
元祖マンガイラストレーター、コミック画家として、1980年代から雑誌・広告・音楽業界を中心に活躍してきたスージー甘金さん。ポップアート、ニューペインティング、コミック、イラストなど各ジャンルの要素を自在に引用して描かれた、その諧謔的かつポップな作風は、様々なクリエイターやアーティストに大きな影響を与えてきました。
今回のトークでは、そのスージー甘金さんの作品を、美術史を中心にコミック・イラストなどにも話を広げながら徹底的に掘り下げます。
ゲストには、イラストレーターとしての出自を持ち、『近代美術史テキスト』、『現代美術史日本篇1945-2014』などの著作がある美術家の中ザワヒデキさんをお迎えします。1989年の著作『近代美術史テキスト』では、最終章の第15章で「スージィ甘金とイラストの心」と題しスージー甘金という作家の重要性を語っています。
司会を務めるのは、スージー甘金さんと師弟関係にあり、当校で共に「POP ILLUSTRATION 塾」の講師を担当するデザイナー・イラストレーターの小田島等さんです。ご自身もイラスト・アート・デザインを横断して活動する小田島さんが、二人のトークを深掘りしていきます。
近年、展示機会が増えリバイバルが進むスージー甘金さんを知るまたとない機会です。ぜひご参加ください。
出 演:スージー甘金、中ザワヒデキ
司 会:小田島等
日 時:2025年8月2日(土)15:00〜16:30(延長の可能性あり)
参加費:一般1,800円/美学校受講生1,000円
会 場:美学校 本校 4階教場(地図)
東京都千代田区神田神保町2-20 第二富士ビル4F
※本トークは編集の上、後日YouTubeにて公開予定です。
プロフィール
スージー甘金
1956年東京生まれ。元祖マンガイラストレーター、コミック画家。
多摩美術大学グラフィックデザイン専攻卒業。
1982年に雑誌「宝島」でデビュー後、多くの雑誌や広告、TVCMなど多くの媒体にイラストを提供。吹き出しやキャラクターなどのマンガ的要素や企業ロゴ、現代アートのモチーフを徹底的に引用した諧謔的作風は、後進の作家たちに多くの影響を与える。また、多摩美術大学非常勤講師、京都精華大学特任教授、その他多くの専門学校での講師を歴任する。
音楽業界のクライアントワークも多く、電気グルーヴのロゴやジャケットワークをはじめ、KUWATA BAND、山下達郎、村松邦男、LÄ-PPISCH、The Collectors、河内家菊水丸、平松愛里などのジャケットに数多くのイラストレーションを提供。主な著作に『POPPO ART』(荒地出版社)、『少年ポンチ』(ジャパンミックス)、『塗COMIX』(音楽出版社)などがある。
1980年代より個展も多数開催し、2022年 FAITH GALLERYで開催した2人展『艺术包』では、デュシャンの「泉」とウォホールの「キャンベル缶」を足して商業で割った”極東POP”オブジェ『艺术包缶』150缶を完売。
昨年、小田島等とともに“日本ポップアート協会”を結成。60年代ポップアートを再評価すると同時に、その精神を受け継いだ2020年代対応の新型ポップ・イラストレーター&ポップ画家の発掘および育成を行っている。
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Instagram:@suzyamakane
中ザワヒデキ
日本人男性美術家。1963年、新潟県生まれ。千葉大学医学部在学中の1983年よりアーティスト活動を開始(第一期:アクリル画)。卒業後眼科医となるも1990年、絵筆をコンピューターのマウスに持ち替えイラストレーターに転身(第二期:バカCG)。1997年、CGの画素を文字等の記号に置き換え純粋美術家に転身(第三期:方法絵画)。2004年、方法主義では禁じていた色彩を再び使用し、以後多彩に活動(第四期:本格絵画、新・方法、他)。宣言「方法主義宣言」「新・方法主義宣言」「人工知能美学芸術宣言」。特許「三次元グラフィックス編集装置」「造形装置および方法」。著書『近代美術史テキスト』『西洋画人列伝』『現代美術史日本篇1945-2014』。CD『中ザワヒデキ音楽作品集』。95年度マルチメディアグランプリMMAアーティスト賞。VOCA2003奨励賞。第19〜21回文化庁メディア芸術祭審査委員。2007〜2019年、美学校にて「中ザワヒデキ文献研究」開講。2016年より人工知能美学芸術研究会(AI美芸研)発起人代表。
小田島等
1972年東京生まれ。デザイナー、イラストレーター。ギャラリーVOID運営。
桑沢デザイン研究所卒業。15歳の時にポップアートと出会い明確な意志を持って絵を描きだす。高校時代に雑誌『イラストレーション』誌上コンペ「ザ・チョイス」にて印刷物デビュー。専門学校時代にスージー甘金のコガネ虫スタジオで修行し、“POP”の矜恃に触れる。
1995年より音楽ジャケットや書籍装丁、広告物などのデザイン及びアートディレクションをスタート。音楽系では遠藤賢司、はっぴいえんど、ムーンライダーズなどのベテランから、サニーデイ・サービス、シャムキャッツ、くるりなど幅広く手がける。MVのディレクション・ワークも多数。近年では小説家・吉本ばななの装丁を手がける。
主な著作にデザイン作品集「ANONYMOUS POP」(P-vine books)、漫画作品「無 FOR SALE」(晶文社)、監修本「1980年代のポップ・イラストレーション」(アスペクト)がある。音楽ユニットBEST MUSICとしても活動し、2007年発表の『MUSIC FOR SUPERMARKET』は「早過ぎたVaperWave」と評され、近年では海外でも評価が及ぶ。
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Instagram:@odajima_works