文=木村奈緒 写真=皆藤将
「会田誠特製謎のつまみ」を食べながら、ブレイク間近の若手芸術家のトークを聞く「会田誠の月イチぼったくりBAR」。5回目を迎えた今回は、アーティストの林千歩さんをゲストにお迎えしました。
実はトークが苦手という林さん。そこで今回は、林さんの過去作から近作までを林さんの生解説つきで一挙上映。林さんの活動の軌跡をたどりながら、製作の意図、制作秘話、裏話……などなど、ここでしか聞けない話が盛りだくさんの2時間30分でした。インパクトの強い林さんの映像作品に笑いが耐えなかった当日の模様を少しだけお伝えします!
もはや名コンビ?!林千歩×会田誠
現在、東京藝術大学大学院の博士後期課程に在籍中の林さん。会田さんとの出会いは、学部生時代の講評会に遡ります。以来、トーキョーワンダーサイトや森美術館で開催された会田さんの展覧会で、林さんも展示やパフォーマンスを行うなど、コラボレーション(?)を重ねてきた二人。あらためてそんな二人のトークが聞けるということで、多くの方が会場に駆けつけました。
林さんと言えば、自ら過度なメイクと衣装をまとって「何か」に扮した強烈なインパクトの作品。この日も当日の林さんのツイートから、何かに扮して登場するのでは…と憶測が飛び交いましたが、素の姿で登場してくれました。
モツおいしすぉー!会田さんありがとうございます!
【本日★19:00〜】『会田誠の月イチぼったくりBAR』よろしくです
会場:東京都千代田区神田神保町2-20 第二富士ビル3F (美学校)@makotoaida @bigakko pic.twitter.com/fj9pTynKaO— 林 千歩 Chiho HAYASHI (@pochi0141) 2016, 2月 9
学部時代の作品から近作まで一挙上映
既に林さんを知っている人も、昔の作品はあまり見たことがないのでは?ということで、学部時代の作品から上映開始。教授から「美術作品を作れ」と言われたものの、「美術作品とは何なのか?」と思い悩んだ林さん。課題のテーマ「アイデンティティ」をもとに、それまでの人生で一番楽しかった高校時代にやっていた遊びを再現したというのが、作品「おやじラップ」。おやじメイクをした女子高生に扮しているのが林さんと林さんの高校時代の親友です。その後も親友と二人で作品を作っていたものの、親友の就活を機に一人で作品を作りはじめたとのこと。過去作から近作に至るまでの変遷が見てとれます。
時折、爆笑につつまれる会場
瀬戸内国際芸術祭などの芸術祭にも参加している林さん。地元の人に出演してもらった作品では、林さんの手によって、おじいさんやおばあさんも何者かに扮しています。
作品にトークにつまみ…大満足間違いなし!
…ということで、林さんのこれまでの軌跡を振り返った2時間30分はあっという間に修了。一人の作家の作品をこれだけまとめて見る機会はなかなかないので(しかも作家本人の解説付で)、非常に貴重な機会になったのではないでしょうか。当日の様子はレポートではなかなか伝えきれないので、是非イベントに足を運んでいただくことをオススメします。
会田さんお手製のつまみも食べられます。
美味しそうに出来ました!会田誠お手製モツ鍋(チゲ風)
最後はツーショット。林さん、ありがとうございました!
次回は3/8(火)開催!
さて、2015年10月から毎月開催してきた本イベントも、いよいよ次回が最終回です。会田さん曰く「また再開するかも」とのことですが、第一シーズン(?)はひとまずこれにて終了。これまでにご参加された方はもちろん、参加されたことがない方は、この機会をお見逃しなく!次回ゲストは、若手ながら既に国内外で活躍するアーティスト・コレクティブ「オル太」のリーダー・Jang-Chiさんと秘書・メグ忍者さんです。2016年3月8日(火)は是非美学校へ。皆さまのご参加、お待ちしております!詳細はこちら。