LL教室(森野誠一・ハシノイチロウ・矢野利裕)による、平成J-POPをテーマにした2日間の短期講座を開催!
この講座では、平成から現代に続くJ-POPの進化を紐解き、日本の音楽文化や多様性社会との関わりを検証します。知識を共有することで、音楽をより深く楽しむための新たな視点を得る場となる事でしょう。
講 師:
LL教室(森野誠一・ハシノイチロウ・矢野利裕)
日 程:
2025年 2月2日(日)、2月9日(日)/全2回
時 間:
各回19:00 〜 21:00
受講料:
2日通し券(現地先着25名)アーカイブ付き・・・4,300円
2日通し券(オンライン)アーカイブ付き・・・4,000円
形 式:
対面&オンライン
会 場:
美学校本校2F(音楽室)
東京都千代田区神田神保町2-20第2富士ビル2F(教室までの行き方)
申 込:
こちらのPeatixのページからお申し込みください。
アーカイブ動画視聴に関して
アーカイブは二日間の内容となり、視聴期限は2025年4月30日までとなりますのでご注意ください。
※アーカイブ動画ではプレイバックされた音楽部分はカットや映像の差し替えを行います。予めご了承ください。【キャンセルにつきまして】
視聴用のURLが送信される都合上、お客様都合によるキャンセルは承っておりません。何卒ご了承ください
講義内容
第1回「【平成前半】CDバブルとその終焉~あのとき、わたしたちはなにを聴いていたのか~」
平成の幕開けとともに「J-POP」という呼称が生まれ、ほどなく定着しました。あのとき、わたしたちはなにを聴いていたのでしょうか。第1回講義ではおもに平成の前半期を取り上げ、ビーイングや小室サウンドなどCDが爆発的に売れていた90年代を概観し、CDの売り上げが低迷する2000年代までを語ります。
インターネットが普及した時期、ネット掲示板ではパクリ騒動が盛り上がり、オレンジレンジが槍玉にあげられていました。そこに渋谷系の影はあるのかないのか。そのオレンジレンジと同時期、ラップを取り入れた歌ものや桜ソングが大流行していたが、あれはなんだったのか。
ヒップホップとR&Bはいかにお茶の間に入り込んだのか。はたまたインディーズのほうからはメロコアの台頭があり、その流れのなかで人気となったBUMP OF CHICKENは現在でも大きな影響力を持っています。あるいは、アジカンはその後の「邦ロック」の先鞭を付けるように活動を始めています。
CDはどんどん売れなくなり、みんなフェスに行くようになりました。かと思えば、アニソン、ボカロなどのナードなアーティストも増えてきました。CD爆売れ以降の2000年代になって、現在のJ-POPシーンにつながる動きがたくさん出てきています。
第1回講義では、現在の視点から平成前半期(1989~2008)を振り返りたいと思います。
第2回「【平成後半】混沌とするJ-POPと聴取環境の多様化~わたしたちは本当に音楽を聴いているのか~」
アイドル戦国時代とともにやってきた平成後半期。CDは投票券となり音楽を音楽として受容することも当たり前ではなくなりました。その裏面として「楽曲派」なんていう言葉も出てきて、「みんななにを聴いているの!?」どころか「本当にみんな音楽を聴いているの!?」と言いたくなるくらい。でも、フェスや握手会・チェキ会、あるいはタイアップなど音楽にまつわる体験そのものを楽しんでいるという意味では、昔ながらのポピュラー音楽に戻ったと言えるかもしれません。第2回は、そんな2010年代以降の多様化するJ-POPの時代について考えたいと思います。
折坂悠太に至るうたものブーム。ゆるやかに形成された東京インディーのシーンおよびシティポップとか言われたり言われなかったり。インディーズとクラブシーンをつないでいたカクバリズム。でも、そのルーツにはPIZZA OF DEATHの存在があったり。邦ロックは全面展開をしてサカナクションという達成へ。
星野源の大ブレイクはなにを意味しているのでしょうか。音大出身ミュージシャンも多く、レベルが一気に上がったバンド勢。髭男とKing Gnuは巧すぎて困りますね。インターネットの動向も無視できないまま、ボカロP出身の米津がいたかと思えば、ヴェイパーウェイヴ~フューチャーファンクも時代を彩りました。そして、ノヴェルティソング(リズム歌謡!?)としてのVaundyとAdoへ。混沌とした2020年代に向けて、みんなで考えましょう!
講師プロフィール
LL教室
2015年、構成作家の森野誠一、日本語カヴァー曲研究家のハシノイチロウ、批評家の矢野利裕の3人によって結成されたユニット。
音楽イベントのDJ、ラジオ番組の選曲、J-POPについてのトークイベントを主催するなどの活動をしている。・森野誠一…構成作家として主に音楽・バラエティ番組を担当。テレビ東京『ゴッドタン』の人気企画「芸人マジ歌選手権」ではマキタスポーツ presents Fly or Dieにベーシストとして参加、「ROCK IN JAPAN FES」「COUNT DOWN JAPAN FES」などにも出演している。「Pop’n music」「太鼓の達人」などのリズムアクションゲームにも楽曲提供。
・ハシノイチロウ…「洋楽の日本語カヴァー曲」研究の第一人者として、収集したレコードをブログやラジオなど各メディア上で紹介している一方、酸辣湯麺を食べ歩く活動では『マツコの知らない世界』(TBS)にも出演。
・矢野利裕…作家・DJ。音楽と文学を中心に批評活動をおこなう。2014年、「自分ならざる者を精一杯に生きる」で第57回群像新人文学賞優秀作を受賞。 著書に『コミックソングがJ-POPを作った』(P-VINE)、『ジャニーズと日本』(講談社現代新書)、『学校するからだ』(晶文社)、『今日よりもマシな明日 文学芸能論』(講談社)など。
〈オープン講座〉
◆講師:岸野雄一
▷この講座では、映画における音/音楽の歴史や方法論、その効果を読み解く技術、すなわち『映画の聴き方』を身につけていきます。
授業では講師の所有する膨大な映像アーカイブをプレイバックしながら、20世紀以降の映像の発達史から、21世紀現在にまで繋がる音と映像の発展史を解読し、概念と方法論を体系化していきます。