【7/17】「いぬのせなか座×アーギュメンツ#2 トークイベント」山本浩貴× 福尾匠




「いぬのせなか座」という集団/媒体のメンバーである山本浩貴は小説や詩をベースとした表現を「私の死後の私」の生存可能性を構築する集団制作の場として思考している。書くことにおいて、書かれたものにおいて、共同制作者を含む環境を別様に圧縮するものとして私を結び変えることを試みる彼の活動は、近年は雑誌『早稲田文学』の編集、『ユリイカ』への最果タヒ論の寄稿などオーバーグラウンドの領域にまで拡張されつつある。

『アーギュメンツ#2』に佐々木友輔の映像作品『土瀝青 asphalt』と彼の「揺動メディア論」を同時に批評する論考を寄せた福尾匠は、その論考を通して映像とその傍で書かれた言葉を干渉させ、新たなアレンジメントを構築することを試みている。彼は自身の研究においては『シネマ』と映画、哲学と芸術、言葉と物をいったん二元論的に分離したうえで再接続する方法あるいは思考としてドゥルーズを読み変える方途を探っている。

今回のトークでは、いぬのせなか座とアーギュメンツという、媒体であると同時にそこからはみ出して集合的な主体性を獲得しているふたつの集団とその制作のあり方について、あるいは、哲学の領域で起こっている「思弁的転回」以降の言語のあり方について、そして制作物に埋め込まれた主体と環境の関係について二人のあいだで密度の高い議論がなされるだろう。


登 壇:山本浩貴、福尾匠
日 程:2017年7月17日(月・祝)
時 間:19:00〜21:00(開場18:30)
入場料:1,000円
会 場:美学校 本校(地図
    東京都千代田区神田神保町2-20 第二富士ビル3F

登壇者プロフィール


山本浩貴(やまもと・ひろき)

1992年生まれ。「いぬのせなか座」主宰。言語表現をベースに〈私の死後の私〉について議論・レイアウト・制作する。「山本浩貴+h」名義で批評や小説、パフォーマンス、デザインなどを発表。近年のテキストに「空白の料理 私の部屋の配置によって染み込む死への温もりと、花畑を何重にもつみかさねた実験場で見られる新たな系の制作」(『ユリイカ』2017年6月号)、編集・デザインに『地上で起きた出来事はぜんぶここからみている』(河野聡子著、いぬのせなか座叢書、17年夏刊行予定)など。

福尾匠(ふくお・たくみ)

1992年生まれ。横浜国立大学博士後期課程、日本学術振興会特別研究員(DC1)。専門は芸術哲学。とりわけドゥルーズ、デューリングなどの映像論。批評誌『アーギュメンツ#2』寄稿、「映像を歩かせる:佐々木友輔『土瀝青 asphalt』および「揺動メディア論」論」や、webで読めるものとしては『hyphen』寄稿の「In (Search of) a Lost Image, Lost in a Stage : 伊藤高志『三人の女』」などがある。早ければ年内にドゥルーズ『シネマ』についての単著を刊行予定。