【オープン講座】絵画講座+座学:絵の上で迷子になる(講師:小山維子、吉村真)

2025年8月23日(土)、8月30日(土)、9月6日(土)

絵画講座+座学:絵の上で迷子になる

講師 小山維子(画家)、吉村真(美術史研究)

「絵を描く」というとき、そのきっかけや方法は人によって様々だと思います。
描きたいイメージや対象を探すところから始める人、素材への興味から体が反応する人、技法への探究心で絵にむかう人────

絵を描いているとき、私たちはしばしば迷います。何を描くのか、どう描くのか。はたまた描かないのか。
ひたすらじっくり目の前の絵をみるという判断が大切なときもあるでしょう。
何をもって絵の完成と呼んでいるのでしょうか。そもそも完成とはあるのでしょうか。
考えれば考えるほど迷いはつきません。

この3日間の講座では、その「迷い」を起点として、絵の支持体をいつもとは違う視点で選ぶことから始めます。
画材店で売っている「絵画制作専用」の紙やキャンバスではなく、日常のなかでふと手に入ってしまう紙や布など、ある種の扱いにくさが面白味でもあるような支持体を使って描いてみます。

絵を描くひとたちが絵と共に集って描いたり話したりすることで生まれる、絵の周りにある時間や空間のすべてがこの講座の大切な要素です。

講 師:小山維子(画家)、吉村真(美術史研究)

日 程:[全3回] ①2025年8月23日(土)13-17時、②8月30日(土)17-18時半、③9月6日(土)13-17時
★8月30日開催の座学講座は単発での申し込みが可能です
詳細はこちらより>レクチャー「四角い平面を疑う、あるいは選択するために」

受講料:9,500円 (3日間通し参加のみ)

定 員:8名

会 場:美学校 本校(地図
     東京都千代田区神田神保町2-20 第二富士ビル4F

形 式:対面のみ

申込み:募集終了

支払い:会場の受付にて直接お支払いください。


◼️講座内容
①8/23(土)13-17時・・・作品制作
講師が用意した様々な素材と向き合って、絵を描く。

持ち物
絵の具、色鉛筆、パステルなどの普段使っている、使いたい描画材。
★可能であれば、ご自身の描いた絵(自己紹介のために使用します。手持ちで持って来れる程度の大きさの絵をぜひご持参ください)

②8/30(土)17-18時半・・・レクチャー(座学)

座学講座| 「四角い平面を疑う、あるいは選択するために:絵画の支持体について」
講師:吉村真(美術史研究)

③9/6(土)13-17時・・・作品制作+フィードバック

作品制作を引き続き行います。また、先週の講義も踏まえて、持ってきた支持体の交換をして絵を描く時間も設けます。
随時参加者と講師(小山維子、吉村真)で制作の過程や迷いについて話します。

持ち物:他の参加者に描いてみてほしい支持体
※詳しくは講座の中で補足しお伝えします

◼️定員
募集終了

◼️講師プロフィール

小山 維子(おやま・ゆきこ)

画家。1993年宮城県出身。 2015年多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業。矩形に定められた画面と戯れながら、定まりきらないことについてどのように向き合っていくか思考しながら制作をしている。 最近の展覧会に「遠回りの嗅覚」(古書コンコ堂、東京、2024)、「アスク/モノローグ」(Gallery TURNAROUND、宮城、2024)、「VOCA展2024」(上野の森美術館、東京、2024)、「ア・プリオリな他者の記憶 The Memory of A Priori Others 二人展|小山維子+片柳拓子」(The White、東京、2024)など。

《二重奏》
2024年
左 あらわれることについて
右 ふれることについて 

《くつろぐことについて》
2023年

吉村 真(よしむら・しん)

美術史家。 2023年に早稲田大学大学院文学研究科美術史学コース博士後期課程を満期退学。 今日の美術の諸制度が確立された西欧近代の美術史において周縁に位置づけられてきたアーティストの作品や些末なものとして扱われる出来事の読み直しを通じて、「そうありえた/いまだない」美術史の語りを模索する。美術史家という立場で展覧会やプロジェクトに関わることで、複数の仕方で近代と現代を接続する試みを実践している。

・主な論文・エッセイ
「無秩序なるパリ」(坂上桂子編『近代都市と絵画』水声社、2024年 )
「ボナール《ミモザの見えるアトリエ》における距離の問題」、「「二十世紀のボナール」研究における二つのアプローチ」『言語社会』第60冊(一橋大学大学院言語社会研究科、2021年)
「ピエール・ボナール作《画家のアトリエ》に関する考察 1900年頃における窓のモティーフ」『美術史研究』第55冊(早稲田大学美術史学会、2017年)

・主な翻訳
シュテファン・グロナート「生産としての複製 ゲルハルト・リヒターの芸術における写真の役割について」『ゲルハルト・リヒター展』東京国立近代美術館/豊田市美術館、青幻社、2022年