【アーカイブ配信中】「ゼロから聴きたいモンド・渋谷系」〜聴取の変遷史〜 講師:岸野雄一・ばるぼら・小鉄・矢野利裕

2026年6月28日(日)

引用、参照、文化盗用、再評価——モンド・ミュージックと渋谷系から考える音楽聴取の変遷。

90年代初頭、日本のポップ・カルチャーに大きな影響をもたらした「渋谷系」。

音楽への深い造詣、引用と参照のセンス、諧謔精神、そして“聴くこと”そのものを編集していくような感覚を背景に、渋谷系はメジャーなフィールドへも広がり、多くのミュージシャン、リスナー、批評のあり方に影響を与えました。

その流れと呼応するように、ディープなリスナーたちの間で広がりを見せた流れが『モンドミュージック』です。
ストレンジ、エキゾ、バッドテイスト——それらは単なる珍奇な音楽の紹介にとどまらず、音楽の意味づけが作り手の意図から、聞き手の側へと移っていく時代の感覚とも深く結びついていました。

本レクチャーでは、この2つのムーブメントを”リスナーの聴取スタイルの変遷”という視点から捉え直します。
世代と立場の異なる4名の登壇者とともに、90年代の芳醇な音楽ムーブメントを振り返りながら、ヴェイパーウェイヴ、シティポップ・リバイバル、グローカルビーツ以後の現在地までを検証していきます。

この講座で考えること

「モンド」や「渋谷系」は、単なる音楽ジャンルだったのでしょうか。 本講座では、実際の音源を聴きながら、次のような問いを考えていきます。

* モンド・ミュージックは、なぜ単なる「変な音楽」の総称ではなく、新しい“聴き方”だったのか?
* 渋谷系は、なぜ「渋谷」という街とレコード店文化から生まれたのか?
* 過去の音楽を引用し、編集し、別の文脈で聴き直すことは、音楽にどのような価値を与えたのか?
* 「面白がること」は、いつ諧謔から冷笑へ、引用から文化盗用へと変わるのか?
* レコード店から動画サイト、ストリーミング、レコメンド・アルゴリズムへ。音楽を発見する方法が変わった現在、モンド的/渋谷系的な聴取はどこに残っているのか?

90年代の回顧にとどまらず、私たちが現在どのように音楽を探し、選び、意味づけているのかまでを辿ります。

講座に登場するキーワード

発掘する/聴き直す
ディグ、レアグルーヴ、和モノ、再評価、再発見、聞き手と作り手の力関係

引用する/編集する
引用と参照、サンプリング、カットアップ、エディット感覚、ジャンルの横断

奇妙さを面白がる
ストレンジ、エキゾ、バッドテイスト、マヌケ美、諧謔精神、冷笑、文化盗用

現代へ接続する
ヴェイパーウェイヴ、シティポップ・リバイバル、グローカルビーツ、民謡再評価、レコメンド・アルゴリズム

4つの世代と視点から辿る、モンドと渋谷系

本講座には、モンド/渋谷系との距離や世代の異なる4名が登壇します。

岸野雄一|当事者の視点
京浜兄弟社の活動をはじめ、80〜90年代の現場を知る立場から、モンドが生まれた背景と当時の感覚を振り返ります。

ばるぼら|記録とアーカイブの視点
雑誌、書籍、ショップ、人物、作品を辿りながら、モンドと渋谷系が交錯していく歴史を整理します。

矢野利裕|後発世代からの批評的視点
リアルタイムには間に合わなかった世代から、渋谷系、レアグルーヴ、和モノ再評価などを捉え直します。

小鉄|現代への接続
90年代以後に音楽を受け取った最年少世代の立場から、渋谷系的な価値観が現在どのように継承・変形されているのかを考えます。

当事者の記憶、歴史の整理、後発世代の批評、現代からの再解釈。異なる4つの視点を交差させながら、ひとつの音楽史を立体的に読み解きます。

当日の進行

第一部:基礎編
「なし」だった音楽が「あり」になっていく90年代の聴取感覚(岸野・ばるぼら)

第二部:各論編
後続世代から見たモンドと渋谷系(矢野利裕・小鉄・岸野・ばるぼら)

第三部:まとめ
エディット感覚と現在地(岸野・ばるぼら・矢野利裕・小鉄)

開催概要

講師
岸野雄一、ばるぼら、小鉄、矢野利裕

日程:
6月28日(日) 

放送時間:
3時間58分 

受講料:
1,500円(アーカイブ)

形式:
対面/オンライン

会場:
美学校本校4F音楽室
東京都千代田区神田神保町2-20第2富士ビル4F

申込み:
Peatixリンク よりお申込みください。

アーカイブ動画視聴に関して
アーカイブお申し込み期間:2026年6月30日〜2026年9月30日
視聴期限は2026年12月31日までとなりますのでご注意ください。
※アーカイブ動画ではプレイバックされた音楽部分はカットや映像の差し替えを行います。予めご了承ください。

【キャンセルにつきまして】
お客様都合によるキャンセルは承っておりません。何卒ご了承ください。

講師プロフィール

岸野雄一(きしの・ゆういち)

勉強家(スタディスト)
東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻と京都精華大学メディア表現学部の非常勤講師。美学校音楽学科の主任。第19回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門大賞受賞。2025年日本民放連盟賞ラジオエンターテインメント部門最優秀受賞。ヒゲの未亡人、流浪のDJ。

ばるぼら

networker.
https://note.com/bxjp

小鉄 昇一郎(こてつ・しょういちろう)

1990年香川県出身/東京在住。
音楽制作、DJ、音楽ライターとして活動。
tofubeats『Vibration』客演、ゲーム『MINDHACK』サントラ、連載『CD再生委員会』など、幅広く実績多数。

-音楽制作-
tofubeats『Vibration』ラップにて客演
ゲーム『MINDHACK』サウンドトラック制作
T-STONE『Let’s Get Eat』トラック制作
※TikTokビルボードチャート1位・YouTube500万回再生

-ライター業-
ミュージック・マガジン、Quick Japan、集英社オンライン、他多数の媒体に寄稿
過去のインタビュイーにみうらじゅん、DJ MURO、大沢伸一、アレン様ほか
タワーレコード”Mikiki”にて『CD再生委員会』を連載中

-映像編集-
さとうもか『Lukewarm』『Loop』
柴田聖子『Reebok

矢野利裕(やの・としひろ)

批評・DJ。文芸と音楽を中心に批評活動をしている。
著書に、『コミックソングがJ-POPを作った』(P-VINE)、『ジャニーズと日本』(講談社現代新書)、『「国語」と出会いなおす』(フィルムアート社)、『学校するからだ』(晶文社)など。

〈オープン講座〉


日本のカウンターカルチャー

◆講師:パンス
▷コメカ氏とのテキストユニット「TVOD」としての活動に加え、初の単著『「いまどきの若者」の150年史』(ちくまプリマー新書)を刊行したパンス氏による講座を開催。
「カウンターカルチャー」を手がかりに、アート、マンガ、映画、音楽を横断しながら、同時代の政治や社会の動き、さらに海外の潮流も視野に入れつつ、日本の文化史を立体的に読み解いていきます。

映画を聴く

◆講師:岸野雄一
▷この講座では、映画における音/音楽の歴史や方法論、その効果を読み解く技術、すなわち『映画の聴き方』を身につけていきます。
授業では講師の所有する膨大な映像アーカイブをプレイバックしながら、20世紀以降の映像の発達史から、21世紀現在にまで繋がる音と映像の発展史を解読し、概念と方法論を体系化していきます。