活動する TFDクルーへ加わった。その後、国内外でMCへのトラッ ク提供を続けたが、ついに 2012年、Grunt Style Inc.と契約を交わし、CDデビュー。日本で開催されるLOW END THEORY JAPAN 2012やStones Throw Japan Tour 2012にDJ として参加もしている。