
アルコール依存症をきっかけに断酒したアーティスト・中島晴矢が、酒を飲まずに酒場を巡るノンアルコール酒場紀行『断酒酒場』。本書の刊行を記念し、マンガ家の久住昌之さんを迎えたトークイベントを美学校で開催します。
酒を飲まないまま酒場に足を運ぶという中島の実践は、下戸として街を歩き、黙々と食事を重ねる『孤独のグルメ』の主人公・井之頭五郎の立ち振る舞いともどこか重なります。一方で久住さんといえば、酒場や居酒屋をこよなく愛し、酒と食、街を楽しむ姿を発信し続けてきた存在です。
酒を飲む・飲まないという違いはありつつも、両者に共通しているのは「酒場が好き」という感覚そのもの。お酒への距離感は異なれど、だからこそ酒や酒場について、さまざまな角度から話ができるのではないか──そんな思いから、今回の対談が実現しました。
『断酒酒場』は、酒を断った著者が酒場という場所に通い続けるなかで、店の空気や人の振る舞い、街の表情をあらためて見つめ直していくエッセイ集です。久住作品に通底する、メニューを「読む」ことの面白さや、店との距離の取り方、街を歩く視点は、中島自身が強い影響を受けてきたものでもあります。
当日は書籍の話題に加え、酒場という「場」の魅力、街の歩き方や見方、久住さんの美学校での経験や表現の起点、さらには赤瀬川原平や路上観察学会から受けた影響など、食・街・表現を横断するかたちで対談を行います。また、本の雑誌社からの刊行という点でも縁の深い両者ならではの話題にも触れられればと思います。
酒を飲む・飲まないに関わらず、酒場や街を歩くことが好きな方、マンガやアートといった表現に関心のある方まで、どなたでも大歓迎です。気軽に立ち寄る感覚で、ぜひご参加ください。
登 壇:久住昌之(マンガ家)× 中島晴矢(アーティスト)
日 時:2026年3月8日(日)15:00〜17:00(開場 14:30)
参加費:一般1,500円/書籍持参者・購入者 1,000円
申込み:ページ下部のフォームからお申し込みください。
会 場:美学校 本校 3階(地図)
東京都千代田区神田神保町2-20 第二富士ビル3F
※ 当日会場で書籍『断酒酒場』を購入される方は書籍代(税込2,200円)を併せてご用意ください。 すでに書籍をお持ちの方は、当日ご持参ください。参加費が割引になります。
※ 会場ではアルコール / ノンアルコールのドリンクを販売します。
※ 本イベントは編集の上、YouTubeにて後日配信予定です。
プロフィール

久住昌之(くすみ・まさゆき)
マンガ家・ミュージシャン。1958年東京生まれ。法政大学卒。1977年美學校・絵文字工房で、赤瀬川原平に師事。1981年、泉晴紀(現・和泉晴紀)と組んで「泉昌之」名でマンガ家としてデビュー。 泉昌之名義では「かっこいいスキヤキ」「ダンドリくん」「食の軍師」など単行本多数。1999年実弟・久住卓也とのユニット「Q.B.B.」で描いた「中学生日記」により第45回文藝春秋漫画賞受賞。谷口ジローとのマンガ「孤独のグルメ」は、2012年にTVドラマ化され現在も続く。劇中全ての音楽の制作演奏、脚本監修、出演。「孤独のグルメ」単行本は、フランス・中国・ブラジルほか11カ国で翻訳出版される。マンガは他に水沢悦子と組んだ「花のズボラ飯」、土山しげると組んだ「野武士のグルメ」が、ドラマ化・海外翻訳出版されている。エッセイは「ひとり呑みめし肴かな」「東京都三多摩原人」ほか多数。2019年、絵本「大根はエライ」(絵・文 久住昌之 福音館書店)が「第24回日本絵本賞」を受賞。2025年1月、劇場版「孤独のグルメ」が全国東宝系映画館で公開。

中島晴矢(なかじま・はるや)
1アーティスト。1989年神奈川県生まれ。法政大学文学部日本文学科卒業、美学校修了。2019年より美学校「現代アートの勝手口」講師。近代文学・サブカルチャー・都市論などを補助線に、現代美術・文筆・ラップといった領域横断的な活動を展開。ユーモアとアイロニーを散りばめたアクチュアルかつ批評的な表現をミクストメディアで実践している。主な個展に「ゆーとぴあ」(WHITEHOUSE/2025)、「東京を鼻から吸って踊れ」(gallery αM/2020)、「バーリ・トゥード in ニュータウン」(TAV GALLERY/2019)、グループ展に「MEET YOUR ART FAIR」(寺田倉庫/2023)、「ART FAIR TOKYO」(東京国際フォーラム/2021)、「TOKYO2021 美術展」(TODA BUILDING/2019)、著書に『断酒酒場』(本の雑誌社/2026)、『オイル・オン・タウンスケープ』(論創社/2022)、掲載図録に『TOKYO 2021』(青幻社/2021)、『東京計画2019』(武蔵野美術大学出版局/2020)など。
書籍情報

『断酒酒場』
著者:中島晴矢 予価2200円(税込)
2026年2月16日発売予定
これは現代版「芝浜」だ!
絶対にマネしないでください!
アルコール依存症で酒を断ったアーティストがノンアルコールで酒場を巡る。
一見矛盾した行為に秘められた覚悟と夫婦愛を描く酒場紀行。
アルコール依存症と診断された著者が、断酒状態で東京近郊の酒場を探訪する。錦糸町、十条、上野、松戸、金町、三軒茶屋、立石、門前仲町……そして落語「芝浜」の舞台でもある芝。依存症治療では、再発のトリガーとなる刺激を減らすため、物理的にも心理的にも依存対象から距離を取るのが定説なのに、なぜリスクを冒してまで前線へ出向くのか!? それは酒場という空間が好きだから。
まずは町屋の居酒屋「大内」を訪れ、酒を飲まない状態での居酒屋体験を試みる。ソフトドリンクのメニューからジンジャーエールを選択。ツマミには大和芋いそべ揚げや刺身を注文し、白ご飯を追加。酒がないことで食事が定食化し、満足感を得る。酒場での食事は新たな楽しみとなり、酒がなくても美味しい体験ができることを実感する。
コロナ禍により酒場から酒が奪われた時期とも重なる、異色の”ノンアルコール酒場紀行”、ここに誕生!
断酒者が愉しむ酒場一覧(各店の名物メニューをカラーで掲載)
町屋「大内」
錦糸町「寿ぶき」
十条「斎藤酒場」
上野「たる松」
水戸「八丁」
松戸「松戸酒場」「上州屋」
金町「山吹」
富津「やま田」
三軒茶屋「うち田」
韓国出張編
立石「二毛作」
野方「きさぶろう」
門前仲町「ますらお」「大衆酒場845」
芝「湯浅」
ほかに「断酒病棟体験記」「断酒と酒場をめぐるブックガイド」を収録。
▪️四六判並製 ▪️240ページ
978-4-86011-613-2
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▷授業日:毎週金曜日 19:00〜22:00
「現代アートの勝手口」は、この20世紀を総崩れにした30年の後に、改めて勝手に現代アートをやろうという集まりです。私たちは広く深く種々の形式を取り扱います。知的好奇心の赴くままに一緒に遊べる人と、これからの遊び方を再発明したいのです。この講座を通し、三河屋のようにひとの勝手口から勝手に出入りして、その勝手を盗み合えるひとたちと出会えれば幸いです。
