プロジェクトごとに形を変えて作られるユニット「Port B」を率いながら、演劇の枠組み自体への問いを創作に結びつけて各方面の反響を呼んでいる高山明。文字の概念自体を対象化したグラフィックデザインという、特化した独自領域を四半世紀に渡って開拓し続けてきた大日本タイポ組合の秀親と塚田哲也。演劇とグラフィックデザインはそれぞれに歴史あるジャンルと言えるが、その土台の上で活動しているというよりも、根っ子から掘り起こそうとする文字通りのラディカルさが両者に共通している点ではないか。極めて実験性の強い活動でありながら、それ自体を表現として成立させている。その実験と実践はいつどのような契機から始まったのか。それぞれの源流を探りつつ、昨今の交流までの道筋を辿りたい。
佐藤直樹
ゲストプロフィール
高山明
演出家。1969年生まれ。演劇ユニットPortB(ポルト・ビー)主宰。既存の演劇の枠組を超え、実際の都市を使ったインスタレーション、ツアー・パフォーマンス、社会実験プロジェクトなど、現実の都市や社会に介入する活動を世界各地で展開している。近年では、美術、観光、文学、都市プロジェクトといった異分野とのコラボレーションに活動の領域を拡げ、演劇的発想・思考によって様々なジャンルでの可能性の開拓に取り組んでいる。2016年度より東京藝術大学大学院映像研究科で教鞭を執る。
大日本タイポ組合
秀親と塚田哲也の2人で1993年に大日本タイポ組合を結成。日本語やアルファベットなどの文字を解体し、組合せ、再構築することによって、新しい文字の概念を探る実験的タイポグラフィ集団。グラフィックデザインを中心に活動し、世界各地での企画展への参加やワークショップを行う。2012年古堅まさひこと共に日本科学未来館にて「字作字演展」を開催。ヨコカクと共に新世界タイポ研究会『「横書き仮名」の開発』がTDC賞2013を受賞。2014年10月には「文字による文字のための文字のサイト」type.center( http://type.center/ )を立ち上げる。2015年 ギンザ・グラフィック・ギャラリーにて「字字字」展を開催。主著書に『TYPE CARD PLAY BOOK』(ACTAR)、『大日本字』(誠文堂新光社)、『なんでももじもじ』(こどものとも 2017年2月号/福音館書店)。
ゲスト:高山明、大日本タイポ組合
聞き手:佐藤直樹
日時:2018年3月9日(金)
時 間:19:00〜22:00
参加費:1000円(ワンドリンク付)
申込み:申込みは不要です。
会 場:美学校 本校(地図)
東京都千代田区神田神保町2-20 第二富士ビル3F
※今回のトークはオープン形式ですので、美学校生以外の方もご参加いただけます。お気軽にご来場ください。
▷授業日:毎週金曜日 19:00〜22:00
絵画、デザイン、イラストレーション、映像、写真、これらの表現を総合的に考察、批評し、さらに各々の実践を軸として講義を展開します。それらを個々の仕事に還元するだけでなく、新しい創造に繋げていこうと考えています。