Menu

Home
講師インタビュー(2007年版)/西村陽一郎(写真工房)

講師インタビュー(2007年版)/西村陽一郎(写真工房)



そしてドキドキしながらドアを開けました。その瞬間「あぁ、ここだ!」というのを感じましたね。そして、いきなり今泉先生に「まぁ座りなさい。」と案内してもらい、「まぁいきなさい。」とコップに焼酎をついでもらいました(笑)。

━━━いきなり(笑)。

西村 いきなり。今はたまたま写真工房の講師になっていますが、未だに毎週美学校に来るときは、その時のことを思い出します。階段を上がるとドキドキして、近づくと段々段々緊張するんです。僕にとってはそんな場所です。

━━━そうですね、やはり美学校というのは独特の雰囲気がありますよね。校舎がビルのワンフロアですし(笑)。

西村 僕は始め美学校が美術の学校だということすら意識していなかったんですが、美学校に入ってから色々なことを学びました。色んな工房の雰囲気を肌で感じられたのが良かったですね。

━━━では、銀塩の一番の魅力・楽しさというのは何なのでしょう。写真工房に入ったら、こういうところを楽しんで欲しいというのはありますか?

西村 光を当てただけなのに、暗闇の中で現像液に入れたら、絵がフワァッと浮かび上がってくるというところかな。浮き上がってくる瞬間、それはもう感動ですよ。写真を二十数年やっていますが、未だに露光して現像液に入れて絵が浮かび上がってくる瞬間には感動します。同じことがないですしね。

もちろん作業としては同じことをやるように努めます。しっちゃかめっちゃかやっていたらバラバラになってしまいますから。普段は同じ様に、例えば液温を20℃ピッタリにする等、きちんとセットして細かく作業をしていきます。

けれども同じことをやっているのにもかかわらず、出てくるものに同じものはありません。同じ人が同じ作業をやって、好きなものだけを撮っても、同じものは出てこない。それはやっているとわかってきて、面白くなります。自分でも写真ができるんだなというか、写真から勇気をもらうというか。

━━━やはりその辺りが、体験しないとわからない部分でしょうか。

西村 そうですね。ただそれは銀塩に限らないのかもしれない。僕は銀塩から始めて、それを楽しんで続けてきているから僕は銀塩だなと思うけれども、多分デジタルで始めた人はデジタルで同じように深い世界があるのではないかと思います。

━━━それでは最後に、美学校に来たいと思っている人、もしくはこれから写真を始めようと思っている人、銀塩に興味があってやってみたいという人などへのメッセージをいただけますでしょうか?

西村 美学校は基本的に一年単位なので、まずは気軽に一年間暗室に入ってみたらどうでしょう。楽しいですよ。これは保証します。写真が次にやることを教えてくれる、導いてくれる。それはもう人それぞれ違いますから。

大島 写真に限らず、美学校に長い間いて作業をしている人は大勢いらっしゃるので、新入生は先生ばかりでなく、その人達にも色んなことを教えてもらえます。とても有効にその場を使え、基礎や技術を学べる、すごくいい場所だと思います。

━━━初めて来て困ったことや、美学校で気を付けるべきことはありますか?

大島 美学校に来るまでの道は迷いますね(苦笑)。

━━━たしかに(笑)。では、美学校の魅力とは?

大島 365日このスペースを使えるので、いつ来ても作業できるというのがいいところですね。深夜来てもいいし、早朝来てもいいし。大きい作品も作れます。みなさん優しい人ばかりなので、楽しいと思います。

やりたい時にやりたいという人がピッタリかもしれません。例えば、昼間に仕事をして夜は作業をするという人もいますし、どっぷり美学校という人もいますし。工房展とかの機会があると連日通ったり。

みんながコンスタントに作業を進めていける訳ではないので、やりたい時が過ぎちゃうとまいっかみたいになってしまう。けれどもやりたい時にやれるんですよ美学校って。それがいいところですね。

━━━写真工房ってよく工房展をひらいてらっしゃいますよね?

西村 そうですね、年に3回程を目安にしてやっています。ただ大島君みたいに場数を踏んで自分の世界が広がっていくと、自分で企画して展覧会をしたりしているので、工房展に必ずしも参加しなくて構いません。二年生、研究生になれば参加も自由ですから。ただ一年生はみんなでいっしょに始めてみましょう。

写真て、銀塩でもデジタルでも撮りっぱなしが多いんですよね。なので形にして、壁面に掛けてみるとか、天井に掛けてみるとか、とにかく表に出してみるのは大切だなと思います。実際僕も学生の時に工房展に出せてよかったなという経験があります。

最初は展示することに抵抗もありましたし、写真をやる人はデリケートでシャイな人も多いので、出さないくてもいいという人もいるんですけどね、背中を押すような意味も込めて工房展というものをやっていきたいなと思ってます。

━━━今日はどうもありがとうございました。

 

Nishimura Yoichiro

▷授業日:毎週金曜日 13:00〜17:00
カメラの持ち方やフィルムの入れ方など、順を追って実習を進めていきます。「銀塩フィルム」による撮影、ケミカルをつかった手現像、バライタ印画紙への手焼きプリント、筆と墨による修正などが中心のカリキュラムです。

 


ページ: 1 2