展覧会「出張!パープルーム予備校 ドローイング1969-2025 前衛美術の残滓とコレクティブ時代の気分たち」

2025年6月19日(木)、20日(金)

作 家:梅津庸一、安藤裕美、パープルームコレクション(福士千裕、星川あさこ、坂本夏子、秋山祐徳太子、二艘木洋行、平山昌尚、玉川桜ほか)、浦川大志、名もなき実昌、梅沢和木、浦川コレクション(桜井孝身、菊畑茂久馬、オチオサム、大山右一、小幡英資、上田薫、一輪社、ク渦群、DIEGO、BIENほか)
日 程:2025年6月19日(木)、20日(金)
時 間:13:00〜20:00
会 場:美学校 本校 4階小教場(地図
     東京都千代田区神田神保町2-20第二富士ビル4F
協 力:金盛社

本展について

美学校は1969年に創立して以来、たんに教育の場であるだけではなく次なる美術シーンが生起するのを下支えするプラットフォームであり続けてきました。今年開講したばかりの「出張!パープルーム予備校」はそんな美学校の蓄積にとりわけ自覚的な講座と言えるかもしれません。
さて、今回はゲストとして美術家の浦川大志さんをむかえ美学校の小教場を舞台に即興で展覧会をつくります。ちなみにこの展示は美学校の受講生だけでなく一般のお客さんにも公開します。

美術におけるムーブメントや史観といった大局的な視点と個人がものをつくるという小さな営みはどのようにかかわってきたのでしょうか?
本展では既存の価値観を否定し刷新を試みた九州派をはじめとする前衛グループの活動、そして2011年の東日本震災以降のアートコレクティブの盛衰をドローイングを手がかりに振り返ります。中央と周縁、集団と個、もしくはオンラインとオフラインのはざまで生成されたドローイングたち。大掴みな美術史のパースペクティブからはどうしてもこぼれ落ちてしまう個々のディテールにも注目します。
ドローイングとはかつて人知れず起こった出来事の現場でありながら完結した作品でもありますが、それゆえ当時の決断や逡巡がもっとも生々しく記憶されているメディアなのです。
今回紹介される作品の多くがプライベートコレクションである点も重要です。作品蒐集もまた表現活動の一環と言えるでしょう。

この展覧会は講義前の僅かな時間で組むものなのでインストールは粗雑で簡素なものになります。しかしだからこそ、展示自体がドローイングの原理そのものとして立ち上がるはずです。本展を通して普段は一堂に会する機会がないであろう作品たちがそれぞれにネットワークを結び、教場に新しい「花粉」が舞い踊ることを願って。

梅津庸一(美術家、パープルーム主宰)


出張!パープルーム予備校 再び絵画からはじめよう 梅津庸一

▷授業日:隔週金曜日 13:00〜17:00
本講座では絵画を起点に今一度美術の在り方を考えます。全体を変えることはできなくとも自分なりの価値基準の物差し、あるいは持続可能な活動の下地をつくることはできるかもしれません。制作だけでなく座学、個人面談などを通して総合的に絵画に紐づくあれこれを探求します。