はじめに〈全身演習〉
秒写/誘導画/空書/洞窟画/エクストリーム文具/Pixel & Path/こっかくとりんかく/道具/環境/方法/自然と雑然/記憶/見えないものと見えにくいもの/つくりにくいことからつくる/かくこととはなすこと/採集/命令くじ/解体/束ねる・綴る/編む/Publish/本の記述/本の居場所/選書/野菜と本/名刺/地図/特典/協働/カレンダー/気配/心持ち/時間/空間/依頼/写協/スナップ/キャプション/写真集/セルフポートレート/食字/作字と設え/挿画/模写と複写/ポスト・コラージュ/屋号/ヌードデッサン/感嘆符/トランスフォーム/重心/モビール/積む組む/練る/触覚/質感と情感/連続体/疎密とレイアウト/運動とパターン/スケールアップ・スケールアウト/俳句の配置/余白/関係性/すわる/SET & SETTING/什器とディスプレイ/ラジオ/ちいさな市場/出店/営業/運動会/瞬間展覧会/発信/宝島/Park/Party/Programming/Parts/Product/Package/80年代/スタイリング/贈り物/オーダーメイド/引用と応用/コピーと文鎮/パロディ/つながり/モーフィング/モーションロゴ/発声/音楽とグラフィック/フィールドレコーディング/Performance/Polyrhythm/Paraphrase/Polyphonic/Passion & Physical/Profile/資源/影響/インタビュー/テキスト/一週間/現象の記録/気配りの観察/記憶と原体験/気がかりと違和感/新しい名前/感覚イコライザー……
これは、デザインソングブックスで行ってきた100を越える演習の数々です。
屋外で裸足になって大きな紙に文字を書いたり
洞窟のような空間で蝋燭の灯りを頼りに絵を描いたり
身近な音を組み合わせて音楽をつくったり
バランスを取りながらものを吊ったり積んだり。
頭で理解するよりも体感や腑に落ちるものを大切に
身体を動かしながら手探りと手遊びを重ねてきた
〈全身演習〉。
単純計算で7年間・1000時間以上に及ぶみんなの過程と成果物をまとめると
5000ページ(!)を超える〈デザインソングブックス〉になります。
デザインソングブックスでは
「そもそもデザインってなんだろう?」
を起点にしながら、クラスの中ではデザインという言葉は(ほぼ)使わずに
そもそも道具ってなんだろう?
質感ってなんだろう?
雑然ってなんだろう?
というような、原初的なそもそもに立ち返りながら
それぞれの生活や仕事にふと結ばれる小道のような線を描いてきました。
琴線、伏線、視線、動線、タイムライン、スタートライン……。
見えにくいけれど、感受できるその線たちは
生活や仕事に資源を届けるライフラインと言ってもいいかもしれません。
断線したら終わりのような緊張感あふれる生命線というよりも
生に活かされる、散歩道のような生活線。
〈編曲〉
一方で、いろいろ体感したけれど
その散歩道をぐるぐるしているうちに迷い込んじゃいました、ということもありそうです。
確かにライフラインは一度描いたら完成ではなく
水や光熱などのインフラと同じように
時に補助線を足したり、環境や時節の変化に合わせて修復をしたり
編集をしながら生活や仕事の現場に結んでいく必要がありそうです。
デザインソングブックスではこれまでにも
〈編曲〉という名のもとに、写真家、編集者、美術家、デザイナー、エンジニアなど
さまざまなゲストをお呼びして、演習を起点とした対話を行ってきました。
演習から編集へ、閉じた関係性に留めずに風を通して
体感した資源を具体的な生活や仕事へ編みこんでいく時間です。
デザインソングブックスは新年度から月に一回
通年でこの〈編曲〉を開講したいと考えています。
一方通行のトークショー形式ではなく、ゲストとともに組み立てた演習を行いながら
それぞれの生活や仕事、環境や時節といった背景を具体的に編集して
お互いの資源を継続的に供給し協働する場となります。
絡まった状態をときほぐしたり、新たに足したり、引いたり、ケアをしたり。
体感した資源と、それを運用するライフライン(散歩道のような生活線)を編集していくと
さらなる地点や線と交差して独自の経路や編目となり
日々の活動や仕事に結ばれていくことと思います。
デザインソングブックスの〈編曲〉・募集概要
これまでの通年の講座とは異なり
初めて演習を体験する受講生ではなく、修了生を対象にスタートします。
初月:ゲスト講師と組み立てた〈全身演習〉の出題、リファレンス
翌月:ゲスト講師を交えての対話と編集
この2ヶ月1セット×年間5セット(ゲスト講師5名)の合計10回を予定しています。
日常の中で手探りと手遊びを継続する機会は限られています。
集まって演習や対話を重ねる環境がどれだけ貴重であるかも日増しに感じますが、
〈編曲〉では通年の対面受講のほか、ゲスト回のみオンライン受講も可能となります。
オンラインは限定配信のほか、アーカイブとしても残されます。
それぞれの現場で、ふと断片が思い返されたり
その資源が活動に結ばれていくことを願っています。
可能な形を探って、ぜひご参加ください。
講 師:大原大次郎、宮添浩司、本多伸二、特別講師
期 間:2021年5月〜2022年3月[全10回・休み月有り]
開催日:毎月第2金曜日
時 間:19:00〜22:00
受講料:対面・10回通し 50,000円、オンライン(ZOOM、ゲスト回のみ)・各回 2,000円
対 象:「デザインソングブックス」修了生 ※当講座の修了生以外は受講できません。お問い合わせはご遠慮ください。
定 員:対面7名 ※オンライン受講は人数制限なし
申込み締切り:3月31日(水) ※対面受講の申し込みが定員を上回る場合は抽選となります。
対面会場:美学校 本校(地図)
東京都千代田区神田神保町2-20 第二富士ビル3F
講師プロフィール
大原大次郎
1978年神奈川県生まれ、武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業。タイポグラフィを基軸とし、音楽、書籍、空間、映像などにおけるデザインに従事するほか、展覧会やワークショップを通して、言葉と文字の新たな知覚を探るプロジェクトを展開する。近年のプロジェクトに、重力を主題としたモビールのタイポグラフィ〈もじゅうりょく〉、ホンマタカシによる山岳写真と登山図を再構築した連作〈稜線〉、音楽家の蓮沼執太とイルリメと共に構成する音声記述パフォーマンス〈TypogRAPy〉などがある。受賞にJAGDA新人賞、東京TDC賞。 http://oharadaijiro.com
宮添浩司
1979年生まれ。武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業後、BANG! Design,incを経てフリーランスに。エディトリアルを主軸に、紙媒体や、商業施設のサイン計画など、グラフィックデザイン全般に携わる。建築家滝口聡司と共にブックレーベル「aptp books」を主宰。http://kojimiyazoe.comhttps://aptp.jp/publishing/
本多伸二
1981年生まれ。武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業。デザイン事務所勤務を経て、2009年からフリーランスに。カタログ、ポスター、フライヤー、ミュージックビデオのタイトルや番組のデザインなどを手掛ける。本業の傍ら、サンプリングカルチャーへの偏愛を表したシルクスクリーンによるプロダクトを模索し展開中。http://hondamr.net
▷授業日:隔週木曜日 19:00〜22:00
『デザインソングブックス』は、その生モノに取り組みながら、独自の<ツール><方法><環境>を探り、書くこと(記述と設計)と話すこと(発声とパフォーマンス)、デザインをするための過程から実践までを共有する場です。年齢、経験不問です。ぜひご参加ください。