櫛占采『暗渠・皮膜』

2026年9月25日(金) 〜 29日(火)

櫛占采による個展、『暗渠・皮膜』を美学校スタジオにて開催します。ぜひご来場ください。


何年も前に、ある友人が話してくれた。
「ビニール袋に水を入れて、そのままだと水は漏れないが、袋に穴を開ければそこから水が出る。私はそれが不思議でならない。」
私はその話を聞いてから時々そのことを考える。例えばマンションの一室で、誰かが貧困と飢えで死にそうになっているとして、その隣の一室にはありあまるほどの食べ物があったとする。だけど2つの部屋の住人は、お互いのことを知らなければ食べ物を分け与えることも、分けてくれるよう頼むこともできない。そう言ったことはこの世の中できっとたくさんあるのだと思う。
隣の部屋で、すぐそばの建物で、山の向こうで、一つ国境を挟んで、大きく世界は変わる。
それは仕方のないことなのだろうか。それとももしどこにも境目がなければ、人は皆幸せなのか。
宇宙から見た地球に国境がないとしても、実際にたった一本の線を越えれば助かる命も死の危険に晒されてしまうし、もちろんその逆もあり得る。
劇場で、舞台と客席を分ける見えないボーダーラインは、国境と同じなのだろうか。境界線とはどう言った存在なのか。
壁一つ隔てて、状況が全く違ってしまうということを知ることができるようになってしまった私たちは時に痛みを伴い、何度でもパンドラの箱を開ける。
人はその時代の加速に耐えられるのだろうか。


櫛占采
『暗渠・皮膜』

会 期|2026年9月25日(金) 〜 29日(火)
13:00-20:00(*最終日17:00まで)
出入自由、参加無料

イベント|
「作品ツアー」
9月26日(土)
*時間については作家のインスタグラム、webにて発表しますので、そちらをご確認ください。
https://www.instagram.com/kushiurasai/
https://kushiurasai.my.canva.site
出入自由、参加無料

会 場|
美学校 スタジオ(地図
東京都千代田区西神田2-4-6宮川ビル1階(袋小路奥)

櫛占采|Kushiura-Sai
1985年生まれ 神奈川県出身
画家として活動後、2023年より絵画、立体、インスタレーションや映像など、手法を横断した制作を行う。自己と他者、家と外、精神と身体といった二項のあいだに立ち現れる境界の揺らぎに着目し、その不確かさや感覚の変容を可視化することを試みている。