【レポート】「デザインソングブックス」公開授業 第1回(全2回)「大原大次郎によるオリエンテーション」


文=西野友季子
写真=デザインソングブックス受講生


12月10日、17日の2週にわたって開催される「デザインソングブックス」の公開授業。(公開授業詳細ページ)第1回目の授業は、デザインソングブックス講師大原大次郎によるオリエンテーション、第2回はゲストとしてアートディレクター・デザイナーの菊地敦己さんを迎えての特別講座を行います。(※公開授業の申込みは締切り済み)

このレポートでは12月10日に開催された第1回目の様子をお届けします。

今回の公開授業は、菊地敦己さんがいらしてくださるこのチャンスをどのように生かしていくか、単に聴講や見学だけでない方法を探り、受講生によって企画されました。

デザインソングブックス》では、講義のある毎週木曜日の3時間もさることながら、課題を持ち帰って、各自熟成させてくる授業と授業の間の1週間も、それぞれが苦しみながらも楽しんでいます。公開授業の参加者にも、菊地さんに来ていただく12月17日の3時間だけでなく、その前の週にオリエンテーションを設けることで、1週間《デザインソングブックス》をどっぷり体験してもらおうという試みです。

▼公開授業に集まって下さったみなさんと

集まってくれた方

講座《デザインソングブックス》について


まずは大原さんから、講座《デザインソングブックス》の概要説明がありました。このクラスでは具体的なデザインの技法を学ぶわけではないけれど、職業も年齢もバラバラで問題意識も違う参加者それぞれが仕事や実生活で活かせる何かを持ち帰ることができるところであること、他の人の発想やリサーチからもお互いに学びあうことができること、社会に出ると機会がめっきり減ってしまう、「手遊び」を重ねる場だということが伝わったのではないかと思います。

私たちは授業でこのようなことに取り組みながら学んでいます。

・Twitter:https://twitter.com/song_books
・tumblr:http://design-song-books.tumblr.com

フリーズしないで動かしてみよう!


来週のゲストである菊地敦己さんの活動紹介のあと、「これから発表する演習課題を通して、来週は菊地さんとみんな(受講生)がやりとりしてほしいと思うので演習課題をやってみよう」と大原さん。

でも、「さあ、話し合って」「さあ、これやって」と言われたとき、瞬間頭が真っ白になって、フリーズしてしまうことってないですか?それを打破するアドバイスもしてくださいました。

・どんどん触ってみると、客観的な気づきなど手から入力することがある。声を出すでも、うなずくでもいいから動いてみて、触るくせをつけていこう。

・正解を探らず、どれだけ頭を使って手を動かしたかが重要。(このクラスでは正解を求めていません)

・「そもそも○○ってなんだろう」と考えてみるのもいいですね。

・カンニングもオッケー!他の人がどうしているかを見るのも大事です。

演習課題


別紙の図版は、菊地敦己氏による展覧会
“Creation Is Free. Production Needs Fee.”からの引用図版です。

こちらの図版をそれぞれに解釈し
独自に加工・変型をし、
指定の四六版半裁用紙にアウトプットしなさい。

加工・変型の度合いも独自性に委ねます。
増殖、色変更、質感変更なども自由です。
成果物には原価割れしない価格を設定する。

オリジナルのデータを使用したい場合は下記アドレスよりダウンロードすること。
http://exhibit.atsukikikuchi.com/

【時間】1時間30分
【描画材】自由・PC可

▼別紙の図版

別紙図版

▼もくもくと課題に取り組むみなさん。フリーズしている人は見当たりません。

もくもく

もくもくもく

アウトプットはさまざま


▼同じお題に対してそれぞれの1時間半を経たアウトプットはさまざまです。

さまざまなアウトプット

分類する


1時間半後に出てきたそれぞれの成果物を机に並べ、どんな分類ができるか並べ替えてみました。

みんなの中から出てきたキーワードは「概念系」「グラフィック系」「プロダクト系(平面でないもの)」。

▼成果物を確認しながら分類

分類

▼「概念系」菊地敦己風の方法論をひもとく

概念系

▼「グラフィック系」様々なものに見立てて活躍する劇団のポスター

グラフィック系

▼「プロダクト系」図版を光の形で

プロダクト系

プレゼンの後、大原さんからひとりずつ丁寧に講評していただきます。ブラッシュアップに向けての重要なヒントをみな真剣に聞いています。

講評

真剣に聞く

また来週会いましょう


今回の成果物を各自でブラッシュアップしてくることを宿題に(質問受付、情報交換などあり)、続きはまた来週です。みんなの1週間の時間の使い方、きっと変わってくると思います。どうなるのでしょうか。不安もあるけど楽しみです。

▼デザインソングブックスから生まれたプロダクト『ヤッホーてぶくろ』と発売されたばかりの大原大次郎特集の『アイデア』372号

ヤッホー

☆第2回目のレポートはこちら

Ohara Daijiro

▷授業日:毎週木曜日 19:00〜22:00
『デザインソングブックス』は、その生モノに取り組みながら、独自の<ツール><方法><環境>を探り、書くこと(記述と設計)と話すこと(発声とパフォーマンス)、デザインをするための過程から実践までを共有する場です。年齢、経験不問です。ぜひご参加ください。