都内若手ビートメーカを中心に、レコード屋の街・神保町で開催される『参加型ビート制作イベント』EN-TOKYO。神保町の中古レコード屋で購入したレコードを素材に、美学校のアトリエで一晩かけてビートを作るというこのイベントも、2016年1月16日ではや8回目をむかえた。今年一回目のEN-TOKYOの様子をフォトレポートでお届けする。
22:00頃、授業の終わった美学校アトリエに、レコードを存分にディグったビートメーカーたちが続々と集まってくる。レコードたちは戦利品にして、今日の制作のための『素材』だ。
この日の模様は『EN-TV』としてUST配信された。EN-TOKYOコアメンバーには国外のファンも多く、海外からの視聴数も毎回多いという。ビートが共通言語となるおかげで、日本語ラップなどと比べても海外との距離感が非常近いにもこのシーンの特色かもしれない。
デスクトップを持ち込んで制作するという気合いの入った参加者も!この日は公募にて、地方からのビートメーカーも参加してくれた。
EN-TOKYO立ち上げメンバーであるPigeondust(左)と、New Masterpieceなどから作品をリリースするΔKTR(右)。
USTプログラム『EN-TV』がスタート。司会は、EN-TOKYOのビジュアル周りを一手に引き受けるデザイナー兼ビートメーカーのSalty(右)と、EN-TOKYOコアメンバーであり、海外人気も高いビートメーカーのLidly(左)。
一人目のゲストは、Urban Wavesから新作をリリースしたばかりのTajima Halを向かえてのライブ&トーク。ジャジーでスブスブと沈み込むようなビートが心地よい。
二人目のゲストは、LOW HIGH WHO?プロダクションより1stフルアルバムを発売したRyuuta Takaki。まだ20歳の若手だが、10代の頃から既にシーンでは頭角を表しており、その実力は十分。ベースミュージックやエレクトロニカなどの要素も織りまぜ、ビートミュージックの枠組みに収まらないポテンシャルを聴かせてくれた。
トークでは普段SNSだけではわからないビートメーカーの素顔が伺えた。
ひたすらネタを聴き、刻み、ビートを作り上げる。首を振りながらみんなノリノリ。
3:00頃、長い夜のお供、夜食!この日はスタッフによりおでんが振る舞われた。ビールとの相性最高で、制作も進む。
そろそろ明るくなろうかという時間に、制作発表が行われた。写真は、若手の中でも頭一つ抜けたセンスと実力をもち、Kid Fresinoなどにもトラックを提供しているAru-2の発表の様子。この日も、短い時間にも関わらず、安定感あるクオリティと攻めたサウンドの両方を詰め込んだビートを完成させた。
明け方のテンションによるDJ M◯KIDAIメガネ装着。埼玉のビートメーカー、matatabiは、人柄のにじみ出るユーモラスなトラックを聴かせてくれた。
これまでは不定期で開催されてきたEN-TOKYOだが、2016年は月イチペースで開催予定とのことだ。
基本的に、参加者の『縁』によって開催されるEN-TOKYOだが、決して閉じたコミュニティという訳ではなく、公募による見学や制作参加も受け付けている。この周辺のサウンドに興味を持った人は次回以降、遊びにきてみては如何だろう。