本田靖春ナイト


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「かつて私は新聞社の社会部記者であった。本人としては長い年月が経たいまも、社会部記者をやっているつもりである。」(『我、拗ね者として生涯を閉ず』講談社 より)

このたび、美学校ではノンフィクション作家 本田靖春にフィーチャーしたイベント「本田靖春ナイト」を開催いたします。『不当逮捕』『誘拐』など、戦後ノンフィクションの金字塔を打ち立てた本田は、新聞社を辞めたあとも自分は「生涯社会部記者」であるとし、複雑化する事件の本質に迫り、既存のジャーナリズムや目の前の豊かさに邁進する日本人に苦言を呈し続けました。そんな本田が亡くなって今年で10年。今、私たちが暮らす社会は、ノンフィクションは、ジャーナリズムはどうなっているか。今後どうするべきか。皆さんと一緒に考えたいと思います。

▶本田靖春
1933年、旧朝鮮・京城に生まれる。早稲田大学政治経済学部新聞学科を卒業し、55年、読売新聞社に入社。社会部記者、ニューヨーク特派員などとして活躍。特に、精力を傾けた連載「『黄色い血』追放キャンペーン」では、日本の献血制度確立に多大な貢献を果たす。71年に退社し、フリーのノンフィクション作家となる。84年、先輩記者・立松和博氏の挫折を描いた『不当逮捕』で講談社ノンフィクション賞を受賞。代表作に『誘拐』『私戦』『村が消えた』『疵』など。2004年12月、多臓器不全のため死亡。享年71。没後、遺作として『我、拗ね者として生涯を閉ず』が刊行された。
 


トークゲスト:武田浩和(河出書房新社編集者)、鶴田裕介(読売新聞記者)
日 程:2014年2月6日(木)
時 間:19:00〜21:00 22:00(予定)
参加費:1500円(1drink付)
会 場:美学校 本校(地図)
    東京都千代田区神田神保町2-20 第二富士ビル3F
企 画:木村奈緒
主 催:美学校


 【急きょ上映決定!】

原作:本田靖春『誘拐』、監督:恩地日出夫、主演:泉谷しげる
長らく再放送されていなかったテレビドラマ「戦後最大の誘拐・吉展ちゃん事件」を上映します!

「戦後最大の誘拐・吉展ちゃん事件」
第34回芸術祭優秀賞、第12回テレビ大賞、第17回ギャラクシー賞、第20回日本テレフィルム技術賞(撮影・録音)受賞作品。戦後最大といわれる誘拐事件の特別捜査の全貌をドラマ化。事件の推移と犯人の生い立ちを追う。長らく再放送されておらず、2008年の「黄金町完全無罪フェスティバル2008~泉谷しげるが来るンだから大目に見ろよ祭り~」内で黄金町シネマ ジャック&ベティにて1週間だけ上映された。(参考:テレビドラマデータベース http://www.tvdrama-db.com/drama_info/p/id-17322)

監督:恩地日出夫
出演:泉谷しげる、市原悦子、北村総一郎、音無美紀子、島えいじ、殿山泰司、芦田伸介 等

【イベント時間の変更】
上映にあたり、イベントの開催時間が下記の通り変更になります。
19:00-22:00(予定)
※19:00-20:30 ゲストによるトーク
 20:30―22:00 テレビドラマ上映
 
【ゲストプロフィール】

武田浩和
1982年東京都生まれ。2005年より河出書房新社に勤務。07年より編集部配属。10年に本田靖春の軌跡を振り返る特集ムック『文藝別冊 本田靖春 「戦後」を追い続けたジャーナリスト』を、11年に本田靖春単行本未収録作品集『複眼で見よ』の編集を担当。昨年の編集担当書籍は、川名紀美『アルビノを生きる』、小林美希『ルポ産ませない社会』、松林要樹『馬喰』、ピート・タウンゼンド『ピート・タウンゼンド自伝フー・アイ・アム』、うまい棒同盟監修『やおきん公認 うまい棒大百科』など。

鶴田祐介
1978年生まれ、愛知県出身。名古屋大学を卒業し、3年間のフリーター生活の後、2005年、読売新聞東京本社入社。金沢支局、社会部を経て、現在は文化部記者としてテレビ・ラジオを担当している。