実作講座「演劇 似て非なるもの」第7期 プレ講座
『第6期修了公演の記録映像上映会』
『聞くこと 話すこと』
実作講座「演劇 似て非なるもの」第7期は6月7日(金)から始まります。
開講に先だって、2つのプレ講座を開催したいと思います。
ひとつは3月21日に三鷹SCOOLで開催した第6期修了公演の記録映像の上映会です。
6期生の3人(太田七海さん、冨田学さん、石垣真琴さん)がそれぞれ1作品をつくり、ぼくと2期生の鈴木健太くんの作品を加えての4作品オムニバス公演でした。
記録映像の編集は5期生の綾野文麿くんによるものです。
上映と合わせて、6期生の3人や出演者たちによるトークも行おうと思っています(トークは26日のみ)。
トークの司会は木村奈緒さんにお願いしました。
もうひとつは『聞くこと 話すこと』と題したプレ講座です。
いま、自分が大切で必要だと思っていることは何だろうかと考えたとき、
集まった人たちの話を聞き、話すということでした。
1年間を通しての講座でやっていることも、
集まった人たちで「聞くこと 話すこと」から始まります。
ものすごく地味なことに思えるかもしれませんが、
「聞くこと 話すこと」が出来る場があるというのは、
とても大事なことだと思っています。
話すことよりも、聞くことを前に持って来たのは、
ぼくの場合は自分の考えを話すこと以上に、
人の話にきちんと耳を傾けることが出来ていないと考えているからです。
みなさんはどうでしょうか?
2日間ありますが、どちらか1日のみの参加でも構いません。
その日集まった人たちと話がしたいと思っています。
ゲストとして鈴木健太くん(25日)、黒木洋平さん(31日)に会話の輪に加わって頂けることになりました。
鈴木くんとは、昨年から共作の機会が多くて、特に昨年7月に行ったワークショップ形式で行った『日々の公演』は僕にとっても、おそらく鈴木くんにとってもとても大きな体験でしたし、6期の修了公演での『ある家族のせんねんまんねん』もこれまでとはまた違う世界に入っていきそうな予感に満ちたものでした。鈴木くんとは今年の7月にも新作の公演を予定しています。
黒木さんとは、今年の3月に主催されている亜人間都市の公演『東京ノート』を観に行ったときに、終演後ほんの短い時間話をしたことがあるだけですが、人と恊働するということ、場の在り方について、共感出来ることが多くて(もちろん、同時に違いも多いかもしれませんが)、是非、お話をしてみたいと思い、今回、声をかけさせてもらいました。
日々の公演を観てオイリュトミストの野口泉さんが「日常的に暴力的なニュースにさらされて疲れてしまっていることにこの空間にいて気付いた。人が空間にいて言葉を話していることの尊さ」と感想を書いてくださいました。
日々、暴力や悪意にさらされていて、それは比較にならないくらい過酷な環境で暮らしている人たちに比べれば、気付かないふりをしてやり過ごせる(ような気がする)程度のものかもしれませんが、そのひとつひとつは弱い暴力や悪意は、身体や心を澱が溜まって行くように濁らせてしまう気がします。悪意は簡単に伝搬するし、自分自身も小さな悪意を日常で振りまいていることがあると思います。
「それがどんなものであるかまったく知らないものを、どうやって探求しようというのでしょうか」(メノン)
先のことを見通そうとするとき、何が良くて、何が悪いのか。
僕は年々、何かを決めるということが出来なくなって来ています。
鈴木くん、黒木さん、木村さんに何故声をかけさせてもらったのかと言えば、単純にいま自分が話したい人たちだったからですが、それが何故かと自分に問えば、何が本当に大事なのことなのかを見失いがちな時、彼らと話すことで何が大事なものなのかを思い返させてくれるのではないかと思ったからです。
集まって話をすることは何でもないことかもしれませんが、
その何でもないことをあえてやってみたいと思いました。
どうなることか分かりませんが、一方的ではなく相互的な場になればと願っています。
皆様のご参加お待ちしています。
『聞くこと 話すこと』
5月25日(土)19:00〜22:00@美学校スタジオ(ゲスト:鈴木健太)
5月31日(金)19:00~22:00@美学校スタジオ(ゲスト:黒木洋平)
『第6期修了公演 記録映像上映会』
5月25日(土)14:00開場 14:30上映(17:00終了予定)@美学校スタジオ
5月26日(日)13:00開場 13:30上映+トーク(18:00終了予定)@美学校スタジオ(司会:木村奈緒)
参加費:無料
申込み:不要
会場:美学校 本校(地図)
東京都千代田区神田神保町2-20 第二富士ビル3F
美学校 スタジオ(地図)
東京都千代田区西神田2-4-6宮川ビル1階(袋小路奥)
上映作品詳細
『森』
作・演出 太田七海(6期生)
出演 石田ミヲ 岩田里都(シラカン) 根本美咲 桒野有香(1期生) 石垣真琴 冨田学 マナバット ロビン カヤゴ 橋本清(ブルーノプロデュース) 山本伊等
『浜辺で波が引く時のめまい』
作 冨田学(6期生)
演出 生西康典
出演 冨田学 瀧澤綾音(4期生)
『ある家族のせんねんまんねん』
作 鈴木健太(2期生)
演出 生西康典
出演 高山玲子 竹尾宇加(5期生) 成澤宇宙 鈴木健太
特別出演 武本拓也(4期生)
スネア演奏 石垣真琴
美術・衣装 竹尾宇加
『劇より、長い。』
作・演出 石垣真琴(6期生)
出演 石垣真琴 マナバット ロビン カヤゴ 冨田学
…
照明 小駒豪
音響 土屋光
タイトルデザイン 鈴木健太
…
撮影 河合宏樹 綾野文麿 中西真穂
録音 宇波拓
編集 綾野文麿(5期生)
ゲストプロフィール
鈴木健太
1993年生まれ。美学校実作講座「演劇 似て非なるもの」第2期修了。舞台作品の制作のほかに、グラフィックデザインとヘルパーの仕事をしています。2018年は「象を撫でる」(音響・宣伝美術)、「日々の公演」(作・演出協力・出演)、「こんなに知らない貝と皿」(照明・演奏)。そのほかに音楽家のグルパリ「演奏」、画家の吉原航平「未明の目」の個展の企画。2019年はグルパリ個展「FOR GLASS, METAL, PLASTICS」(展示演出)、公演「baby, maybe, message, game.」(グルパリとの共同制作)。
黒木洋平
劇作家・演出家、演劇ユニット「亜人間都市」主宰、1994年生まれ。定期的に演劇公演を行っていて、現在は読書会と演劇のワークショップを毎月開催しています。続いていくことをこそ続けていくための場作りを目指しています。
木村奈緒
フリーランス。1988年生まれ。大学でジャーナリズムを専攻の後、メーカー勤務などを経て現在は美学校とNPO法人水俣フォーラムでスタッフを務めながら個人でも取材・企画などを行う。2015年、東京で「わたしたちのJR福知山線脱線事故ーー事故から10年展」開催。https://kimuranao.tumblr.com/
▷授業日:隔週火曜日19:00〜22:00+月1回外部開催
「演劇」は既成のイメージされているものよりも、本当はもっと可能性のあるものなんじゃないかと僕は思っています。それを確かめるためには、何と言われようとも、自分達の手で作ってみるしかありません。全ては集まった人達と出会うことから始めます。