浦丸真太郎「縫合」
Photo by たまえ。
美学校スタジオにて、浦丸真太郎の個展「縫合」が開催される。期間は9月3日から11日まで。
1993年生まれの浦丸は、幼少期に叔父から性虐待を受けた。現在はその経験を軸に、詩や写真、絵画、インスタレーション、パフォーマンスなど様々な作品制作を行っている。美学校の講座である「芸術漂流教室」の昨年度の受講生であり、約一年間浦丸が抱える苦悩やテーマなど授業を通して熟考した。在学中に浦丸は自身の身体に残った〝傷痕〟に焦点を当て、作品を展開。そして今年5月には卒業展「他者の目を気にして漂流する」をターナーギャラリーで実施し、その展示の集大成とも言える個展を美学校スタジオで開催する。
今回の個展では、自身の虐待体験による傷だけでなく、他者が抱えるあらゆる傷に着目し、一人では塞ぐことができなかった心の傷と他者の傷を同時に癒していく試みでもある。個展を通し、過去の自分の思いを紡ぐように祈りを込めて「縫合」を行う。
〝縫合〟
幼少期に僕は虐待を受けていた。
そして身体には今も消えない傷痕がある。
これまでその傷痕を見ない日は一度として無かった。
その傷痕が目に入る度に、僕は傷を負ったあの日を思い出す。〝この傷さえなかったら〟と絶え間ない自己否定の渦が僕を襲った。
しかし、その一方で、自己否定の傍ら強くなっていく思い、〝僕は僕自身を愛したい〟
この気持ちだけが日々強く、大きくなる。
そして溢れる感情は、傷を抱えて生きる人達の元にまで僕を導いた。
彼らの痛んで止まない傷と傷。
そこに過去の自分の思いを紡ぐように祈りを込めて
今、僕は縫合する。
浦丸真太郎「縫合」
会 期:2022年9月3日(土)〜9月11日(日)
時 間:13:00〜20:00
会 場:美学校 スタジオ(地図)
東京都千代田区西神田2-4-6宮川ビル1階(袋小路奥)
休館日:会期中無休
観覧料:無料
プロフィール
1993年生まれ。幼少期に親族である叔父から性虐待を経験する。自分自身の中に芽生えた復讐心や、無意識に他者を傷つけることで心のバランスを図ろうとしていた自分に絶望し、人や社会から自ら孤立しようとしていく。そんなある時、何気なく得意だった物作りが、孤独であった自分と他者とのコミュニケーションを形成していることに気付き、作品制作を開始していく。作中では鑑賞者に自分の体験を次々と告白していく。それはまるで鑑賞者にカウンセリングをして貰うかのようである。また同時に鑑賞者の心の傷と向き合い、他者を肯定していく中に自分自身の魂の救済を行なっていく。
Instagram:https://www.instagram.com/shintaro_uramaru/
twitter:https://twitter.com/uramarushintaro
活動歴
グループ展 「オソレの品種改良」 ゲンロン カオス*ラウンジ 五反田アトリエ 東京 2018
〈東浩紀賞〉
グループ展 「ホーム・ランド」 ギャラリー201 東京 2019
〈岩渕貞哉賞〉
グループ展 「fancy HIM」 contact 東京 2019
プロジェクト兼個展 「WITH」自宅 兵庫 2020
グループ展 「AとP」 美学校スタジオ 2021
グループ展 「他者の目を気にして漂流する」 ターナーギャラリー 2022
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